見出し画像

2/29 お茶

カフェで森下典子の「日日是好日」を読んだ。

エッセイなのだけど黒木華主演で映画化もしている。
私は映画を見てボロ泣きし勢いでこの原作を買った。
そして今日カフェで読みながら何度も目頭が熱くなり涙が零れそうになった。斜め前のカップルがヤングな言い合いをしていたので抑えられた。

お茶のお稽古の様子がメインで淡々と年月が進んでいくのだけど、四季の描写が素晴らしい。
特に梅雨の描写は目頭が熱くなった。

この本を母国語で読めて尚季節の移り変わりの情景に共感できるだけでも日本に生まれてよかったと思う。

とにかく色んな人に読んで欲しい。

自分でも気づかないうちに、一滴一滴、コップに水がたまっていたのだ。コップがいっぱいになるまでは、なんの変化も起こらない。やがていっぱいになって、表面張力で盛り上がった水面に、ある日ある時、均衡をやぶる一滴が落ちる。そのとたん、一気に水がコップの縁を流れ落ちたのだ。

コップから水があふれるまで、自分ではどのくらい水が溜まっているのか分からない。その代わりに溢れた瞬間世界が広がる。
そんな感覚を忘れずに、前よりも大きい器から水が溢れるのを待って日々を過ごしたいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?