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浅田真央をリアタイ応援できる幸せ♪ ※『Everlasting33』ネタバレ全開です

リアタイ応援、すなわち、同時代リアルタイムでの応援ということです。

『浅田真央アイスショーEverlasting33』千秋楽配信で見届けました。
アーカイブ配信も終わり、今、絶賛「エバラス・ロス」状態。
(もっとも、真央ちゃんご本人は既に次に向かっておられ、南の島に飛んでいかれたようで流石です!)
前回の浅田真央プロデュース『Beyond』のメンバー全員が再集結した、このアイスショー。まさに「全員で『Beyond』を『Beyond』してきた」というしかありません。

真央ちゃんと同時代に生き、その子どものころからの成長をリアルタイムでずっと応援してこられている幸せを、改めてかみしめています。
SNSなどに上がる様々な方の感想を見ても一言「凄かった」としか言えないまさに圧巻の今回のアイスショー。配信も終わったことですし、Blu-ray発売を熱望する願いも込めて、現時点の感想を書き留めておきたいと思います。


とにかく、全世界のフィギュアファン、舞台芸術ファンに
「百聞は一見に如かず、とにかく観て!」
と全力でお勧めしたいところですが、今作の凄さをあえて言語化するなら、こんな感じでしょうか。

・劇場の本舞台(と張り出し舞台)に氷を張って、豪華な幕とプロセニアムアーチ、シャンデリア、立派なオーケストラピットを備えた、ゴージャスなリンクを実現
・クラシック、バレエ、ミュージカル、映画、ポップス…幅広いジャンルの音楽(全て真央ちゃんが現役時に使用したことのない曲。SNSでファンから滑ってほしい曲を募った結果を参考に選曲)を、全曲生オーケストラの演奏に乗せて氷上に表現
・スケーター達のスケート技術の進化・深化に加え、エアリアル、タップ、コンテンポラリーダンスを取り入れ、プレミアムな舞台芸術に消化&昇華
・しかもその挑戦のいずれもが、奇をてらって色物を入れてみたという段階ではなく、『エバラス』という舞台作品を成立させるために不可欠な要素として、高レベルで機能・結実


演目ごとに順を追って簡単な感想を(敬称略)。

Dance of Curse
スケーター全員
でのオープニング。
オペラを思わせる重厚で荘厳な音楽に、白い衣装で神々しく舞います。
幕が開いた瞬間に心を持っていかれました。

アルビノーニのアダージョ
浅田真央・田村岳斗・柴田嶺の「年長組」トリオが組む、実に美しい癒しのスケーティング。早くも涙が滲んできます。トリオというのは、デュエットとも群舞とも異なる複雑な化学反応を生み出すものですね。

・<バレエ・ガラ>
花のワルツ(『眠りの森の美女』より)の可愛らしい群舞に始まり、若手のスケーターたちがソロで滑るコーナー(原則本人の振り付けに、浅田真央が総合振り付けとして監修する形だったよう)。誰がどんな曲をどんな順番で滑るのか、考え抜かれた構成です。
オーロラ姫のヴァリエーション(『眠りの森の美女』より)小山渚紗は、背中と腕の動きの柔らかさ、スパイラルの美しさが天下一品。
スワニルダのヴァリエーション(『コッペリア』より)今原実丘は、天真爛漫な笑顔が役柄に合っていて、花が咲いたような明るさが好印象でした。
薔薇の精マルティネス・エルネストはまさに適役。バレエではかの有名なニジンスキーの当たり役で超人的な跳躍が見所でしたが、エルニは彼自身の両性具有的な持ち味で勝負。しなやかで魅力的です。
エスメラルダのヴァリエーション(『エスメラルダ』より)小林レオニー百音は「圧」が凄くて迫力満点。小道具のタンバリンも効果的でした。
アリのヴァリエーション(『海賊』より)山本恭廉。少年っぽさが魅力と思っていたので少々意外な配役でしたが、いちいち決めポーズがかっこよくこれまたハマっていました。
ジゼルのヴァリエーション(『ジゼル』より)は、可憐な役が誰より似合う今井遥。可愛らしい所作とリンク爆走の両立こそ彼女の真骨頂です。
グラン・パ・ド・ドゥ(『ドン・キ・ホーテ』より)中村優(バジル)と松田悠良(キトリ)の二人。それぞれのソロ、二人でのコーダともに、元のバレエの振り付けが生かされていて、華やかで見ごたえのある演目でした。

・タイスの瞑想曲
真央ちゃんと嶺くんの二人による至高の作品。エアリアルには曲芸的要素があるのは確かですが、ここでは完全に曲想に溶け込み、曲の世界観を十全に表現するための一要素になっていました。空中演技と滑るパートとの融合も実に自然ですし、お二人の技術及び胆力、見事です。
また助手として登場した渚紗ちゃんとタッカーくんは、まるで天使のような佇まいで完璧なサポートぶりでした。
他のアイスショーでのエアリアルは、どうしても「色物」に見えてしまって好きになれなかったもので、今回、正直少し危惧や不安があったのですが、どうしてどうして、ここまでの演技を披露してくれるとは!
お見それしました。

