桜満開の東京の雪を見ながら、経営者・渡邉美樹さんのコラムを読んで考えたこと

【経営者目線】渡邉美樹さんのコラムに学ぶこと


その昔、いくつかお仕事した縁で渡邉美樹さんからメルマガが届く。
このところ改めてリーダーとして大事だと思うことが書かれているなと思って、まめに読んでいる。

コロナ発生後の、中国からのワタミ撤退は驚くほど早かった。
休校による宅配食の無料サービスもいち早い決定であった。

スピード感がすごい。

そして、今回のコラム。

https://www.zakzak.co.jp/eco/rensai/eco36387.html

経営者がいまやるべきことは3つしかないと明言する。

(以下引用)
私は「1年は長引く前提で」と、役員に来期の戦略の大幅な練り直しを指示している。
経済危機の今、経営者がやるべきことは3つしかない。
(1)まず無駄な支出を抑え、現金を集め「守りを固める」、
(2)次に「今、攻められるものを探す」、
(3)そして危機後を見据えて「攻める準備をする」。

明言するだけでなく、自ら経営者としてスピード感ある行動をとり、
さらに、いま必要なこととしての政策提言も的を射ていて、読んでいて、
すがすがしささえ感じる。
わたしならこういうリーダーに一票を投じたい。


さらに経営者がやってはいけないこととして、「失望」を挙げている。

「失望が最大の敵である」。

不景気から「死者」を出しては絶対にいけない、と。

そのための政策提言として、
(以下引用)
私からの政策提言は「支払いの猶予」だ。
金融機関の借り入れや、手形をとにかく「猶予」する特例措置が必要だ。

打開策も示しながら、全国の経営者、事業者へエールを送っている。

リーダーとして心強いメッセージ。


SNSでも、テレビのコメンテーターを見ていていも、
「このままではコロナ感染より自粛経済による自殺の方が多くなる」という言い方が、あちこちでささやかれている。

それは現状をうまく言い当てたことになるのだろうか。

言った人にも、正論のように賛同する社会の空気にも、違和感を覚える。

職を失うこと、店舗の賃料や人件費が払えないこと、借金、会社の負債は
大きな問題、損失ではあるだろうが、負債の大きさと自殺率は一致しないだろう。

受け止める側の器(メンタル)(=つまり希望を失わない力)にある。


「メンタルタフネス」という言葉がある。

ストレスの大きさと、それを乗り越えるタフさは、立ち場(地位)によって比例するというのだ。
つまり平社員や課長クラスのストレスと
社長のストレスを量的に比較すると、社長のほうが断然ストレス量は増大するはずだが、
それを克服する力(メンタル、情報力、実行力、資金力、アイデア、いろいろ総合力)も増大するので、
リーダーはその部下よりも、実際に「タフだ」という話である。


お金のやりくりがうまくいかなくて、
それを苦に自ら死を選ぶのが当然と受け止める国とは、よほど”感染”国家じゃないか。

ウィルスは、脅威ではあるが(感染拡大防止にわたしも努力する一人ですが)、

視点を目先の至近距離から、少し俯瞰してみると、いま、問われているのは、全世界、地球のあり方ではないか。

お金しか見ていないからお金で死ぬ。

お金以外のものも見ていれば、お金だけで人は死なない。

そういうことに強くなることが、ほんとうの「免疫力」なんじゃないか。

免疫力=疫病を免れる力。現代の「疫」とはなにか。

コロナが教えてくれているのではないか。


感染と免疫の問題は、今に始まったことではない。


世界の歴史上、最も有名な感染症といえば、ペストだろう。

14世紀には世界規模でペストが大流行し、およそ8000万人から1億人ほどが死亡したと推計されている。
ヨーロッパの全人口の30%から60%が死亡した。(wikipedia)

それから記憶に新しい感染症は、AIDS。

We Are The World(ウィー・アー・ザ・ワールド)が全世界に流れたのは、1985年。

背景には81年、アメリカLAではじめてエイズ患者の症例が認定され、その後にアフリカでは既にいくつも発症してたことがわかった。
日本で最初の発症例も85年。
わずか10年で世界中の感染者が100万人に広がる中、アフリカ貧困撲滅運動と、全世界でひとつになろうというキャンペーンが「We Are The World We Are The children」である。

あれから世界はどう変わったか。
改善されたことも、変わらなかったこともあるが、
少なくともAIDSに対する理解は深まった。
地球上から撲滅はできないが、予防し、つきあうことを知った。

4月を目前にした桜満開の東京に、雪が降りました。

白くふわふわした雪が、町の屋根を静かに覆うのを見ていたら、自然界からのメッセージであるとしか思えません。


「雪は天から送られた手紙である」。


雪の結晶を研究し、世界初となる「人工雪」の製作に成功した物理学者、
中谷宇吉郎さんの言葉。


中谷さんは、科学者であると同時に、研究をわかりやすい言葉にした随筆家としても知られます。

そして、1928年に、妻をジフテリアという感染症で失っている。

「雪は天から送られた手紙である」という言葉は、空の上の雲の言葉を読み解き、雪を降らせる神の領域(自然の摂理か、宇宙の法則か)に近づいたひとゆえの、短い詩である。

自然界はいつもメッセージという手紙を、こちら側に送り続けている。

それを受け止める受信器(こころ)が、わたしたちに備わっているかどうか。

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