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【海外進出】 スタバのサイトから学ぶローカライゼーションの知見

うるり(nami_uru)です。ここ10年の間は「ローカライゼーション」という言語の分野の業務をメインに行なっています。主に、アプリ/システムなどの日本版を作る (日本市場に向けた手直しをする) という仕事をやってきました。

*契約の関係で、なかなか手掛けた成果物が見せられません…

この「ローカライズ/ローカライゼーション」というコンセプトがプロダクト/サービスの海外展開において非常な役割を果たすので、「ローカライゼーションって何なの?」について理解いただきたいと思い、文章を書いてみました!


まずローカライゼーションの定義から行きます!

ローカライゼーションは文脈によって定義が異なるのですが、
ソフトウェアにおいては、「ソフトウェアを開発した環境とは異なる環境、特に外国異文化に適合させる手段」であり、

エンターテインメントにおいては、作品の海外輸出に際して、その国の文化や規制に合うよう作品の一部を改訂することをいいます。

「言語ローカリゼーションとは、製品の翻訳を特定の国や地域に適合させるプロセスのこと。製品の翻訳と、異なる市場の違いを考慮した文化的適応(特定の国、地域、文化、グループ向け)の大きなプロセスの第2段階であり、国際化とローカリゼーションとして知られているプロセスである。言語のローカリゼーションは、製品を現地のニーズに正しく適合させるために、対象文化を総合的に研究する必要があるため、翻訳活動とは異なります」(DeepLによる翻訳)

あまりよくわからないと思うので、スターバックスのサイトから「ローカライゼーション」の概念が理解できるように紹介したいと思います!

ローカライゼーションとUX (ユーザーエクスペリエンス)」は密接に繋がっています!

スタバの各国のサイトの紹介!

スターバックスは米国企業なので、まずはアメリカのサイトをみてみましょう!

めっちゃモバイルフレンドリーなページになってますね!

次、インドのスタバのサイト!

ベジタリアンマークが付いているのが目立ちますね!
インドルピー ()マークで値段が表示されていますね!
そして表示は英語です。インドの公用語はヒンディー語と英語です。

このグリーンの●とグリーンの色の枠がついた四角はベジタリアンのマーク。

インスタも英語ですね。インドには公用語以外の言語が数え切れない数あるので、英語で統一するのはやりやすいですね。公用語は英語も含むので。

次、台湾のスタバのサイト!

英語も残した状態の中国語で簡潔で小柄なカワイらしさが出てるサイトになってますね!英語のサイトにもある簡潔なデザインはそのまま残してありますね!こちらもモバイルフレンドリーで、スワイプ/クリックがしやすい作りになっています!

台湾のスタバのインスタでは、中国語も英語も混じっています。

店員さんの写真とお客さんの写真を入れるのは、全世界共通のスタバのインスタ運用のスタンスみたいですね!

次、日本のサイト!

これもまたモバイルフレンドリーなサイトになっています!でも、英語一気に消えちゃいましたね!

日本語の文章による記事がめっちゃ多いです!スタバの日本のサイトは他の国のサイトよりもめちゃくちゃローカライズ(現地化)されてる割合が多いですね!文章が多いので、日本では「文章を読みたい!」「文章を味わいたい!」というニーズが多いのでしょうか?

日本のスタバのインスタです。

https://www.instagram.com/starbucks_j/

ここでも店員さんの顔は出てきますね!英語も少しは出てきていますが飾り程度です。図解みたいな画像からもわかりますが、やはり日本では文章を味わいたいというニーズが多いのでしょうね。


こうやって各国のスタバのサイトやインスタを見ていると、スタバは「ゴテゴテのローカライゼーション(現地化)はしたくないという戦略なのかな?」ということがわかってきます。オリジナルのスタバが素敵ですものね!

その中でも、日本はやっぱり特殊ですね・・・!

オーストラリアのスタバのサイトを見たら、カロリーがどれくらいか気にする人たちへの配慮で、トップページでドカン!とカロリー数が書いてあります。

https://www.starbucks.com.au

繰り返しにはなりますが、インドのスタバのサイトではベジタリアンマークが目立つようになっていて、カロリー表示もわかりやすくトップページに出てますね!

日本のサイト、もう一度見てみましょう!

やはり、味わい深さを感じたいというニーズの強さを感じますね!しかも抹茶という超JAPANなメニュー!

スタバのミッションステートメントをみてみましょう!

これがスタバの魂であるコアバリューですね!このコアバリューを置き去りにしないよう、スタバの環境、商品、接客、サイト内での表現、SNS運用などがされていると考えた方がよさそうです。

海外展開の戦略に置いて、世界展開/多言語展開するときには特に、企業の中核であるコアバリューについてよく考える必要があります。そのコアバリューが会社関係者に一瞬で伝わる内容である必要があります。

今はスマホの時代です。一瞬での理解が大切です。

言いたいこと

世界展開を始めるのなら、まず国の文化に依存しない形で、自社のコアバリューについて深く考えましょう。(ここが「JAPANブランドにこだわるな!」という点。)。国の要素を外してください。日本は特殊な国なので、そこが結構ハードル高いところだと思われます。

そのコアバリューを、違う国でどんな形で表現できるのか考えましょう。文化や習慣、ターゲットとなる人たちの年齢、流行っているものの傾向、気候など、物事が理解されるためには周りにある文脈が大事になります。また、人々がどんな生活をしていて、どんなことが日々足りないと思っているのか、どんな行動をしているのかなどの文脈も大事な要素となります。

文脈でいうと面白い例があります。COVID19が流行り始めた2020年にアメリカのウィスキーメーカーが手指消毒用アルコールを作りました。この頃は消毒液も足りていませんでした。非常に話題性もあり、情報としても拡散されやすかったです。

2020年中盤頃に「消毒用アルコール、ここにありますよ!」「ウィスキーメーカーが作りました!」は、決め台詞としては最高だったはずです!

そのように、違う国でも自社プロダクトやサービスについて、なにかヒットする文脈があるなずなんですよね。その文脈と表現方法を探していくことが、海外展開に置いて大事なことの一つとなります。

そんなことを踏まえながら、中小企業の方々と一緒に海外展開/海外販路開拓について考えていけたらと思います!

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