ウエスト・サイド・ストーリー
若手スケーター7名が「タイス…」の余韻でまだざわついている客席の空気を一変させます。客席通路も有効活用して、躍動感に満ちた元気なナンバーでした。「指パッチン!」や「マンボ!」にはオケの面々も参加されていたとか。楽しそう♪

・<タップ・メドレー>
ゲストのタップダンサー、HideboH
さんと真央ちゃんのコラボです。
オケピ沿いの通路、一階客席奥の通路、舞台左右の小さなスペース、更には氷上の「移動式お立ち台」と色んな場所で踊ってくれて、見切れが結構ある客席の誰をも取り残さない!という、真央ちゃんの強い意志を感じました。
トップ・ハット
往年のミュージカル映画、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの名コンビを彷彿させるチャーミングなナンバー。
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン

HideboHさんのソロ。生で観た時には3階A席だったので殆ど見えなかった職人技の足捌きを、配信では堪能することができました。
ロック・アラウンド・ザ・クロック
再びコラボ。お手伝いの4人の女の子たちを交えた踊りの振り付けがとてもお茶目で、大いに盛り上がりました。

・雨に唄えば
エルニとタッカー、エンターテイナー2人による、傘を使った軽やかな曲。フィギュア・ファンにとっては、カート・ブラウニングの名演の印象が強いナンバーですが、今回は「可愛い」路線に徹したのが大成功でした。

・キャバレー
ミュージカルでは退廃的なムードも濃い曲ですが、若手女性メンバー4人がキュートにコケティッシュに滑り独自の魅力が光るナンバーになりました。

・ゴッド・ファーザー 愛のテーマ
『キャバレー』の曲の終盤、舞台下手側のスペースにボス然としたヤマさんが悠然と現れ、革張りの椅子に足を組んでゆったりと腰かけます。そのまま次の『ゴッドファーザー 愛のテーマ』になだれ込み、貫禄充分にヤマさんが滑り出すという演出。さらに、去り際がまた憎いのです。

・キス・ザ・レイン
前の演目を受けての始まり方、真央ちゃんのスケーティング、終わり方……すべてが美しく、そして愛に溢れたナンバー。真央ちゃんの、亡きお母様に捧げる思いの深さよ。
涙なしには見られません。

・死の舞踏
若手メンバー、男性2人と女性5人の群舞。不穏でいて人を惹き付ける響きの音楽に真っ黒な衣装、暗い照明、複雑な動きを立体的に見せる振り付け、シャープなスケーティングが調和して、見応えのあるナンバーに仕上がっていました。真央ちゃんが絡まない演目の中で、これが一番好きです。

・エデンの東
嶺くんのソロナンバー。ご本人が希望した曲というだけあって、丁寧で情感のこもった演技でした。配信では権利の関係で曲が差し替えられ、残念!

ライブでは、ここでオケだけの曲『G線上のアリア』。美しい演奏でした。アーカイブ配信ではこの曲が『エデンの東』の演技に充てられました。

・<コンテンポラリー・ダンス・メドレー>
ゲストダンサーSeishiroさんと真央ちゃんのコラボです。氷上の一部に日舞の所作台ならぬダンスの為の台が設置され、一曲目はSeishiroさんと氷上の真央ちゃんとの組み合わせ、二曲目はSeishiroさんのソロ、三曲目は二人共台上でダンスという流れでした。
最初の『トッカータとフーガ』はバッハ効果もあってドラマチック。勝手な印象ですが、まるでシェイクスピアの書いたオセロとデズデモーナの葛藤の物語のように感じられました。
『ザナルカンドにて』では、Seishiroさんの身体能力の高さに、口あんぐりでした。柔軟性と体幹の強さが並外れています。
最後の『地球儀』では、お二人の動きに相性の良さを強く感じるとともに、ラストの意味を色々考えさせられました。

・アート・オン・アイス
音楽なしでHideboHさんが超絶技巧を遺憾なく発揮する独壇場 ⇒ オケが加わる ⇒ リンクにヤマさんが現れ、タップとフィギュアのコラボ! と展開します。
プルシェンコのイメージが強烈な曲にヤグディンステップ。振り付けの浅田舞ちゃんは、フィギュア・オタクのツボをよく心得ていらっしゃる♪

・ロミオとジュリエット
優くんロミオに、遥ちゃんジュリエット
。儚げで美しい「疾走する青春」がそこにありました。二人とも元々シングルスケーターだけに、練習では相当苦労した様子ですが、本番の舞台ではそんな裏事情は全く感じさせません。

・オブリヴィオン
真央ちゃんと嶺くんによるピアソラのタンゴその1。通称青タンゴ!?
品のよい色香を撒き散らす、大人なタンゴでした。

・リベルタンゴ
真央ちゃんと嶺くんによるピアソラのタンゴその2。通称赤タンゴ!?

