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VIRGIN PRUNES : ...IF I DIE, I DIE

そのプロフィールとか全然知らなかったのだけれど、とにかくレコードの盤面に針を落とした瞬間に鳥肌が立つような感覚。これはカッコイイと思った。しかし、何故こんなアルバムの日本盤があるんだ?
後から知ったのだけれど、プルーンズの中心メンバー、ギャビン・フライデーとグッギはU2のボノと共にダブリンで「リプトン・ヴィレッジ」なる少年ギャング団を作っており、幼馴染で親友。ギタリストのディック・エヴァンスはU2のエッジの実兄で、U2の1枚目と3枚目のジャケットを飾る少年はグッギの弟というプルーンズとU2には浅からぬ因縁があった。そして、当時、U2とプルーンズはダブリンで人気のバンドだったらしい。その後、U2はブレイクするが、プルーンズはそのアバンギャルドな音とパフォーマンスで一部では熱狂的に受け入れられたものの、U2のようなメジャーにはならなかったようだ。ただ、80年代ポストパンク、ニューウェーブの嵐が吹き荒れていたイギリスから日本にもその音は伝わってきたということであろう。その頃のメディアの扱いがどうであったのかよく知らないのだが、カルチャークラブやジャパン、ahaだとかニューウェイブの流れの中でもポップな音がMTVとともに席巻していた頃である、ヴィジュアル系のアイドル的な扱いで売ろうとしていたのではないかという節もある。が、このアルバムを日本盤で発売して、おそらくレコード会社は失敗><と思ったのではなかろうか。まあ、今であればこういった音もそれなりに受け入れられる土壌があるとは思うが。
なかなかにアヴァンギャルドな音である。しかし、TEST DEPTやLAIBACHのようなインダストリアル系の物よりは格段に聴きやすく、メロディアックで叙情的。この当時から人気となっていくGOTHというカテゴリーにも通じるものがある。というか、GOTHとかポジティブパンクにもカテゴライズされているらしいが。
どちらかというと、本質的にはTGやノイバウテンとかノイズ〜インダストリアル系の音に近いような気もするのである。
まあ、80年代でも重要な1枚のアルバムではあろうと勝手に思っている。

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