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しまね旅 その2 念願の足立美術館へ

しまね旅の二日目。ついに念願の足立美術館に足を踏み入れます!
興奮のためか、よく眠れなかったのですが、ホテル自慢の和朝食でしっかり腹ごしらえをし、JRで松江から安来へ。無料シャトルバスで美術館に向かいます。雨天ながらシャトルバスにもかなりの人が乗っていましたし、美術館の駐車場には複数の大型バスと沢山の乗用車。
9時開館のところ9時15分に入館しましたが、すでに大勢の来館者で賑わっていました。流石は日本でも有数の観光名所ですね。
足立美術館は、地元出身の実業家・足立全康氏が1970年、71歳の折に開館した私設の美術館です。国内は勿論海外の観光客にも大人気の、5万坪に及ぶ広大な日本庭園と、横山大観ら近代日本画の巨匠たちの名作や北大路魯山人の作品を中心とする膨大な足立コレクションとで知られています。
滞在時間3時間半でも、新館の現代日本画は急ぎ足で見る羽目になった程、館内は見どころ満載です。

美術館の詳しい情報はこちらの公式サイトでご覧いただけます。
https://www.adachi-museum.or.jp/

感想は、まず目玉である庭園について。
入館時は雨が降っていましたが次第に止み、一時的には日も射して、庭園の見事さを際立たせていました。
「枯山水庭」「白砂青松庭」「苔庭」「池庭」と、いくつもに分かれた庭園の石や木は、創設者自らが、全国を歩いて探してきたのだそう。周囲の山々の借景も含め、計算し尽くされた造形美が、順路を進むにつれ次から次へと展開するのには目を瞠るばかり。
喫茶室「翠」からは、室内のシャンデリア、カーペット、ソファ、そして窓の外の庭園と、重層的な美しさを楽しめましたし、茶室の「寿楽庵」では、双幅の「生の掛軸」を眺めつつ、純金の茶釜で沸かしたお湯で点てたお抹茶を味わうことが出来ました。
庭園は写真撮影OKでしたので、入館された方、皆さん夢中でパシャパシャ。私も「生で見て、目に焼き付けておかなきゃ」と思いつつ、やっぱりカメラに手が伸びるのでした。何枚か載せておきましょう。

立体的な造形美
苔や砂の上の落ち葉もアート
灯篭や小さな塔が所々にあります
茶室の「生の掛け軸」
ひときわ鮮やかな紅葉


続いて、館内の美術品について。こちらは勿論撮影不可です。
お庭を見る合間に、螺鈿や蒔絵などの工芸品のコーナー、林義雄らの童画コーナーがあり、さしづめウォームアップというところ(美術品に対して失礼な言い草でスミマセン)。
庭園を一通り見終えたところで、私のお目当て、秋季特別展「没後80年 竹内栖鳳」の会場に入ります。
雀達の賑やかな鳴き声が聞こえてきそうな「野雀弄梟図」、爽やかで繊細な画風が活きている「四季花鳥図」(特に春と夏)、犬達が愛らしい「爐邊」の3点に、特に目を惹かれました。動物の絵にせよ、自然の絵にせよ、筆致の温かさが好きなポイントかなと思います。併せて展示されていた京都画壇の画家たちの作品では、やはり元から好きな作家である上村松園「牡丹雪」と伊藤小坡「一聲」に描かれた大和撫子の美しさをじっくり楽しみました。
横山大観記念室では、毎年秋季に登場するらしい大作屛風「紅葉」の絢爛さがやはり圧巻。その他構図の工夫が面白い「白梅」と、水墨を使った富士図「龍躍る」の幻想的な雰囲気が印象的でした。大観の「富士を描くということは、つまり己を描くことである」という名言も紹介されていました。
魯山人館では、書や篆刻を始め、陶芸、漆芸、絵画etc.…守備範囲の広さに、彼の多才ぶりを改めて再認識。彼が志向した「美醜不二、善悪不二」という言葉が何となく気になります。
最後は、帰りのバスの時間を気にしつつ急いで新館へ。「水のある風景」、「祈りの美」というテーマに沿って、2フロアにわたって現代日本画が展示されていました。どちらも好みのテーマだったので、ゆっくり見たかったなと残念です。現代美術の中で、洋画はあまり好みではないのですが、日本画は好きだということに気付きました。後藤純男の、斑鳩を描いた大作などが
良かったです。

ショップで、手軽に買える足立美術館ガイドブック(正式な図録は庭園編と美術品編に分かれていて、しかもいいお値段)を見つけ、いい記念になると喜んで購入しました。
数年来、行く機会を待ち望んでいた足立美術館を満喫しました!

後は、バスや電車を乗り継いで松江駅、そして出雲空港へ。家族へのお土産のお菓子類や夕食のお弁当もゲットして、搭乗を待ちます。悪天候のため、離陸時、着陸時共に結構揺れて到着時間も遅れましたが、無事に帰れてほっとしました。
子どものときに先生に言われた通り、「家に着くまでが遠足」ですからね!
いい旅になりました(^^♪


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