情熱的でエネルギッシュ。運動量が凄いです。
タンゴ2曲での「元からアイスダンサーでしたか?」と思う程の滑りには、お二人の並々ならぬ努力と共に、振り付けのシブタニ兄妹が貢献したところ大、なのでしょうね。

・エル・フラメンコ
ゲストダンサーを含め、真央ちゃん以外の全員による華やかなフラメンコ。

冒頭、一人で滑るヤマさんが、イケ散らかしてます。その後は流れるようにフォーメーションが変化。センターポジションも次々に入れ替わり、見せ方が見事でした。

・ボレロ
さあクライマックスです。真央ちゃんの2曲目のソロは、コンパルソリーに始まり、ベスティスクワットイーグル、スパイラル、クリムキンイーグル、ツイズルなどの技が次々と繰り出され、最後は曲の盛り上がりと共にキレの鋭いウィンドミル。
久々に、真央ファンの言うところの『ライオン真央』を見た感じ。
そう、ラフマニノフの『鐘』『ピアノ協奏曲第2番』の際の只ならぬ気迫と重なります。何としても「これをやりとげる」との意思の強さも。
『ボレロ』をラストに演じると聞いた時、バレエのイメージからか、勝手に群舞が入るとばかり思っていましたが、彼女ならではの体力と意思でもって一人で演じ切りましたね。手が痛くなるほど拍手しました!!

・ローズ
夢のようなプレミアム・ステージもいよいよフィナーレ。昔から大好きな曲『ローズ』の調べにのせて、ひとりひとりご挨拶していく晴れやかな姿に、オバサンは感無量。
薔薇、そして「永遠の愛」がテーマのこのショーにうってつけの一曲です。一人一人違うデザインの衣装が素敵(エルニと真央ちゃんの衣装が、個人的に特にお気に入りだな)。

はあ、ここまでで既に超長文!
でも後もう少しだけ。
特筆しておきたいスケーターについて短評を記しておきます。

なんといっても、柴田嶺
あの『Beyond』も上回る大活躍に「殊勲賞」を差し上げたい。エアリアルといい、アイスダンス要素の強いペア演技(リフトのバリエーションの豊かさには驚きました)といい、精神的にも身体的にも大変な負担がかかっていたことでしょう。
力強さと優雅さと。どの演技も素晴らしかったです。

絶対外せない、田村岳斗
まさしく「奇跡の45歳」
ここまでの経過からしても、文句なく「真央チームの救世主&イケオジ賞」でしょう。

完全燃焼できた、中村優
ケガのため『Beyond』を不完全燃焼で終えることになった優くん。ご本人の千秋楽公演後のコメント通り、リベンジを果たしました。
「涼やかな二枚目若手スター賞」ですね。ドンキ、WSS、ロミジュリと3人の二枚目のニュアンスの違いをしっかり演じ分けていました。

スター性も実力も♪ 今井遥
サンクスツアー以来3本とも、真央ショーに関わってくれている遥ちゃん。
その実力と安定感と可憐さ、ほか諸々で、主宰の真央ちゃんにとって大きな安心材料になっていてくれたのではないかと思っています。
『最優秀助演スケーター賞』は彼女のものです!

そしてっ!!

「氷上の女神」兼「名プロデューサー」、浅田真央
幕開けの神々しい「白い貴婦人」から、大人可愛い「ピンクのロングドレスの淑女」、青と赤の「タンゴの女王」などを経て、『ボレロ』の凛々しい「ライオン真央」まで、見せてくれた変幻自在な姿はどれも「真央ちゃん」なんですよね。
スケーターとして深みを増していく表現に加えて果敢に攻めたエアリアル、タップ、コンテンポラリーへの挑戦、
総合振り付け、総合演出としての出演者全員への心配り
ショーの主宰として、裏方から表まで各方面を統括するプロデュース手腕
本当に凄い人です。
当然ながら「主演女優賞&監督賞」
「最高の瞬間」をどんどん更新していくあなたをこれからも応援します♪


「絶賛 エバラス・ロス」の最中ですが、唯一無二の素晴らしいステージに出会えた感激を拙いながら言葉にできて、一息ついています。

『エバラス』関係者の皆様
本当にありがとうございました & お疲れ様でした!

※フィギュアの競技は、エンタメ・芸術要素も強いスポーツ
 アイスショーは、スポーツ要素も強いエンタメ・芸術
 かな と思ってます。
 なのでこの記事も「スポーツ」と「エンタメ」両方の枠に入れています。




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