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紅い花

父がのこした家を家族葬ハウスにしています。

「じさを荘」ときまた日誌




鎌田くんの三回忌なので、花とお酒を書棚の祭壇に。

代島治彦監督の『きみが死んだあとで』の中に、同志で友人で連れ合いだったひとを弔うのに仏壇代わりに箪笥の上に祭壇スペースをこしらえ、酒瓶に紙を張りつけ家族や知人らの命日を書き込んでいた女性がいた。
同じようなことをしているひとがいるとわかって、あのときはなんかすごくうれしかった。その後に映画の本をつくろうとおもったのも、あの手製の仏壇を見たからだった。

先日、東海テレビの阿武野さんから取材の際に頂戴した愛知のよさげなお酒と、結局彼に誘われたけど行かずに終わった新潟のビール(たまたま赤い缶が目に入った)を。
彼に花をめでる趣味はなかったとおもうけど、赤なら喜ぶかとさがした紅い花、覗いた花屋さんにあった向日葵のようなガーベラと「バラはねぇ、昨日でぜんぶ出てしまってないんです」と申し訳なさそうに説明され、そうかクリスマスやもんなあ。命日をしっかり覚えているのも、翌日に連絡があったからで。ガーベラ一輪だけじゃあれなんで、イキのいい鮮やかな白いバラもつけることにした。
紅いといえば、石井さんの『GONIN』のCDジャケットの題字も赤だったとおもいだし、傍に。
静かに一日が過ぎていきます。

そうそう。前回記した、じさを荘の柿。紅つながりで。
「なんもしてないのに自然になる実ってすごいですよねえ」
と川原さんが言うように、びっくりするほど甘く美味でした。




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