2曲目『ひとりで生きていたならば』

SUPER BEAVER
『ひとりで生きていたならば』



わたしがV6という支えを失ったその時。
彗星のように現れたとあるバンドがいた。
それが彼。そして彼ら。
SUPER BEAVER。

1.そもそもの出逢いは

わたしはしがないバンドマンをやっている。
担当はボーカル。ごくたまにキーボードもやるけれど、ヨルシカさんの僕は音楽をやめた、の譜面で根を上げた軟弱者はわたしです。

さて、わたしとsuper beaver、ひいては渋谷龍太との出逢いは、毎度お馴染みYouTubeであった。
YouTubeでV6の動画を観てひとりニヨニヨする至福の時。たまたまおすすめの動画に、彼が映っていたサムネがあった。
鋭い目つきをした男性のシャープな横顔。
あらまあカッコいい好みだわ、と一瞬でわたしはその動画をタップしていた。

それがTHE FIRST TAKEの動画のひとつ、ひとりで生きていたならば、だった。

何故彼に惹かれたかといえば、まあ正直な話をすると、横顔がえらいカッコよかった以外にも理由がある。
それがまた、とても最悪な理由で大変申し訳ないのではあるが。
前回の記事でちょろっと書いたわたしのブラック企業勤め時代ーー通称“暗黒時代“の中で、わたしを散々いじめ抜いてくれた、上司???に顔が似ていたから、が第一の理由(この上司、中身はクソだが見た目はよかった)
そして第二の理由が、我が旦那に髪型がやたらめったら似ていたから、なのである。

かの最低な上司サマに似ていて悲しいやら、ほぼほぼ外で見かけないあんな髪型をしている人が我が旦那以外にもいるなんて!と嬉しいやら、とんでもなく複雑な感情を抱きながら、ドキドキワクワク、彼が歌い出すのを待つわたくし。
彼の第一声、ずばーーーーん!!と衝撃が走ったのは言うまでもない。


2.この人歌うますぎない!?

今では有名になったFIRSTTAKE、これはものすごーく簡単に言ってしまうと、歌手の方が一発録りで歌を披露する、という動画である。
一発録り。失敗出来ない。いやまあ実際はリテイクしてるのかもしれないが「あ、ここ音外したからここだけ録りなおそう」とか基本的に一切しない(はず)なのだ。
ちなみに元セミプロギタリストの旦那に訊くと、「リテイクしたらファーストテイクじゃなくてセカンドテイクだろ」だそうで。確かに。

しがないとはいえわたしもボーカルの端くれ。
それがどんっなに大変なことかはわかる、ええ、それはもう身に沁みて。

彼の第一声、衝撃に撃ち抜かれたわたしは、目の奥をチカチカさせながら彼の歌声に聞き惚れていた。

こんなに歌の上手い人がこの世にいるのか!

自慢ではないが、音楽好きを自称しながら、その範囲は実に狭苦しい中で活動しているわたしである。はっきり言って、こんなに上手い人を聴いたことがなかった、本当に。
わたしが20年推し続けたかの50代男性アイドルも、歌が上手いことに惚れて推し始めたのだから、もともとわたしは歌が上手い人が大好きなのだ。
そんなわたしが、渋谷龍太にハマるまでに時間は全くかからなかった。

まず音を外さない、というのがすごい。
なによりもすごいなアと思うのは、一発目の音をほぼ外さないことである。
わたしのような素人はここでもう脱落する。
旦那は「まともな神経していたらあんな動画出れない」と言うが、それは悪い意味じゃなくわたしも心からそう思う。ある意味、自分で自分の実力を正しく認識している人が出る動画なのだ、あれは。

例えば生放送の歌番組。
あなたの好きな、推しのアーティストが番組に出て、歌を披露したとする。
CD音源ではあんなに美しくリズムに乗った歌声であったのに、実際に生放送で見てみると音外しまくりのリズム崩壊。
まあ、そこまでひどいことはあまりないと思うが、ほんのちょっとだけがっかりしたことは、皆さまも結構あるのではないだろうか?

渋谷龍太にはそれがない。
もちろん生のライブで観ても。
マスタリング後と同じ歌声がそこにはある。

決して特徴的な声質ではない。音域も決して広くない。
なのに心に、全身にずがん!と全力で体当たりしてくる迫力がある。
訴えかけるような表現力がある。

ひとりで生きていたならば、は、その渋谷龍太の良さが全て詰まった動画であるとわたしは思う。


3.わたし的大好きポイント

まずもう動画の入りからわたしは好きだ。
「super beaverボーカル、渋谷龍太です」

あらまあ。
お化粧した男性、なおかつ後ろで余裕を持って縛れるほどの長さの髪。半袖の柄シャツからチラリと覗くガッツリタトゥー。
見た目だけ見れば、失礼ながらドン引くポイント多彩な外見なのに、その挨拶は実に誠実である。
そして意外と可愛らしい声をしている。

ヘッドホンをした後、明らかに視線、目つきが変わるところも好きだ。
やんちゃそうなおニイちゃんが、プロの顔に変わるところがまた素晴らしい。

そしてアカペラで始まる“ひとりで生きていたならば“、ブレスの音すら愛おしい。
細かくビブラートをかけながら、情感たっぷり丁寧に歌い上げていくその仕草に、まだ動画は始まったばかりだというのにわたしはもうノックアウト寸前である。

1サビの最後の方、彼の眉毛が八の字になるところもちょっとした萌えポイント。

「これだからさ、やめられないなア」の「ア」が好き。というか、わたしは彼の伸ばした後の最後の一音が好きだ。
何気ないところではあるが、そこにはグッと惹かれるものがある。

大サビ終わりの最後だったかな、歯を剥き出しにしてクッと口角をあげるところがカッコいい。野生っぽい。
立ち振る舞いや煽り方を見ていると、この人はワイルドなのか繊細なのかよくわからなくなる。

Cメロ。「こだわってくよ」の後に、余韻を残しながら徐々にマイクから離れるところが好き。
ハァ、と今にも息遣いが聞こえてきそうなのだ。
この人の表情にはビックリするほど色気があるなあと思う。

大サビの盛り上がりが素晴らしいのは言うまでもなく、ほぼバックがない中で、自分の声ひとつ、抑揚だけであそこまで表現出来るのはすごい。
そして最後の音が鳴り終わるその時まで、super beaverのボーカルであろうとする、フロントマンとしての意思が、わたしがこの動画を好きな1番の理由である。

前述したと思うが、ヘッドホンを外す前と後、眼差しが全く違うのだ。
射抜くような強い眼差しが、ヘッドホンを外して息をついた瞬間に、フッと柔らかくなる。
やんちゃなおニイちゃんが戻ってくる。
なんて可愛らしい顔をする人なんだろう。

たった6分の短い時間である。
ぶーやんが映像を止めたその瞬間に、わたしはもう彼のことが好きで好きでたまらなくなっていた。


これはV6という支えを失ったわたしが、新たな支えとなる彼らに出逢ったきっかけのお話。
ちなみに“ひとりで生きていたならば“のMVも、ものすごく色気があってぶーやんが美しいのでとてもオススメであることを最後に記しておく。










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