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⑥子会社が儲かると親会社は嬉しい?

「財務会計知識を高めよう!よし、簿記を勉強しよう!」と思い本を開くと全く面白くない仕訳が延々と続き興味・関心・意欲がゼロに。そんな人って多い気がします。この勉強って何の役に立つんや!と感じるような部分を全て吹っ飛ばし、「最低限」知って損はしない入り口レベルの知識を共有します。

#6 子会社が儲かると親会社は嬉しい? ~連結と持分法~

連結決算とは?

連結決算とは、親会社だけでなく、子会社を含めたグループ全体の決算方法です。グループ全体の財務諸表を作成し公開します。昔は日本企業は単独決算が主流でしたが、決算直前に親会社が子会社への販売を増やし利益を計上したりするような利益操作する企業があり、現在は連結決算が一般的になっています。例えば、NTT(日本電信電話株式会社)の決算にはNTTドコモが含まれますし、ソフトバンクの決算にはYahooが含まれます。

連結に含む会社の範囲は?

連結財務諸表に含む会社の範囲として、原則すべての子会社を連結の範囲に含めます。子会社に含めるかどうかの判断は、その会社の意思決定機関(株主総会等)を支配しているかどうかが基準になります。具体的には、子会社議決権の50%超を保有している場合、支配しているとみなされ子会社に該当します。議決権が40-50%の場合、緊密者含めた議決権数や役員等の条件により、子会社に該当する場合もあります。

原則すべての子会社を連結の範囲に含めますが、総資産・売上・利益等の量的重要性や、経営戦略上の重要性等の質的有用性を考慮の結果、連結範囲から除いても財務諸表について合理的な判断を妨げないとみなす場合、連結範囲に含まないことが出来ます。

子会社が儲かると親会社は嬉しい?

連結財務諸表を作成する場合、親会社と子会社の財務諸表を合算して作成するため、子会社が儲かると親会社の決算にも反映され「嬉しい」が回答になります。ただし、親会社と子会社の財務諸表を合算するものの、グループ内の債権債務や取引高(内部取引)は相殺消去されるため、子会社が親会社に製品を販売して得た利益等は消去されることになります。

持分法とは?

持分法とは、財務や営業の方針決定に重要な影響力を及ぼす子会社以外の会社の経営成績や財政状態を連結財務諸表へ反映することです。議決権の20%以上を保有する会社は、明確な反証がない限り、重要な影響力を有していると判定され、持分法適用会社となります。20%未満の場合でも一部条件により適用となることもあります。

連結と持分法による処理は、P/L上の当期純損益、B/S上の純資産については、全く同じ結果となります。

連結の場合、親会社と子会社のB/S・P/L上の各項目をまず全て足し合わせてから親会社の持分以外である非支配株主持分を控除します。持分法の場合、B/S上は、親会社の投資勘定と株主資本が増減され、P/L上は持分法による投資損益が営業外収益に加わります(営業利益には影響せず、経常利益以下には含まれます)。従って、P/L上の当期純損益、B/S上の純資産に与える影響は全く同じながら、連結財務諸表上の各項目への反映が異なる部分があります。

配当の存在

財務諸表上の数値以外の、子会社が儲かると親会社が嬉しい大きな理由として、配当金が挙げられます。企業が利益を出した際に配当金という形で株主に利益を分配するため、子会社株式を保有する親会社は配当(キャッシュ)を得ることが出来ます。当期純利益に対し配当金支払額が占める割合を配当性向と言います。

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