砂糖税 sugar tax
こんにちは。途上国では、飢餓・低栄養に加えて、肥満も問題になっています。今回は、先進国だけなく、途上国の中でも新興国を中心に導入が進んでいる砂糖税(sugar tax)を紹介します。
1 はじめに
砂糖税(sugar tax)とは、清涼飲料などに対して、砂糖含有量に応じて課されます。 ソーダ税 (soda tax) とよばれることもあります。
2 期待される効果
2016年9月の世界保健機関(WHO)の報告書「Fiscal policies for diet and the prevention of noncommunicable diseases」では、砂糖が添加された清涼飲料水に20%以上の課税を行えば、肥満、糖尿病、虫歯を抑制するような消費の削減が可能であると提言されている。
言い換えれば、砂糖税の導入は、糖尿病予防や生活習慣病の改善につながるようです。他方、飲料水メーカーは課税により消費者価格が上昇し、飲料水の売上が落ち込み、収益が悪化するかもしれません。
3 導入国
日本では、1901年に砂糖消費税法が施行され、砂糖の色の違い(色相別課税制度)で等級区分し、課税されました。最も等級が低いのは黒糖で、精製を繰り返して白くなるほど等級が上がり、税率も高くなりました(参照:国税庁ホームページ)。1989年の消費税導入により廃止されました。
近年の世界動向について、2011年にフランス、2014年にメキシコ、2015年に米・バークレー市、2017年に米・フィラデルフィア市、インドとタイ、2018年にイギリスとフィリピン、2019年にはマレーシアがそれぞれ導入しました。以下では、タイ、フィリピン、マレーシアの課税制度を紹介します。
タイ:清涼飲料水の卸売価格の20%に、推奨小売価格の14%に砂糖の使用量に応じた「砂糖税」を上乗せしている。2023年までに段階的に税率を引き上げています。
フィリピン:「加糖飲料税」を導入し、税額は1リットルあたり6ペソ、ジュースに異性化糖を使っている場合は1リットルあたり12ペソを課している。
マレーシア:「砂糖税」を導入し、1リットル当たり0.4 MYRが課税されるます。対象は100ミリリットル当たり5グラムを超える糖類を含む炭酸・風味・ノンアルコール飲料です。
4 おわりに
いままでの旅行体験から判断すれば、東南アジアの食料雑貨店で、無糖のお茶を探すのは難しいですね。コンビニで無糖茶1本あるかないかです。東南アジアの旅先では、私はミネラルウオーターを常飲しています。
「コーラ」や「C2」(赤色・黄色のラベルの加糖茶)が陳列されているので、これらが売れ行きがいいのかなと思います。フィリピンのケーキは、日本に比べてかなり甘いです。
砂糖税の導入で、人々の健康意識が高まれば、きっと生活習慣病の改善につながるでしょう。
ありがとうございまいす。
画像はカンボジア・ポイペトのさとうきびジュースの売店の様子。
(2005年12月撮影)
※さとうきびはミネラルやビタミンが豊富であるため健康によいですが、精製された白砂糖はさとうきび本来の栄養素が失い、太りやすくなり体に負担がかかるようです。また、搾りたてのさとうきびジュースを飲みたい。
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