SONY NEX-7というカメラ
何が欲しい?と言われたから「カメラ」と答えた。
大学4年も後期になって、就職も無事決まったところで兄に聞かれた。対して兄弟らしい交流したことなかったし、まさかそんなこと言われるなんて思ってもみなかったから、かなりびっくりしたのを覚えている。びっくりしたまま冒頭のように「カメラ」と答えた。兄も知識が無いのでどのカメラがいいのかわからないらしく、機種を指定しろ、と。自分もカメラが欲しいとは言ったものの、どんなカメラがいいかなんて全くわからなかったから、そこから色々調べて「SONY NEX-7」というカメラにたどり着いた。
兄にこのカメラが欲しいというのは随分躊躇われた。値段が恐ろしく高かったから。当時、卒業旅行のお金すらも出せそうになかった自分には10万越えのカメラを兄にお願いするのは勇気が必要だった。兄と僕はそこまで仲がいい兄弟ではなかったし。そんな兄も自分が言い淀んでるのを察したのか、どんなカメラがいいのか、好きなものを言え、遠慮は要らないと言ってくれた。それならばと、カタログを指差してこのカメラをお願いした。
手元に来てからはたくさん写真を撮った。RAWや現像なんて知りもせずにシャッターを切った。カメラが楽しかった。
明るい単焦点レンズを買ってからもっと写真を撮りたくなった。背景がボケて写真が上手くなったような、そんな気にさせてくれる。たくさん撮影した。
そんなNEX-7とも昨年末にお別れした。フルサイズのカメラを買ってからはどうしても使用頻度が減ってしまった。使わないカメラより、誰かに使ってもらった方がいい。そう思って売却した。初めてのカメラ、初めての売却。少しセンチメンタル。
撮って出し。全てjpeg。
ありがとう。
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