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銀ソーダ個展「jewelry box」鑑賞

うきは市にある「gallery &cafe空のいろ」に伺い、本日まで開催されていた銀ソーダさんの個展「jewelry box」を拝見した。
もう何度も見ている銀ソーダさんの作品であるが、何度見ても、どこで見ても感動する。私はつくづく銀ソーダさんの作品に惚れ込んでいるのだろう。そして同時に芯から美術というジャンルが好きなのだと銀ソーダさんの作品を見て思うのである。
それは何故だろうかと考えてみると、理由の一つが銀ソーダさんの作品の絵の具の使い方があるだろう。例えば私の作品はキャンバスに水である程度溶いたアクリル絵の具を塗るのであるが、銀ソーダさんの作品はメディウムなどを混ぜることはあるようだが、表面に表れた絵の具はチューブで直接描かれた線や大きなアクリル板で延ばされた面など、絵の具そのままの色が活かされているように思う。
銀ソーダさんの作品を拝見した方々は作品を見て様々な印象を持たれると思うのだが、私が思うのは純粋な絵の具の色の美しさなのである。距離を持って作品を拝見してそれを思い、近距離で見ると絵の具の重なり、絵の具の厚みを楽しみ、感嘆の声を上げる。
銀ソーダさんは青をメインに作品を制作されている。しかし青も深い。一つの作品に幾つの青が使われているのかはわからないが、その重なりが美しい。一番上の層から透けて見える青に私は艶というか色っぽさを感じるのである。
そのような要素は作品に人格を与え、人を惹きつける魅力に変わると思っている。そのような要素を持つ作品を描き上げる銀ソーダさんに私は尊敬を感じ、同時に同じ作家として悔しい気持ちもあったりするのだ。
そして今回の展示の「jewelry box」の名前のきっかけとなった「fragment box 思考の積層」シリーズも美しい。これは銀ソーダさんが作品制作の上で使うアクリル板などの道具に付いた乾いたアクリル絵の具の剥がしたパーツで構成されたコラージュ作品である。
作家が思う通りに出来ない欠片が集まって華のようになっている。それが美しくアクリルボックスに収まっている様は大切な宝物を綺麗に保存しているようにも思える。
銀ソーダさんの作品は見るたびに新たな挑戦を感じ、新たな発見をするのだ。この銀ソーダという作家の、将来どう変化するのかを私は見届けたいといつも思うのだ。
ちなみにカフェのコラボメニューはとても美味しかった。心も何もかも満足な1日だった。

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