Typing Tubeの多言語曲に挑戦した話

※本記事はタイパー Advent Calendar 2023の15日目の記事となります。
14日目の記事は「uaaaaaaaa」さんによる「非公式タイプウェルランキングを紹介」です。
16日目の記事は「orih」さんによる「英語競技タイピングの世界をざっくりと説明」です。


はじめに

皆さんこんにちは。小籠包です。

私は主に英語とその他の言語のタイピングをしています。今回はTyping Tubeで多言語の曲を見つけたので専用の配列を作って挑戦してみました。

このような記事を書くのは初めてなので拙い文章になるとは思いますが、興味のある方は読んでいただけるとありがたいです。

そもそもTyping Tubeって何?

Typing TubeはYouTube上にある動画にユーザーが歌詞を作り、タイピング練習が出来るサイトです。動画に合わせて歌詞が出てくるので、それを打っていくという単純なものです。

流行りの曲やマイナーな曲、歌ってみた、英語の曲などさまざまな種類があります。多言語の曲もありますが、入力する文字がそのままの曲(キリル文字を打つなど)はあまり見たことが無かったので、珍しいのかなと思います。

挑戦した曲について

今回挑戦した曲はAvlönsktさんが歌った東方のBad Apple!!です。
これにはドイツ語、英語、スペイン語、フィンランド語、フランス語、ハンガリー語、日本語、オランダ語、ポーランド語、ロシア語、スロバキア語、ウクライナ語の12言語が含まれています。

日本語を打つときの配列(アルファベットのみ)で打った結果は以下のようになりました。

打てる部分のみ(アルファベットのみ)を打った結果

ロシア語やウクライナ語はキリル文字で打てず、その他の言語もアルファベット以外の特殊文字が打てないものが多く、点数が全く伸びませんでした。
元々の曲の速さもあり、難しかったです。
全体の50%くらいは英語以外も打てるようにしないといけませんでした。
これ以上点数を伸ばすには他言語も打たないようにしないといけない、ということで自分で配列を作ってみようと思ったわけです。

自作配列について

それぞれの言語用の配列に変更して打つことも考えたのですが歌詞の1行毎に言語が変わり、それを12言語分変えるのは現実的ではないので1つの配列ですべての言語を打てるような配列を考えました。
しかしながらこの曲は異なる90文字によって構成されています。
90文字分を1つの配列のみで打てるようにする+出来る限り早く打てるようにキーを配置するということを工夫する必要があります。

ここから本格的に配列の話になります。
配列の作成についてはMicrosoft Keyboard Layout Creatorを使用しました。以降MKLCと表記します。
MKLCでは素の配列の入力はもちろんの事shift押下時、alt押下時、shift+alt押下時の入力についても指定が出来るようになっています。
ではさっそくどのような配列になったのか見ていきましょう。

素の入力

素の入力

まず、素の入力時の配列について見ます。
表示されているキーボードはjis配列とは違いますが、扱うキーについては変わらないので気にしないでください。
今回挑戦した曲はアルファベットが一番多いので、US配列を基本として作っています。変更箇所は「l」の右側のキーと「p」の右側のキーです。

shift押下時の入力

shift押下時の入力

shift押下時では本来大文字のアルファベットのところをキリル文字を打てるようにしました。Typing Tubeでは大文字を打たなくてもいいのでこのようにしています。
こちらの配列は多言語の大会であるinterstenoのロシア語で使用しているものを少し変えたものです。
今回の曲でキリル文字を使う言語はロシア語とウクライナ語です。基本的には同じ文字を使うのですが、ウクライナ語のみで使用する文字が少しだけあるので、それはshift+alt押下で入力するようにしました。

shift押下時にキリル文字を打てるようにした理由はCaps Lockを押すことによって即座に配列を切り替えることが出来るからです。
Caps Lockは必要ないという風潮がありますが(多分)、私はこれにより最も素晴らしいCaps Lockの使用方法を見つけてしまったのです。この判断は我ながら冴えているなと思いました。

alt押下時の入力

alt押下時の入力

alt押下時ではキリル文字以外の特殊文字を打てるようにしています。
eの特殊文字はeの近くに置く、oの特殊文字はoの近くに置くなどを基準に配列を考えています。
速度を重視する場合は数字のある最上段に設定はしない方がいいですが、直感的な分かりやすさを重視した結果がこのようになりました。
また、出現回数から素の入力の時に配置できなかった「;」を本来ある場所に設定しています。

shift+alt押下時の入力

shift+alt押下時の入力

shift+alt押下時はウクライナ語の入力+alt押下時に配置できなかった文字の入力に使います。
shift+altを押しながら速く打つということは私には無理なのでウクライナ語の入力の時しかほぼ使いません。
キリル文字を打つ際はCaps Lockキーを押した後なので実質altキーを押すだけでウクライナ語は打てるのです。
やはりCaps Lockキーが素晴らしい活躍をしています。

配列を作った結果

早速どうなったのか見てみましょう。

配列を作った結果  
打てる部分のみ(アルファベットのみ)を打った結果

配列を作った結果38点から60点まで伸びました!
interstenoで他言語を打つのは慣れていたので配列を作ってから2時間ほどでここまで伸ばすことが出来ました。

体感では65点くらいまでなら伸ばせそうな感じはありますが、60点を超えたところで一つ壁は乗り越えたなという感じでした。
これ以上点数を伸ばすには配列の理解をする事とロシア語とウクライナ語を打ち慣れる事が最も重要だと感じました。

配列に関してはalt+shift押下時に設定しているキリル文字以外の文字の押し辛さを軽減する必要があると思います。
配列の覚えやすさを捨てて、alt押下時に空いているキーに設定するのが最善なのかなと思います。

ロシア語とウクライナ語に関してはとにかく打っていくことで慣れていくしかないと思います。interstenoにおいてもロシア語は大きな得点源となるため課題になります。

最後に

今回はTyping Tubeの多言語曲に挑戦してみました。多言語タイピングに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
自分で配列を一から作るというのは初めてだったのでいい機会になりました。
Typing Tubeの特性上、大文字を打つ必要が無いというところで大分自由な配列となりました。
実用的な入力ではここまで自由に配列を変えることはできないので、デッドキーの扱いにも慣れていきたいなと思いました。

最後に手元の入力がどのようになっていたのかを撮ってみたので、ぜひ見てください!


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