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気仙沼バルの中の人に聞く(3)

気仙沼バルは2013年から「食でつながる 街がつながる 笑顔がつながる」をテーマに宮城県気仙沼市で開催されているイベントです。バルのチケットを購入することで、バル参加店舗の提供する自慢の一品とワンドリンクのセットや物販商品を楽しめます。
そんな気仙沼バルは今回で10回目の節目を迎えます(開催期間:2023年7月7日から9日まで(3日間))。「気仙沼バルの中の人に聞く」をモットーにバルに関わる人たちにお話を伺います。第3回は小松志大さん(気仙沼地域戦略 専務理事、中小企業診断士)に伺いました。

小松志大さん



気仙沼バルへ関わられたきっかけを教えてください。

 気仙沼が地元というのはあります。当時、気仙沼への視察では3つの仮設商店街それぞれへの提言のため、幾つかのチームが作られたのですが、私は川居宗則さん(経営デザインコンサルティングオフィス 代表、中小企業診断士)、小野寺亮子さん(株式会社気仙沼波止場 代表取締役)と一緒に幹事チームに入りました。幹事チームでは各商店街への提言だけでなく、3つの商店街が一緒に活動するのも良いのではと考えていました。

 私は、幾つかある提言の中でバルが面白そうと考え、私の妹を巻き込んで2人でバルの企画書を作成しました。2012年11月の気仙沼での打ち合わせでは、川居さんから提言内容を説明いただいた結果、現地から「商店街バルをやることになりましたので、頑張りましょう。」と連絡をいただきました。ここからバルが本格的にスタートしました。

バルの初回開催で印象に残っていることを教えてください。

 気仙沼バルのキックオフミーティングの時点(2013年1月)では、無い無い尽くしの状況でした。例えば、開催資金の不足、イベントの象徴となるロゴ、バルで使用するのぼり旗などもありませんでした。

 開催資金については、川居さんが異業種交流会のネットワークを通じて寄付を募り、翌月の気仙沼への訪問までに解決していただきました。また、バルのロゴについては、私の気仙沼中学校時代の同級生でもあるプロのデザイナーにお願いし、無償で制作していただきました。この経緯でできたロゴは現在もバルで利用されています。他の課題も、気仙沼の関係者や友人・家族、中小企業診断士チームの協力を得て解決しました。

 キックオフミーティングから3ヶ月半後には、無事本番を迎えることができました。この期間は、無から有を作るみたいで大変でしたけど面白かったです。

気仙沼バルの変化という点で印象に残っていることはありますか。

 気仙沼バルの変遷は3つのステージに分けられます。ファーストステージでは仮設商店街での開催、セカンドステージでは仮設商店街だけでなく常設の店舗(個店)も参加しての開催、サードステージでは仮設商店街がなくなり常設の店舗だけでの開催です。

 ファーストステージでは、仮設商店街に集まった店舗がまとまりやすく、イベントの開催や連絡窓口の確保が容易でした。ステージが進むと個店が増え、まとめ役や連絡窓口が分からなくなる課題が生じました。このため、ブロック長という役割を導入し、地区ごとにブロックを作り、まとめ役を担当してもらいました。

 さらに、バルの実行委員長をエリア持ち回りとする提案もしました。毎年同じ人が委員長を務める場合にはバルの開催は安定しますが、バルの活性化が難しくなるためです。新しい人が実行委員長を経験することで、バルの企画や運営の大変さを理解し、積極的に活動する人材が増えていく良い効果がでています。

今後のバルへ期待していることを教えてください。

 気仙沼バルが1つのイベントというだけでなく、気仙沼の食文化や魅力を表現する場になって欲しいと思います。気仙沼市はスローフード都市宣言をしており、バルで気仙沼の食の魅力を市民および市外の人にも知っていただき、気仙沼という食の街と繋がっていただければと考えています。

 この意味で、店舗には地元の食材を使うとともにその食材をPRしたり、地元のお酒に合う料理とのペアリング、季節に合った食べ方や郷土料理という観点でメニューを考えたりと、気仙沼の食文化を表現していただければと思います。

 気仙沼観光推進機構での活動の中で、年間を通して気仙沼の食の楽しさを市民・市外の方々へ届けようとした際に、気仙沼バルはその中心的なイベントになっています。


次回は、畠山亮さん(American Darts Bar A.、気仙沼バル実行委員長)にお話を伺います。

気仙沼バル特設ページ https://kesennuma-kanko.jp/kesennumabar/

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