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#実家にあるもの〜義父が守り続ける痕跡たち

本来の企画のテーマは#実家にある私のもの だが、たぬきちの母、母きちは、モノを捨てられない父きちからは「物捨ておばさん」と揶揄されるも、娘達からは「さすが」の一言、すでにしっかり身の回りを断捨離できている人だ。

それにたぬきちを含めた娘はみな嫁に行き、実家に子どもらの荷物はない。それでも長い間置いてあった最後の難所「ピアノ」もようやっと、昨年必要な人のところに行って欲しいと処分している。ありがとう。この場を借りて改めて感謝したい。

そんなわけで、このテーマで書くのは無理かなーと思っていたところ、たぬきちのもう1つの実家、「義実家」があるではないか!と思い立った。

やったー題材あった!よかったよかった!などと本当は喜んでいる場合では無い。

夫の父、たぬきちの義理の父は、父きちと同じ、モノを捨てられない種族だ。しかし、決定的に違う特性がある。それは「モノを捨てさせない」ことだ。

父きちは「物捨ておばさん」と悪態をつくが、捨てることは許容している。が、義父は違う。「自分の目の黒いうちには絶対に捨てさせない」と意思は固いのだ。

例えば、夫とその兄弟の学習机がきっちり2階の一部屋に並んで据え置かれている。昔ながらのその学習机はガラス戸の付いたこれまた重そうな本棚が連結してある。処分するには相当骨が折れるに違いない。

家の2階にこんな重いものがあるのは危ないので、過去に一度義母に処分をお手伝いしましょうかと申し出たことがある。

しかし、義母は困り果ててはいるものの、義父の意思を尊重し、処分は諦めているとの事であった。義実家のことでもあり、嫁の立場からはこれ以上何も言うことは無い。

そんなある日、息子、娘こだぬきずが、義実家から帰って来るなりこう言った。「お父さんって頭いいんやねー。小学校の時取った100点のテスト見たでー」っと。ようよう聞いていると、義父が「こだぬきくん達のお父さんは賢いんやでー」と言って、小学校時代のテストをいくつも見せてくれたとのことであった。

子どもの思い出の品をしっかり残しておいて、孫に伝えていく、深い愛情を感じる素敵なエピソードだ。

深い愛情はビシビシ、否ずっしり感じる。ただ捨てられなくていたずらに残っている訳では無い。こうして、時々取り出しては、眺めているんじゃないだろうかとさえ思われるくらい、整理されて、保管されている。きっと義父の宝物に違いない。

学習机も、学習の記録も、息子たちの残した痕跡は、義父の人生でもあるのだろう。

だがしかし!!、小学校のテストまで残している事実を知り、これは相当でござんすな。と感じたのも事実。なるほどー分かりましたよ。となんとなくこの時、嫁きちは覚悟したというお話でした。

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