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ICT活用に積極的な私が、3年間毎日手書きの学級通信を発行した話

【実績】
・3年連続、登校日に毎日学級通信を発行(5年・5年・6年)
・1日1枚
・全て手書き
・B5サイズ片面(たまにB4サイズ)

きっかけ

地区の研究会で出会いました。
大ベテランの先生も同じように手書きで毎日学級通信を発行していました。
それをみて、やってみたいと思ったのが最初のきっかけです。

令和2年度に5年生の担任をしました。(単学級)
始業式に登校してから約2か月の休校。
毎日出勤するが、やることが限られる。
教材研究?
時間があるのでじっくりできるけど、実践する場がないため、もやもや。
そこで、以前拝見した学級通信を思い出す。
やろう!
決心は早かった。
クラスで1番最初に誕生日を迎える子を紹介する記事を書いた。
その後、休校中の学校の様子を伝える記事。
日々の出来事と5年生の学習内容を関連付けて紹介する記事。
私が読んだ本を紹介する記事。
そして、子どもの誕生日をお祝いする記事。

休校期間、家庭訪問をするタイミングで家庭に届けた。
慣らし登校の日にも学級通信を発行した。
学校と子どもをつなぐ手段になると信じていた。

実は、ここまで管理職には黙っていた。
7枚ほど発行した後、
「実はこんなおたよりを発行していて…」
と相談した。
管理職は受け入れてくれた。
起案の手間を省くため、教頭先生がチェックすれば印刷して良いと言っていただいた。

こうして、手書きの学級通信を毎日発行することになった。
コロナ禍、制限の多い中で、学級経営をする楽しみの中心に学級通信があった。

手書き学級通信プロフィール

上下2つに分け、2つの内容をまとめます。
写真を貼ると、文章は少ししか書けません。
だからこそ、すぐに仕上がります。

これが基本形

★タイトル→えがお
私の好きな言葉です。
笑っていると、幸せがやってくると信じています。

なぜ手書き?
①パソコンを出さなくても書ける。
②筆ペン、ペン、カラーペン、色鉛筆など、書きぶりに味が出る。
③写真の切り貼りなど、レイアウトが自在にできる。
④なんだかあったかい感じがする。
▲パソコンと違って、直しがある場合は大変。修正テープで直すというアナログな方法(ま、直しはほとんどなかったけど…)

★なぜB5サイズ?
一言で表現するなら、継続するため。
A4サイズだと、内容が多い分、継続が大変。
B5サイズならちょっとした話題で1枚を書きあげることができる。
→読んでいる方も、さっと読める。

★誰を対象に書いている? 児童or保護者
基本的には児童に向けて書いていますが、内容によっては保護者に発信するような書きぶりのときもあります。
まず児童が読み、家に持ち帰ったら保護者が読み、時には一緒に読んで考える…というイメージです。

★いつ作成している?
2段階で作成します。
①枠を作成
外枠、タイトルを事前に書いておきます。
週末や少し時間があるときにやります。
用紙1枚で2号分書けます。3枚、6号分作っておきます。
②内容を作成
基本的には朝です。
大体10分程度で書けるようになってきました。
写真を使用する際は、前日の内に印刷しておきます。

何を学級通信に書くか 定番のネタ

ここからは学級通信の内容です。
主なものを紹介します。
(氏名、写真等、個人情報は伏せながら)
※乱筆は失礼します…

授業や学習の記録

授業の内容を紹介します。
どんな学びをしたのか、足跡を残すイメージです。
算数や道徳は「こんな考えがあったね。」と多くの子の考えを残しました。
理科や体育は写真で伝えると良く分かるので、写真を多用しました。

多様な考え方がある算数の面白さ
道徳も多様な考えが出るので、よく学級通信にまとめます。
割合の考えを活用して考えました。

季節のネタ

季節ならではのイベントを大切にしたいので、節目では季節ネタを書くことがあります。
ゴールデンウィーク、七夕、十五夜、年末年始、節分、そして祝日。
しっかり内容を調べてまとめるので、いつもより作成には時間がかかります。
中には、授業の内容と関連付けることができるものもあるので、季節のネタをきっかけに、授業の話題を切り出すこともありました。

土用の丑の日
なんとなく知っている行事を、きちんと理解する

家族ネタ

学級とは関係ないのですが、意外に人気だった私の家族ネタ。
わが子のユニークな行動や発言。

コロナ禍 生き物を飼育して日々をエンジョイしていました
飼育のことから、物の見方について
家のネタ…でも学校生活に通ずる部分もある
わが子の素直な思い 若いからこそ人権感覚も曲がっていない
季節ネタ × 家族ネタ
長男からはいろいろなネタが出てきます。

一見、学級とは関係なさそうですが、子どもたちの日常生活につなげるように話をしながら配付したこともあります。
なお、同僚からは「うたういぬ先生がわが子を大切に育てているという内容から、学級の子どもたちも自分の親に大切に育ててもらっていることを実感できる良さもある。」と、素敵な価値づけをしていただきました。
嬉しいです。

ユーモア記事

写真なし、大きな字で短いメッセージの記事等、ふざけているような書きぶりで学級通信を書くこともありました。
書くこと自体が楽しくなり、ただただ面白く書こうとだけ考えていました。

夏休みを安全に過ごしてほしいという願い × ドラクエ
時にはシンプルに この時は事件が起こったためこんな内容に
新聞記事風①
新聞記事風②


3年間毎日発行して見えた世界とは

これが日常

今は春休みなので、書くことはないのですが、学級通信を書くことが日常になりました。今週はこんな授業・行事があるからこんな話題を学級通信に書こうと考えながら過ごす日々。予想外の出来事に出会い、どんな風に学級通信にするか考える日々。子どもとの関わり、子どもたち同士の関わりを担任として価値付けて学級通信を通して伝えようとする日々。
学級担任だからこそ、学級通信を発行するチャンスがあります。
学級担任であることの喜びを実感できました。

宝物

手元に残った約600枚の学級通信を眺め、よくがんばったなと思います。
毎日を価値付けて残したこと、実物としても挑戦した意欲としても宝物として残すことができました。

文章を書く力

noteを読んでくださっている方は、「うたういぬ、文章力大丈夫か?」と思う記事もあったかと思いますが、学級通信を発行したことで、文章を書く力は確実に伸びたと思います。
出来事を端的に書くこと、子どもの良さや努力を表現する力、学級担任としての思いを伝える力 など
通信票の所見を作成する際も、時間が掛かって…思い浮かばなくて…と困ったことは時にありません。
もちろん、これは当初のねらいではないので、副産物的な成果かと思います。


成果も満足感も感じながら振り返りました。
4月からは中学校に異動ということもあり、学級通信は一旦お休みします。(多分)
まず、新しい環境に慣れる!
どのように子どもを理解するか、担任の思いを学級経営にどのように生かすかを考えながらの学校生活になりそうです。
がんばります。


【「えがお」を大切に  焦らず、誠実に、前向きに】

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