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高速バスは多種多様。JR系、大手老舗民間系、元・ツアーバスとは…

◆今日の要点

●高速バスは、歴史的な経緯から3つの形態がある。
●乗車券の購入方法も複数の方法がある。
座席の種類や指定方法もさまざまである。

【1】高速バスの大きな区分け

高速バスの会社を公式に分ける区分けは、2021年(令和3年)現在、公式には存在しませんが、会社設立の経緯により、「JR系」、「大手民間老舗系」、「新興勢力系(元・ツアーバス)」と分けることができます。私が提唱する定義ですが、このことを理解すると、高速バスの全体像を掴むことや予約をする際に、大いに役に立ちます。

(1-1)JR系

国鉄バスを前身とする会社で、現在はJR各社の関連企業です。詳しくは、下記の前述した記事を参照ください。

このグループに該当するバス会社は、JRバス関東、西日本JRバス、JR東海バス、JRバス東北などが該当します。

(1-2)大手民間老舗系

平成初期以前から高速バスを運行している会社。大手・中小私鉄の関連企業や各県を代表する大手バス会社などが該当します。

大手・中小私鉄の関連企業の例としては、京王バス、西武バス、名鉄バス、西鉄バス、アルピコ交通、広島電鉄、伊予鉄道などです。

各県を代表する大手バス会社の例としては、北海道中央バス、宮城交通、会津バス、神奈川中央交通、両備バスなどがこのグループの会社です。

(1-3)新興勢力系

旅行ツアーの形態で運行していた貸切バスを、法令改正に伴い、2013年以降に定期の高速バスと同じ扱いとした会社を指します。ツアー形態が前身だったことから「元・ツアーバス」系や 、以前からの路線バス会社と区分し、「新高速乗合バス」とも言います。

このグループに該当する会社としては、WILLER EXPRESS、さくら高速バス、VIPライナー、海部観光、オリオンバス、ジャムジャムライナーなどの会社が相当します。

【2】バスの座席により区分

高速バスの座席には、さまざまな形態があります。リクライニングの角度や寝顔を隠せるフードの有無などによって快適性は大きく違ってきます。中には半個室の座席を運行しているバス会社もあります。「半個室」とは、パーテンションで、他の座席とは壁のように仕切られた座席のことを指し、出入口部分のみがカーテンで仕切られたものを指します。

また、バスの座席配置は快適性に影響します。一般的な観光バスなどでは、バスの進行方向に対し、2人掛けリクライニングシートを採用していますが、このバスの座席配置を「2+2列」または 「4列」と呼びます。一方、1人掛けの座席が独立して3列並ぶ形態のバスを「独立3列」を言ったりします。

広い幅を確保でき、快適な方となる座席から順に「半個室1+1列」 「1+1列」「独立3列」 「2+1列」「4列」といった感じです。

「半個室1+1列」 「1+1列」だと、一般的な観光バスで、2人分の席の幅に、大柄な1人分の座席を置いてることとなり、ゆったりと座ることができます。

「半個室1+1列」の例 海部観光「マイフローラ」

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「独立3列」の例 秋田中央交通「フローラ号」

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「4列」または「2+2列」の例 
東京空港交通「リムジンバス・SuperCabin」

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座席は会社によって、さまざまな形態となっていますが、昼行のバスは「4列」夜行バスは、JR系と大手民間老舗系では「独立3列」、新興勢力系では 「4列」が一般的です。

ただし、JR系でも「青春〇〇号」と付くものは夜行バスでも「4列」新興勢力系でも「独立3列」 「2+1列」 を揃えてる会社もあります。座席の種類は各社の公式サイトで、「バスの案内」「座席の案内」のページをよく見てから選びましょう。ただし、快適な座席ほど、乗車券代は高くなる傾向があります。

「1+1列」はJR系「プレミアムドリーム」「半個室1+1列」は、関東バス、両備バス、中国バスが東京~大阪、広島間が運転する「ドリームスリーパー」海部観光が東京~徳島、阿南間で運行する「マイフローラ」など限られた路線のみで極めて希少です。また、座席の一部が「半個室1+1列」の高速バスもあり、JR系「ドリームルリエ」の「プレシャスクラス」、西鉄バス「はかた号」の「プレミアムシート」などで、採用されています

