短歌八首
雷がみっつ鳴ったらキスしよう 雨が閉ざした薄暮(はくぼ)の座敷
上弦の月の角度で傾いて 君の背中にもたれてみたい
永遠にうつくしゅうあれヒトガタのいもうと抱えいずちへゆこう
葡萄酒の酔いにまかせて呼んだ名は幼心の貴女のあだな
したたかにしなやかに恋をしたいもの そっと差し出す冷えたネクター
うつくしい嘘は小瓶の金平糖 やさしい色の角をたててる
香水の空き瓶捨てるもう君の知ってるわたしはどこにもいない
鮮やかにらせんのスカートひるがえし駅の階段駆け下りる女(ひと)
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