見出し画像

抒情と荘厳。「京都・智積院の名宝」と朗読劇の金字塔「ラヴ・レターズ」

東京のサントリー美術館で今月22日まで開催中の「京都・智積院の名宝」展を鑑賞してきました。

・長谷川等伯による「楓図」の、狩野派風の豪壮さと琳派風の情緒
・等伯の息子、久蔵による「桜図」の華やかさとデザイン性
をはじめ、金碧障壁画の精華と言うべき、長谷川等伯一派の手になる作品群が勿論目玉ですが、それらは、かつて二度智積院を訪れた際に拝見していたので、今回の展覧会での私のお目当ては別にありました。
BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」で取り上げられていたもので、人物の描き分けが生き生きとしていて見事な「十六羅漢図屏風」(長谷川等伯晩年の作)と優美で繊細な「蓮舟観音図」(五代将軍徳川綱吉の作)です。
他には、現役で仏事に使われているという、意外と大きな「根来塗舎利塔」のまとうオーラが殊の外印象に残りました。

チラシなどに謳われている「抒情と荘厳。」、二つの要素を兼ね備えた智積院ならではの世界を、じっくりと楽しめます。この春に新しい展示収蔵庫がオープンするその前という絶好の機会を捉えた、豪華ラインナップの展示でした。

京都・智積院の名宝

京都は本当に名所だらけですよね!
何度も行っているのに、今後訪ねたい場所が沢山あります。奥が深いなあ…


展覧会の後、乃木坂から渋谷へ移動して向かったのはパルコ劇場。
1990年に日本初演、朗読劇ブームの先駆けとして、様々な男女の組み合わせで上演が続けられてきた作品「ラヴ・レターズ」の2023New Year Specialの初日を観ました。

ラヴ・レターズ2023New Year Special


「抒情と荘厳」のキャッチフレーズは、幼馴染の男女の50年にわたる手紙のやりとり、そこに流れる稀有な友愛を描くこの作品にも使えそうですね。

出演は山中崇と小林聡美。
お二人とも流石の巧さだったのですが、意外だったのは、笑いがほとんど起きなかったこと。
これまで6組程のカップルによる「ラヴ・レターズ」を、その違いも含めて楽しんできて、いずれの組み合わせでも、ところどころで笑いが起きていた記憶があるのですが、今回は終始シリアスな空気でした。ちょっとした間やテンポの問題でしょうか。
笑いも少しあった方が、哀切な終盤が際立つように思います。その意味で、今回はちょっと残念さが否めません。でも最後に腕を組んで退場するお二人の、ふとほぐれた雰囲気はなかなか良かったです。本の下読み、リハーサルを確か一回しかしないという故・青井陽治さんの演出法は、今も受け継がれているのでしょうね。
何はともあれ、朗読するカップルごとに違った味わいを醸し出す素敵な作品です。上演が続く限り、これからも色んな組み合わせで観ていきたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?