インドETFのINDA:TCSとインフォシスの決算

インドの世界的なシステムインテグレータであるタタコンサルタンシー・サービシズとインフォシスの決算が公開された。
売上高について、両社とも昨年同期比で2桁増を維持したが、TCSは19%増、一方のインフォシスは10%の伸びにとどまった。ただし、Infosysはドル建ての決算値を採用しているため、ドル高の影響を除外すれば同様の成長率である。
収益性に関しても、TCS、Infosysともに前の期比で同水準の粗利益率、営業利益率を維持していることから、拡大する人件費を価格転嫁しながら、売上を拡大してきたことを示している。

TCSの四半期ごとの売上高、粗利および営業利益率


Infosysの四半期ごとの売上高、粗利および営業利益率

さて、両社に対する市場評価としては未だ割高である。以下の通りコロナ禍からの回復局面であった2021年に比べるとバリュエーションは切り下がっているものの、コロナ前と比較すればまだ3割程度割高の水準である。なお、ここでは1ドルへの株式権利に対して何ドルで市場取引されているかを示すPBRを採用した。
中国株が米中対立や習近平政権のコロナ政策を受けて下げトレンドにある中で、インド株は退避したマネーの受け皿となっている。インフォシス、TCSともにグローバルに競争力を持つ企業であり、マネーが向かう代表格といってよいだろう。
以上をまとめると、未だ強いデジタル化の需要をとらえて堅調な業績を維持するインフォシス、TCSにはインドの地政学的な要因も踏まえたマネーが向かっているため、割安の水準ではないということになる。

インフォシス、TCSのPBR

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