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夫婦の形

先日、娘から電話がかかってきた。
「一昨日、お父さんの誕生日だったの、覚えてる?」
「・・・・」
「私も、忘れちゃっててさー。今朝、慌ててお父さんに『ごめんね』ってLINEしたら、『そんな優しいことを言ってくれるのは、Aちゃんだけだよー』って返事があったよ」
「・・・・・・」

昨日は、姪っ子の結婚式だった。
若い夫婦っていいなあ。
ほんとに幸せそう!
誓いのキスなんて、人目も憚らず・・・
そんなことに、オタオタしてしまう自分・・・
うちなんて、キスどころか、ここしばらく手も繋いだことないぞ。

年を重ねても、仲良し夫婦はたくさんいる。
友人夫婦の中には、どこに出かけるのも一緒という人もいる。
先日、ある友人と出かけていたら、何回もご夫君から電話がかかってくる。
内容は、「何時頃帰ってくるのか」とか「昼ご飯は何を食べるのか」というような内容らしい。私だったら、「うるさい!」と、怒鳴ってしまいそうだが、友人は、「全く手が焼けて面倒な人なんだから」と言いつつも、結構幸せそうである。

亡き義母は、自分がいなければ夫(義父)が何もできないというのが口癖で、自分の病気がかなり進行しても、なかなか入院しようとしなかった。
義母に口うるさく世話を焼かれていた義父だったが、義母が入院すると結構自分のことは自分でやって、好きなように生活しているように見えた。しかし、義母が亡くなった途端生きる気力がなくなったようで、結局、1年後に後を追うように亡くなってしまった。

夫は、昔から自分のことは自分でする。
食事や洗濯は私がやるが、衣服などの買い物も自分でやっている。
夕食は私が作るが、朝食と昼食はそれぞれだ。
夫は、自分が干渉されることは好きではないが、私の自由はかなり認めてくれている(方だと思う)
自分の誕生日を忘れてしまう妻を怒ることはないが、妻がヘアスタイルをかなり変えても、全く気がつかない。破鍋に綴蓋とは言えないが、まあ似たもの夫婦ではあるかもしれない。

新涼や手を繋ぎ行く老夫婦/葉音


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