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2021年のGDP(国内総生産)

こんにちは。今回はGDP(国内総生産)の世界ランキングについて書いてみます。

1 はじめに
 GDP(Gross Domestic Product,国内総生産)は1年間に一国内で生産された財・サービスの総額のことで、一国の経済水準を測る指標として広く知られています。また、これは消費、投資、政府支出と純輸出(輸出ー輸入)の合計でもあります。2021年のGDP世界ランキングは以下【表1】の通りです。数値は10億アメリカドル。
【表1】
1位 アメリカ  22,996.08
2位 中国    17,744.64
3位 日本    4,932.56
4位 ドイツ   4,262.77
5位 イギリス  3,187.63
6位 インド   3,176.30
7位 フランス  2,957.43
8位 イタリア  2,101.28
9位 カナダ   1,988.34
10位 韓国    1,810.97
<出典>IMF - World Economic Outlook Databases
日本経済新聞(2022年9月19日)「円安で縮む日本 ドル建てGDP、30年ぶり4兆ドル割れ」によれば、2022年3月から円安が急速に進み、ドル建てでみた名目GDP(2022年)は、30年ぶりに4兆ドル(約560兆円)を下回る見込みです。日本の名目 GDP は対世界比で4%弱であり、過去最低を更新しています。日本の資産もまた、ドル高円安進行とともにその価値が急減しています。1980年代後半のバブル景気時は、東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えると試算されたこともあったのですが。

2 GDPと一人当たりGDPの比較
 GDPを人口で割った「一人当たりGDP」の世界ランキングは以下【表2】の通りです。数値はアメリカドル。
【表2】
1位 ルクセンブルク 136,701.40
2位 アイルランド  100,129.45
3位 スイス     92,248.64
4位 ノルウェー   89,041.59
5位 シンガポール  72,794.91
6位 アイスランド  69,422.38
7位 アメリカ    69,227.11
8位 カタール    68,621.64
9位 デンマーク   68,202.07
10位 オーストラリア 63,464.11
16位 カナダ     52,015.07
18位 ドイツ     51,237.64
22位 イギリス    47,328.78
23位 フランス    45,187.77
27位 日本      39,301.07
28位 イタリア    35,472.80
29位 韓国      35,003.82
62位 中国      12,561.69
145位 インド     2,279.51

 GDP世界ランキングで上位である中国やインドは人口が多く、1人あたりGDPでは、順位は高くありません。しかし、中国やインドのGDPは増加し続けており、今後の成長も期待され、1人あたりGDPの世界ランキングが上昇することが予想されます。
 2021年の日本の一人当たりGDPは27位で、年々順位を落としています。この値を平均所得と読み替えれば、日本で働く外国人労働者にとって雇用環境に対する魅力が薄れつつあります。日本のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が弱くなっているかもしれません。一人当たりGDPの上位国は、税優遇措置、教育制度の充実、金融業の盛んな国です。日本が一人当たりGDPの上位国から学ぶこともあると思います。

3 まとめ
 円安や原油高で調達コスト増を価格転嫁できず、企業業績への影響が懸念されています。人口減少、少子・高齢化、政府債務残高の拡大で、潜在成長率の上昇や公的サービスの増加を期待することは難しい状況が続いています。こうした日本の状況もまた、日米間の金利差に加えて、2022年のドル高・円安を加速したとも言われています。
 インフラが整っていなく、平均年齢の低い国では、若年世代の労働力を資力として経済成長が期待できます。しかし、人口減少が進む日本では、労働生産性の向上や実質労働所得の増加が課題として挙げられます。加えて、人工知能が普及しつつある社会で、求められる労働力が変わっていきます。これまでも新技術の登場により、働き方も変わってきました。今、人・企業が取り組むべきことは、社会に新しい価値を生むような活動を探求し続けることかもしれません。(誰もが笑顔になる価値創造ができたらいいですね。)そのことで、生産、所得、消費の循環が活性化すれば、GDPの値も大きくなります。

ありがとうございます。
画像は東京・浅草寺付近(2021年12月末撮影)


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