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筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる
2023年初登りは筑波山に登ることにした。登りたい!という気持ちが芽生えればそこから実行に移す速さには定評がある私だが、最近はやりたいと思ったことはすぐにでも時間を作ってやらないと一生遂行できないと感じる機会も多くあり、この頃はより早急に予定に組み入れるようにしている。
筑波山には関東にいるうちに一度は登っておきたいなと思っていた。他の地方から筑波山に登るために来ることは絶対にないだろうと考えていたからだ(個人の感想です)
言い換えれば東京近郊の人が気軽に登れる山ということだ。実際、筑波山までは秋葉原からつくばエクスプレスで45分でつくば駅まで行くことができ、そこからバスで30分ほどで筑波山の麓まで着く。さらに言うと麓からはケーブルカーとロープウェーが山頂まで走っているのでノーストレスでお手軽山登り体験ができる。
自力で登るにしても、最高峰の女体山は877mで日本百名山の中では1番標高の低い山なので、まだまだ登山初心者ですぐに息切れする私でもちょくちょく休憩しがてら登って90分ほどで御幸ヶ原という展望エリアまで登ることができた。
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日曜日の朝9時ごろに家を出た。北千住駅から乗ったつくばエクスプレスは人もまばらで余裕で座ることができた。大体筑波山へ向かう人はもう少し早く出ているようで、車内には登山者と見られる人は私ぐらいだった。バスを乗り継いで麓に着いたのは11時ごろだったと思う。少し歩くと筑波山神社に着く。筑波山自体が筑波山神社の境内にあるということらしく山自体が信仰の対象となっているようだ。1月前半ということもあってお参りに来ている人も多数おり、車の渋滞もできていた。
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境内を過ぎるとすぐに登山道に入る。ピークを過ぎているため人に出くわすことも少なく快適に歩を進める。
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少し歩いていると地元の少年野球チームと思しき子供たちがぞろぞろと降りてきた。毎年恒例の新年行事なんだろう。なんで練習もせずに登らされているのだろうと不満げな子もいれば練習をサボれて友達とも喋れるの最高やんとはしゃぐ子もいたが、すれ違う時は皆揃って帽子を脱いで挨拶をしてくるのがなんとも可笑しかった。どんなに急な斜面を下っていても、いくら友達との談笑に花が咲いていても、律儀に帽子を取って頭を下げる。危ないから絶対にしないほうがいいのに。癖というのは恐ろしい。つくづく日本の野球部文化には闇を感じているが今はその話題は置いておこう。子供たちの様子が面白いのでこちらも大きめの声であいさつし返した。
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こんなところに通すなんてすごいなあとライト鉄オタの胸が騒ぐ。
さらに歩くと急勾配が目立ち巨木が目に入るようになる。筑波山が本領を発揮してきた。鬱蒼とした山中を進んでいるとこんな看板を発見した。
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かの有名な百人一首にも選ばれた歌の由来となった地だそう。平安貴族が東国の山にわざわざ赴いたとは思えないので恐らくこの地に思いを馳せて詠んだのだろう。この川の名前もあって恋愛のモチーフにしやすいのかな。最初は小さな川のせせらぎも下流にいくにつれ深くなることから、最初は淡い恋心だったものが深く強い愛情に変わってきた様を表すラブレターらしい。なんともおしゃれな愛情表現だ。おしゃれかつストレートに気持ちが伝わる言葉だなと思う。一方の私はというとストレートに思いを伝えきれずに終えた恋もあったなと直近の失恋がフラッシュバックして辛くなり途中下山したろかなと考える有り様。みっともない。立ち止まっていても仕方がないので、一歩でも歩みを進める。登山で学んだことの一つである。
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登り始めて約90分。そうこうしてるうちにいつの間にか御幸ヶ原という展望エリアへ。ここがほぼ山頂で、ケーブルカーで楽々登ってきた奴らとはここで出会う。ヒールで登るマダムを横目に、行きしなの北千住駅で買ったチョコクロワッサンとポンデケージョで一服。登り切った末のポンデケージョは最高ぞと言わんばかりの表情を見せつけるが、ケーブルカーから降りた瞬間に「寒い寒い早く降りよ〜」という彼らには伝わらなかったと思う。この山をより味わってるのは自分だという謎の優越感に浸りながら、山頂付近の散策を再開した。
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存分に山頂エリアを楽しんだのでそろそろ帰路に着く。帰りは奇岩の多いお立石コースを降りてみることに。
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帰りのお立石コースは急な勾配も少なくかなり降りやすかった。体力に自信のない方はこっちがいいかも。
急に思いついた割には充実した1日を過ごせた。登山は昨年秋から本格的に始めたのだが、良い趣味になればいいな〜。
2023/1/15(日) 筑波山 登頂
百名山登頂完遂まで残り96
(富士山、霧ヶ峰、那須岳、筑波山)
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