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「WUGを知らない人に最初に勧める曲はどれがいいか」という名の(ほぼ)全曲紹介

先日、Wake Up,Girls!(以下WUG)のラストライブに一緒に行った某氏と会った際に、こんな話題があがった。
「WUGのラストライブが人生最高のライブだった可能性がある、と言っても誰も信じてくれない」という話から「WUGの曲、本当に全部いい曲だから、どの曲を勧めるか迷う」というような話になった。

そこで、自分なりにこの問題を消化するため、独断と偏見と多少の客観的視点から、WUGの曲をだいたいリリース順に、初めて聴く人へのおすすめ度を★〜★★★★★の5段階で数値化し、コメントとともに紹介してゆく。
ひとつ注意してほしいのは、この度数はあくまで「筆者の主観に基づいた最初に聴く入門曲としてのおすすめ度」であって、決していい曲格付け的なものではない。いい曲、好きな曲というのは各個人で日々変動するものである。

1.タチアガレ!
おすすめ度★★
WUGの最初の曲。劇場版およびTVシリーズ1期前半の主題歌。4つ打ちの小気味良いテンポの曲だが、どことなく闇のあるような曲調。最初にリリースされた曲というのもあり、歌唱面の拙さが気になるのでこの評価。解散が近づいた時期でのライブパフォーマンスはすごい。

2.言の葉 青葉
おすすめ度★
TVシリーズ1期ED曲。ピアノとストリングスが中心のスローテンポの合唱曲のような曲だが、歌詞はドルオタの内心をえぐってくるようななかなかな内容。最初に勧める曲ではないかなあ、と思いこの評価。

3.16歳のアガペー
おすすめ度★★★
アニメ原作設定に従った地方の地下アイドル的なチープ感を伴った良質アイドルポップス。前述したような初期の歌唱の拙さも、この曲では良い方向に作用している。この手の音楽が抜群に突き刺さる層も一定数いるはず。少女の敵わぬ恋心を歌った歌詞。尊い。

4.極上スマイル
おすすめ度★★★★
ハロプロ的ファンクなポップ要素を持ちつつも、地下アイドル的なチープさも兼ね備えた、そんな曲。キメのパートが多くてとにかく幸せになれる。

5.7 Girls War
おすすめ度★★★
TVシリーズ1期後半OP曲。前述の『タチアガレ!』と比べると、曲調・歌詞ともにかなり前向きなものに仕上がっている。余談ではあるが、作曲者の神前暁は本曲の制作中にオーバーワークで倒れ休養に入り、本曲の編曲は田中秀和が担当、以降のWUGシリーズの作曲は田中秀和・広川恵一が中心となっていくという、作曲家サイドの転換点ともなった曲である。

6.ワグ・ズーズー
おすすめ度★
WUGスピンオフ作品の主題歌。軽快なポップス。パッと聴きでは印象が薄いかもしれないが、音の響きやコード感はかなり丁寧に作られているといった印象。最初に聴く曲としてはフックが弱めかなあということでこの評価。

7.素顔でKISS ME
おすすめ度★★
ドラムンベース調のカッコいい曲。...だが個人的にはWUGらしさ(?)は薄めかなあと思いこの評価。

8.少女交響曲
おすすめ度★★★★★
劇場版2作目主題歌。圧倒的ドラマチック神曲。ポップスとしては少し長めの5:25という時間を使って、前〜中盤の陰のパートから二転三転し間奏〜ラストまで一気に畳みかけてくる。すごい。

9.Beyond the Bottom
おすすめ度★★★★★
劇場版3作目主題歌。前述の『少女交響曲』と並んでドラマチック。ポストロック的な要素を含んだ曲全体の抑揚のうねりに飲み込まれる。筆者がWUGで最初に好きになったのはこの曲だった気がする。

10.地下鉄ラビリンス
おすすめ度★★★★
曲のAメロの1番にスカのリズム、2番にレゲエのリズムを使ってきたりと、アニソンとしてはかなり挑戦的で面白い曲。そこからのサビは王道的であるのだから笑顔にならざるを得ない。

11.HIGAWARI PRINCESS
おすすめ度★★★★★
ポップさ、カッコよさ、かわいさ全てを備えた名曲。アシッドジャズなトラックにキャッチーなメロディー、楽器のクールな演奏に各楽器のソロパートと、どこをどう切り取っても最高。個人的には最初に聴くには一番のおすすめ曲。

