【メカニックの日常】#2 ブレーキの音鳴りの原因と音鳴り解消の理論

どうも!メカニックのチャーリーです(^^)
自転車屋さんに勤務してるメカニックです!
勤務してると必ず耳にするのが、

ブレーキの音鳴り

です。そこで、ブレーキが何故音が鳴るのか、どういう対策があるのかをお伝えしていきます。

まず、そもそものお話ですが、“音”って何故発生してるかていうお話をします。
結論からズバリというと、「音とは“振動”から発生し、空気を伝わって我々の耳に届いてる」
です。

つまり、ヒントとしてはこの音を解決するのには振動がキーになる訳です。(単純ではないですが、ざっくり言うとって感じです。)

音の高低があると思いますが、

高い音は音の周波数が高く(振動回数が多く)
低い音は音の周波数が低い(振動回数が少ない)

ブレーキの音の音は振動が多いと高い音が出るようになります。

キー!という高くて不快なスキール音です。

つまりは振動回数が多く、音の周波数が高いという事です。
そこが音を消す時のヒントとなり、音を消すという事は振動をいかに少なく出来るかがポイントになります。

振動もまた、ブレーキの摩擦により発生して起こる
事。
ブレーキ面の摩擦が小さく、ブレーキの面の目が細かければ細かい程音も高くなり、ブレーキ面の摩擦が大きく、ブレーキの面の目が大きければ大きい程ブレーキの音は渋くなります。

例えると、ギターの弦は細い方が高い音が鳴り、太い方が低い音が出ますよね?それと同じです。

次にブレーキの音の原因を紹介していきます。

ブレーキの音の原因

ブレーキの音の原因は様々ですが、わかってる所ではまず

リム面の汚れとブレーキ面の汚れと湿気

です。では、この汚れの正体とは何なのか、諸説色々ありますが、

・路面の油分
・自転車本体や部品の油分
・砂鉄や道路の埃
・リムやローターのバリの食い込み

全てではないですが、大体はこれくらいです。
ほぼほぼ路面からの汚れがほとんどで、それ以外だと自転車のチェーンや車輪のグリス等自転車本体から出てきた酸化された油が散った影響でリムが黒くなっている事があります。車輪や他のパーツが黒く濁るのは路面の油をしっかり吸い込んだ砂鉄や道路の埃等も影響していると思います。
では、油まみれのリムやローターではブレーキはどうなるかというと、
リムやローターとブレーキシューは油の膜を張り、元々ザラザラしてるブレーキシューの表面はツルツルに近くなり、凹凸が少なくなる事で限りなくブレーキ面は滑らかになり、まるで

ガラス拭きの時のように"キュッ”

という音が鳴る様になります。
コレが雨の時や湿気の多い時は最悪で、音がなる要素しかありませんし、ブレーキ面がツルツルだと尚更です。

先ほどにも音の周波数の話や振動について話しましたが、油が付いてたり、水分が含んでる状態は元々あった凹凸が水や油で埋め尽くされ、表面上に水や油が粒子状の膜を張り、細かくなってる為、一時的に表面ツルツルのブレーキの状態になってるのとほぼ同じです。凹凸がはっきりしてるとブレーキは高い音を響かせにくいのですが、凹凸が少なくなると途端に甲高い嫌な音がでてきます。
水や油とゴムだと、分子レベルでも小さく細かいのは当然ながら水と油になります。細かいもの同士が擦り合う事で、高い音が出ているのだと個人的には考察します。


ではどうすれば良いのか?

1番言いたいのはここからです。
前の方にギターの弦の話をしましたが、太い弦の方が低く、細い弦の方が高い音が出ると言いました。
更に、太い弦は太い線の束で出来ており目が粗いですが、細い弦は細い線の束で出来てるので目が細かいです。
ブレーキも似てる部分があり、表面が粗いブレーキは音が鳴りにくく、表面がツルツルで細かい面のブレーキは高くて大きな音が鳴りやすくなります。
つまりは、

ブレーキの表面を粗くしてあげれば良い

という事です。
そう、やり方は凄く単純です。

①リムかローターの表面の脱脂を行い、ブレーキシューもしっかりと脱脂を行います。

これだけでも音が消える事はありますが、その場合はブレーキシューの表面がツルツルではなくてまだザラザラの粗い面が残っているからです。

②ブレーキシューがもしツルツルであれば、粗めのサンドペーパーなどの紙ヤスリ(#320)を使い表面をザラザラにさせる必要があります。

ザラザラにして凹凸を大きくする事で音なりを解消する事も出来ます。(シューに油分が染み込んでると削っても効果は薄いです)

これで解決出来なければ、ブレーキシューを交換するかトーイン(つま先をインする)で対応しますが、また今度お話ししましょう!

まとめ
ブレーキの音なりは大きく分けて二つ原因があります。

・ブレーキ表面がツルツル
・部品の油分や水分の影響

つまりは逆の事をしてあげると音が消えやすくなるという事で

・ブレーキ表面にを粗くする
・部品をしっかり洗い、油分や水分、汚れを取り除く

です!更には、リムのバリがリムブレーキのシューの表面に沢山張り付いたり、ディスクブレーキの隙間に小石が挟んだりして音が鳴ってるケースもあります。なので、今回のブレーキの音の話はあくまで一部に過ぎません。ですが、僕が言いたい理屈はわかったはずです( ^ω^ )
ほとんどの理由はブレーキシューとそれを挟んでるリムやローターです。当然ではありますが笑
あとは、振動と音の関係を理解する事だけでも音鳴りの仕組みも理解しやすいと思います。

最後までありがとうございました!


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