歯の矯正を受けるために歯医者に行ってきた話
私は22歳、身長163㎝の男だ。顔はだいたい中の中から上ぐらいかなと思っている。最近マッチングアプリを始めたのだが、まあマッチしない。
プロフィールもしっかりしたし、いいねも送っているが身長のせいかもしれない。
身長は、骨延長手術とかいう変なのがあるが、あんなんやるのは嫌だし、自分の身長は小さくて便利なので手放したくない。
体は、ひょろいがよく見ると細マッチョなので鍛える必要もないと思っている。
この条件の中で治せる部位といったら顔だ。顔の中で、コンプレックスに思っていたのは、横顔と歯並びと鼻だ。
鼻はマッサージを怠らなければシュッとするが、歯並びは、前歯が他の歯より少し出ていて、出っ歯になっている。そのせいで口ゴボになっているというわけだ。
歯並びのことは今まで直そうとも思っていなかったが、マッチングアプリでマッチしないのをきっかけによし!歯列矯正しよう!と思いすぐ最寄り駅近くの歯医者に向かった。
歯医者内はきれいな雰囲気で、受付の方が問診票や希望のプランの紙を私に送ってきた。私は、ネットでいろいろ比較し、キレイラインという部分矯正をしようと思った。キレイラインは比較的安くすむ。だいたい19.2万円くらいだ。私は、大学生なのでローンを組んでコツコツ払っていけば19万なら楽勝だろうと思っていた。
問診表等を提出し、しばらくたつと奥からモデルのようなきれいなお姉さんが現れた。もうザ・清楚で高身長だ。およそ165‐170cmくらいあったように思える。この人に口を見られるわけないよなあと思い、案内された部屋に入ると診察椅子がありこちらに座ってくださいと言われた。
いろいろ希望を言った後彼女が歯を見ていきますといって機械を取り出した。
私は、もう彼女のされるがまま。とても恥ずかしかった。こーんなきれいなお姉さんに口の中を見られて、太い機械を口に入れられている。
その屈辱タイムが終わると次にレントゲンを撮ると言われた。別室に案内され、指示従いレントゲン室に入り、周りにカメラがある怪しい中央の椅子に座らされた。
その後お姉さんに「防護エプロンつけます」と言われ、お姉さんが正面から私の後ろに手を回す。美しい顔や胸が近付いてきてきゅんとした。まじでどきどきした。冷静なフリをしていたが、もう興奮止まらなかった。顔がこんなにきれいなのに、彼女の制服はところどころ糸がほつれており、この美人の人間味を感じて余計萌えた。
レントゲンが終わるといよいよ結果発表だ。
もとの部屋に戻り、スクリーンに私の歯の3Dモデルが表示される。
・・・なんとひどい。。。
前歯はガタガタ、上の奥歯から前歯にかけて下の歯と半分ずつくらいずれているような最悪のかみ合わせだ。
美女の口からは、キレイラインでは修復不可という事実と、インビザラインという68万円のサービスを紹介された。
もう私は、なんだか笑いのツボに入ってしまった。こんな美女の前でこんな歯を見せびらかせてしまって、19万円のプランでとか言ったのに68万円のプランを用意されてしまって、、、、
こんなおもろいことあるかというぐらいツボってしまった笑笑笑笑
これにツボっているとお姉さんの説明声が少し笑いを我慢した声になっている。
それも相まってとうとう私は、ふきだしてしまった。
お姉さんに事情を説明するとお姉さんも笑ってくれた。
私の悪い歯をみて、お姉さんとツボってしまった。
お姉さんの笑顔をひきだしたこの歯には感謝だ笑
社会人になって金を貯めてまた出直してきますとお姉さんに告げて私は歯医者を去った。