12.プラチナ・サンライズ
おすすめ度★
派手なストリングスに小気味良いギターのカッティング。アニオタが好きそうなこの一曲。

13.セブンティーン・クライシス
おすすめ度★★
90年代的なシンセがバチバチに鳴っていて気持ちいい。歌のメロディーもかなり耳に残る。

14.僕らのフロンティア
おすすめ度★★★★
ミニマルな音構成のイントロ〜AメロからのBメロでの不安定なメロディで崩しにきて、そしてサビで一気に視界が開けたかのような圧倒的開放感。1番→2番と曲が進んでいくうちに、音構成も変わっていって、聴いていて飽きない。ミニマル寄りな音楽が好きな方には本当におすすめ。

15.タイトロープ・ラナウェイ
おすすめ度★
小室感がすごい。WUGっぽくは無い。

16.outlander rhapsody
おすすめ度★★
歌謡曲的で、ブラスの音がカッコいい。ギターの動きもなかなか面白い。

17.恋?で愛?で暴君です!
おすすめ度★★★★
曲展開が本当に本当に気持ち悪い(最上級の賛美)。どうかしてる。Bメロにちらりと入るブラジル要素が好き。めちゃくちゃな音楽を求めてる人は是非。余談だが星野源が自身のラジオ番組でこの曲を流したらしい。

18.ゆき模様 恋のもよう
おすすめ度★★★★
ミニマルな冬曲。癖のあるメロディーラインとベースラインの絡み、コーラスワークがたまらん。個人的好きな曲ランキング第1位にちょいちょい顔を出してくる。

19.TUNAGO
おすすめ度★★★
東日本大震災後の人と人との繋がりをテーマにした曲。シンプルにいい曲。単音の一つひとつの響きがとても美しい。そしてその音たちがサビで繋がる瞬間の素晴らしさ。

20.One In A Billion
おすすめ度★★★
May'nとのコラボ曲。軽快なロックチューンだがサビのハモりがめちゃくちゃ気持ちいい。

21.ハートライン
おすすめ度★★★★★
上と同じくMay'nとのコラボ曲。爽やかなロックチューンに、「人の(前向きな)繋がり」という普遍的なテーマが歌詞の激烈にエモい歌唱が乗っかった結果、超名曲と化している。ラストライブで唯一心残りなのがこの曲を聴けなかったこと。なおこの曲はiTunesやSpotify等では配信されておらず、最後のベスト盤かアニソンサブスク配信サービスのANiUTaでしか聴けないのが難点。(CD貸します)

22.7 Senses
おすすめ度★★★★
王道アイドルギターポップ...と思いきや緻密なコード進行によるサビの浮遊感がとても気に入っている。

23.雫の冠
おすすめ度★
TVシリーズ2期ED曲。しっとりとしたスローバラード。前述した1期ED曲の『言の葉 青葉』と比べると、同じような歌詞のエグさはありつつも、かなり前向きにはなっている。また歌唱力の進化も伺える。だがやはり最初に聴く曲ではない。

24.スキノスキル
おすすめ度★★★
3拍子4拍子が入り混じったケルト調の曲。「WUGはこういう曲もできるんだぞ」と胸を張って言えるような振れ幅を体現する曲となっている。

25.SHIFT
おすすめ度★★★★
ミュージカル調のイカした曲。上記の『スキノスキル』と同じくWUGの振れ幅を大きくしている立役者。聴いてるととっても幸せな気持ちになる。

26.Non Stop Diamond Hope
おすすめ度★
この曲はキャラソンのカップリングで各メンバーがそれぞれソロで歌っているのだが、メンバーによって歌詞が少し違う(最近気付いた)という珍しいものとなっている。アニメのキャラに沿った歌詞の違いとなっているので、最初に聴くのはちょっと違うかな。

26.Polaris
おすすめ度★★
WUGの集大成とも言える曲。ディスコファンクを基調とした圧倒的名曲。この曲の良さは言葉にできない。本来なら★★★★★+をつけたいところだが、この曲の良さはある程度WUGを噛み砕いた時に最大限発揮されるものであり、聴き始めの段階で無闇に消費していいものではないと考えているので、あえてのこの評価とする。

27.海そしてシャッター通り/言葉の結晶/土曜日のフライト/さようならのパレード
おすすめ度★
WUG解散にあたって作られた4曲。この4曲は繋がりを持った組曲のようであり、またかなり内省的で、外に向けて作られたというよりもWUG自身およびそのファンのために作られたように感じるので、最初に聴くのはおすすめしない。WUGという存在をある程度理解したのちに聴いてほしい。

曲紹介はこれで以上とする。キャラソンや一部の曲は記述できなかったが、もし「周りでWUG WUGうるさいヤツがいるからちょっと聴いてみるか」というような方がいたら、少しでも参考にしていただけると幸いである。

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