【3】高速バスの予約の方法について

高速バスの座席を確保するのは、少し難解かもしれません。予約の必要性や予約した場合の座席の位置の決まり方などを、みていきましょう。なお、高速道路を走るバスは、法律で立ったままの乗車はできず、必ず座席に座る必要があります。高速バスには定員があり、満席の場合は乗車できません。

座席の予約の必要性や、その方については、各社の公式サイトや時刻表などに記載されています。ではそれぞれの違いについてみていきましょう。

(3-1)とくに記載の無いバス路線または「自由席」

当日、バス停に行って、すぐに乗車できる路線です。予約の必要性はありません。

(3-2)「座席定員制」または「予約定員制」

このタイプの路線は予約が必要です。予約した場合、バスに乗車する権利のみ確保されており、座席は空いている場所であれば自由に選べます。

(3-3)「座席指定制」または「予約指定制」

このタイプの路線も予約が必要です。指定された決まった座席に座る必要があります。バス会社によっては、予約段階で、好きな座席を選ぶことができる場合もあります。

昼間運行される「昼行バス」については、以上の座席予約タイプが路線によって異なります。比較的、短距離の路線なら「自由席」、長距離なら「座席指定制」が採用されることが多いです。空港連絡バスでは「座席定員制」の例が多いです。

「夜行バス」については、「座席指定制」または「予約指定制」が採用されています。

【4】高速バスの予約サイト

高速バスの予約については、2021年(令和3年)6月現在、統一された公式予約サイトはありません。予約したい会社やバス路線によって異なっています。現在の主流は、おもに3つのサイトがあります。

インターネットで予約ののち、バスターミナルやコンビニなどで購入し、乗車券と交換するのが一般的です。最近では、スマートフォンで予約済みのQRコードを表示させ、運転士に掲示することで乗車できる路線も増加傾向となっています。詳しい予約・購入方法や、乗車券引換方法については、各サイトを参照下さい。

なお、いずれの方法の予約でも、乗車日が決まったら、早期に購入したほうがお得です。「早割り」や「早期購入割引」を設定している路線も、数多くあります。

では、代表的な3つのサイトを紹介していきます。

(4-1)高速バスネット

おもにJR系またはその共同運行会社の路線の予約を受け付けているサイトです。

高速バスネット 公式サイト

(4-2)ハイウェイバスドットコム

京王バスグループの予約サイトとして発足した予約サイト。当初は、京王バスとその共同運行会社の予約のみ扱っていましが、現在は予約路線数も増加し「大手民間老舗系」の予約も、数多く取り扱っています。

ハイウェイバスドットコム 公式サイト

(4-3)発車オ〜ライネット

高速バスの予約システム黎明期からある老舗予約サイト。2021年(令和3年)現在も「大手民間老舗系」の路線が数多く予約できます。

発車オ〜ライネット 公式サイト

予約する際の注意点
路線によっては複数のサイトでの予約が可能です。ただし、空席は、それぞれ別枠で設定されており、同じ路線で同じ時間帯のバスの予約を見ても、「高速バスネット」では”空席なし”となったが、「発車オ〜ライネット」は”空席あり”ということもあります。

(4-4)「新興勢力系」を予約したい場合

比較的安価な高速バスを運行する場合の多い「新興勢力系」、別の呼び方で「元・ツアーバス」を予約したい場合は、上記の3つのサイトでは、予約できないことが多いです。旅行会社のシステムを源流としているためか、各社の公式サイトから予約する方法が一般的です。

なお、新興勢力系(元・ツアーバス)の場合、バスターミナルなどで乗車券を、直接販売できる場合は少なく、当日、バス停に直接訪れても、原則乗車できません。

事前にインターネットで予約し、コンビニなどで乗車券と交換する方式が一般的です。最近はQRコード対応路線もあります。

〈余談ですが…〉

高速バスのうち、夜間帯に都市間を結ぶ長距離高速バスは、バス会社では「夜行バス」と呼ぶのが、国土交通省や各バス会社の公式の呼び方です。「深夜バス」という呼び方は、鈴井貴之さんと大泉洋さんが出演する某・北海道ローカル旅番組の影響による間違った呼び方となります。バス会社で「深夜バス」と呼ぶ場合は、大都市圏などで、最終電車の運転終了後に、都心部から郊外の住宅地までを結ぶ路線バスを指すことが多いです。

でも、「深夜バス」に挑戦する鈴井貴之さん、大泉洋さん、藤村忠寿さん、嬉野雅道さんの姿は、とてもコミカルで大好きです。

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