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ミッション名:サヨナラプラレール

明日たぬきちはあるミッションを遂行しようと思っている。
そのミッションは、名付けて「サヨナラプラレール」

名前の通り、プラレールを処分しようと考えている。

プラレールは、玩具メーカー「タカラトミー」が販売する、幼児向けでありながら、実在する電車を精巧に再現したおもちゃである。

男児のいるご家庭なら1度は通る道では無いだろうか?ただ、タカラトミーには、「トミカ」という、こちらは実在する自動車を精巧に再現したおもちゃのシリーズもあり、ご家庭によっては、「うちはトミカ派」ということも。

息子子だぬきがいつ、リトルてっちゃんになったのかは、定かではなく、物心着いた時には完全にてっちゃんになっていた。

オタク気質な彼は、プラレールの絵本を読んでは熱心に学習し、日本中のあらゆる電車を把握していた。

その情熱は2歳頃にピークを迎え、一日中電車のことを考えていた。

主人が子煩悩であったことと、両祖父母が健在であったことや、親戚が多いことが、幸か不幸か、誕生日やクリスマスの度に、プラレールの電車を所望しては、たくさん手に入れて来た。

当時の彼のお気に入りの遊び方は、線路を円形につなぎ、間に橋脚を挟んで、何層にも組み上げる。そうして出来上がった重層する環状線にいっせいに電車を走らせることだった。

複数の電車が走る音は本当にうるさくて、正直たぬきちは参っていた。あと、その当時によく困っていたのは、電車が線路から脱走し、どこかの物陰まで走り去っては、壁にぶつかり、ずーっと「じー」っと言う音を発し続けていること。

「なんか音がする」と言っては耳をすまして、電車を探すというのは日常茶飯事であった。

年少に上がった頃、TVで戦隊モノを見かけてからは、あんなに熱心であったてっちゃんが、憑き物が取れたように、見向きもしなくなり、すっかりゴレンジャーや仮面ライダーに夢中に、そうこうしている間にLaQ(ラキュー)、を経て、YouTubeに出会い、今はすっかりゲーマーへと華麗に転身している。

今までも何度も、プラレールを処分したいと思っていたが、その度に息子子だぬきが、手放したくないというものだから、そのままになっていた。

また甥っ子もいるので、その子がてっちゃんになったらぜひ譲ろうという考えもあったが、気がつけば甥っ子はプラレールにもトミカにも関心がなく、アンパンマンを卒業するとポケモンに移行してしまっていた。

毎日せっせとマイクラダンジョンズ(ゲーム)に励む息子子だぬきの姿を見て、いよいよミッション「サヨナラプラレール」を実行する時が来たと感じた。

仕事の行き帰りに、通っていた保育園の先生に今でもよく会うので、「プラレールを譲りたい」と伝えた。後日、先生に会った時に「ぜひ譲って欲しい」との回答を得た。

先程、長らく放置していたプラレールを引っ張り出して来て、1つ1つアルコールシートで拭き、電池も抜いておいた。

もう遊ばなくなって6年は経っていると思う。
それでも、当時幼かった息子子だぬきが、強烈な愛情を持って接して来たプラレールたちにはその熱量が微かに残っていて、触れていると、当時の息子が舌っ足らずに呼んでいた名前

ひかりレールッター(ひかりレールスター:山陽新幹線)
成田エックプレス(成田エクスプレス:成田線を走る特急)
いんもり(ゆふいんの森:JR九州の特急)

が思い出され涙が出た。

実は息子子だぬきに内緒にして保育園に寄贈しようとしていたが、明日の朝「一緒に持って行こう」と話すことに変更した。

さてこのミッション成功なるか。

追記:日付かわった翌朝、息子子だぬきに「小さい子達にプラレールあげよう」と伝えると「いいよ」と言ってくれ、娘子だぬき含め3人で保育園にお渡しにいけました~
成長😭

イラストテーマ:プラレール  てっちゃん

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