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家畜は人間に食べられるために生まれてきたんだよ?|veganへの質問シリーズ⑦

ではさっそく、家畜の一生を追ってみましょう。

家畜のなかでも今回は豚さんに焦点を当ててみます。

豚の生姜焼き、豚汁、豚の角煮、豚カツ、などなど、豚肉は多くの家庭で食卓に並んでいますよね。現代社会において豚さん、大活躍です。人間に食べられるために生まれてきたとされる豚が、食卓に並ぶまで実際にどのような過程を経ているのかを確認してみましょう。

*最短で商品として出荷される場合を例にあげています

出産(生後1日)

母豚は分娩用クレート(下写真)という身動きの取れない檻の中で出産を迎えます。前に進むことも後ろを見ることもできない、狭い檻の中で狂気に陥ることもしばしば。出産しても大抵は子どもの顔を見ることすらできず、子ブタたちは生後20日ほどで母親から引き離されます

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無事に生まれたからと言って安心はできません。生まれた子ブタの10%~18%は離乳時まで生きていることができません。なぜか?病気、飢え、脱水症状、さらには誤って母豚に押しつぶされることもあるからです。


去勢処置(生後20日)

さあ、生き延びた子ブタたちにさらなる試練が訪れます。カニバリズム(共食い)などを防ぐため、麻酔なしで痛みを伴ったまま尾と歯を切り取られ、個体管理のために耳の一部を切り取られたり、タグを装着されたりします。去勢処置にも当然、麻酔などされません。

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生後21日目以降

恐ろしい試練を生き延びた子ブタたちはやっと仲間と共に生活を始めます。工場式畜産で飼育されている彼らは、遺伝子操作を重ねられたために恐ろしく病弱となっており、屋内という人工環境で過ごすほかありません。

外の新鮮な空気を吸うことも、太陽の暖かな日差しのもと水浴びをすることも、元気に走り回ることもなく、屋内の小屋の中でその一生を過ごします。

ある程度成長すると、群飼い檻へと移動されます。糞尿にまみれ、混雑している様子が写真からもわかると思います。でもこれだけは覚えておいてください。豚さんたちは本来、キレイ好きな性格なんですよ。

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不衛生な環境、糞尿から出る有毒の硫化水素、そういった劣悪な状況から病気になる豚を出さないようにするため、豚たちには様々な種類の抗生物質が与えられます。確かに考えてみれば当然ですよね。病気になった豚たちを丁寧に看病していたら利益なんて出ませんから。クスリを各種与えて病気に強くする。抗生物質は病気を防ぎ、体重を増やし、消費者が好む赤色のお肉へとつながります。

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屠殺場へ移動(生後90日の朝)

過酷な生活環境を生き延びた豚たちは、早ければ90日ほどで屠殺場へ送られます。ちなみに、豚の自然な寿命は15年ほどです。

太陽の光、吹き抜ける風、外の世界に当たり前のようにあるこの美しい自然に、彼らは屠殺場へと向かうトラックに積み込まれるとき初めて目にするんです。誰かの下敷きになりながら。

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ちなみに、養豚場から屠殺場へと向かうトラック内で、彼らには食物・水・極端な寒さや暑さなどからの保護がないことは言うまでもありません。


屠殺場へ到着(生後90日の夜)

屠殺場へ到着すると、繁留場と呼ばれるコンクリート製で金属に囲まれた場所で待つことになります。一晩を過ごす際も食物は与えられず、飲水も制限されているか、まったく飲むことができません

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屠殺場内へ移動(生後91日の朝)

朝になると、強制的に屠殺が行われるフロアへと移動させられます。恐怖心を抱いている彼らはスムーズに移動をする訳がなく、蹴ったり(写真:上)、電気プロダーと呼ばれる刺激棒(写真:下)を使ったりして強制的に移動させられます。棒で叩かれたり、刺激棒で電気ショックを与えられたりした時には悲痛な叫び声を上げます。

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次の移動先は二酸化炭素ガス室です。2〜3頭ずつ下の写真のようなケージに入れられ、二酸化炭素が充満するガス室へとゆっくり降ろされて行きます。目・鼻孔・鼻腔・肺を窒息させるこの方法は、彼らに最大の苦しみを与えます。息のできない苦しみから、狭いゲージの中で暴れ回り、悲痛な叫び声を上げながら身体中を冷たい金属へと激しく叩きつけます。

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ガス室で意識をなくした豚たちは、喉元をナイフで切られ、体の血液を抜かれます。その後は食肉処理を施され、商品として出荷する形に整えられます。

ガス室で完全に意識が無くなればラッキー。体の大きな豚の中にはガス室で完全に意識を失うことができず、意識のある状態で喉を切られます。

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食肉加工工場へ(生後92日)

出荷された豚肉は加工工場へと運ばれ、パック詰めされてスーパーなどへ陳列されます。この工程になってやっと、われわれ消費者の目に触れることになります。

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食卓へ(生後93日)

賞味期限内に運よく買われたお肉は、どこかの家庭に購入され、調理されます。人間のために生まれてきた甲斐があるってもんです。一方、賞味期限内に誰にも買われなかったお肉は、そのまま廃棄されます。劣悪な環境で、自分の豚生をかけて精一杯生きてきた最後が廃棄、ということになります。

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豚さんについて

以下に豚さんについての特徴をあげます。どう考えても人間に食べられるために生まれてくるべきとは考えられないのですが…みなさんはどう思いますか?

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(出典:eco.japan

確かに見た目も違えば、人間と同じ言語を話すこともできません。

でも人間と同じように喜び、悲しみ、家族や仲間を愛し、痛みを恐れ、苦しみを感じます。仲間が苦しんでいる様子を認識する力もあります。もうそれだけで、苦しめない十分な理由になりませんか?

生きたいと願う彼らを苦しめず、搾取しない選択肢が他にあるのであれば、そっちを選ぶべきなんじゃないか、そう強く思うんです。

みなさんはどう思いますか?


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