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この国の縮図 障害者グループホーム 1


馴染みのある人も無い人もいるとは思いますが僕の嫁さんの弟は現在障害者グループホームに入っている。

弟のK君は10年ほど前から精神疾患(統合失調症)を患い、仕事にも行けなくなり生活も荒んでました。

当時は両親と一緒に実家住まいで酒、タバコ、寝たいだけ寝て食べたい時に食べたいだけ食べる生活、経済的にも周りの助けをかりながら闘病状態になっていきました。

そんな生活はもちろん長続きする事もなく身体に異変が起きはじめ、肝臓の不調などで酒、タバコを辞めました。

精神病には波があり酷いと幻聴に悩まされたり、衝動買いなどの癖もあり、周りの人達も振り回されていきます。

40歳になるK君の未来を考えた時に健在の両親は先に天に召され1人で生きていく事になるのは容易に想像出来ます。

そうなると最低限の収入で生活が出来る準備や基盤、コミュニティを構築する必要があると考え、家族で話し合い自治体に生活保護の申請をしグループホームへの入居を考えました。

試行錯誤を繰り返し、環境面や生活スタイルや費用なども考慮し隣町にあるグループホームに入居を決めたのは今から2年前。

ようやく新しい一歩を踏み出す事に家族は希望と不安、全員でフォローをする事を心に決め送り出しました。

隣町のグループホームは一軒家に5人の利用者が共同生活を送るスタイルで利用者には1人1部屋を与え管理者と世話人が食事の提供や相談、K君が苦手なお金の管理もして貰える、環境としても問題無いと感じていました。

周りの方々の協力もあり、自立や病気、自分自身と向き合う事への旅が隣町のグループホームにてはじまりました。

環境が変わる事は少なからずストレスがかかります、更には親元も離れ苦手な協調性を必要とする共同生活。

家族の僕らも手を貸すだけでなく敢えて出さない事や判断する事も促しながらフォローの連続です。

ただ、今までと違うのは希望があるという事。

どっちに転ぶか分からないが結果だけではなく何事も経過、つまりは過程の経験値が必要だと僕は考えてました。

K君自身も家族に促されての事だったけど行動した事、環境を変えた事に変わりはありません。

しかし、グループホームに抱いていた少しの希望は少しの期間で打ち砕かれるのでした。

続く



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