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「個人事業のはじめ方」をアーティスト向けに咀嚼してみる【概要ビジネス編】

こんにちは。先日「個人事業のはじめ方」という大槻貴志さん著の本を読みました。非常に素晴らしい内容だったなと個人的に感じたので、音楽家がビジネスマンに振り切りすぎるのも難しいとは思いますが、音楽アーティストならどのように活かすだろうということを念頭に読み砕いていきたいと思います。


【お金よりも心との戦い】

まず、心との戦い。というところがありました。起業は大変ですが、資本金以上の融資をかりるケースも少なく始めは自己破産するようなこともない、との記載から、それよりも心との戦いである、と記載されていました。
結局メンタリティをどのようにして保つのか、強くしていくのかというのは、大切なのだと改めて思います。

【必要なスキルは】

本書では、事業において必要なスキルを7つあげられていました。アーティストがあまりにビジネスマンっぽいのも嫌ですが笑、しかしどれも侮れないものだと感じました。
パーソナルブランディング、営業力、企画力、マネジメント力、リーダーシップ、資金調達力、不屈の精神。別目次で細かくまとめています。

【逆算の必要性】

年1000万をどのように稼ぐのか逆算することが大事だとあります。
なぜ売上金額が1000万なのかというと、そのくらい稼ぐことができて、他の人を雇うこともできてくる、体調不良によって左右されにくくなる、などの理由をあげられていました。

仮に音楽アーティストの場合はどのようにすれば、個人で売上1000万円を達成することができるのでしょうか。

ケース1(月間90万)
・サブスク再生月間 50万円(100万再生、0.5円計算)(例)
・グッズ売上月間 10万
・YouTube動画広告収入月間 10万(100万再生、0.1円計算)
・ファンクラブ売上月間 10万(2000円✖️50人)
・ライブ売上月間 10万(4000円✖️25人)

ケース2(月間99万)
・楽曲プロデュース売上月間 40万(10万✖️4案件)
・サブスク再生月間 20万
・ライブサポート参加料月間 5万
・YouTube動画広告収入月間 4万
・企画イベント収益 10万
・個人での指導や後進育成 20万

などでしょうか。かなり大変そうですが、技術の進歩などによっても、さまざまなスタイルなどがあると思いますので色々と考えていかないといけない部分でもありますよね、、大変すぎ。

アーティストを複数運営したり、いろいろな人とコラボしたり、出せるものは出していったり、、でしょうか。

【パーソナルブランディング】

①相手に自分らしさを伝えられるか

らしさが大切とあります。その人ならでは、個性がやはり必要になるのは間違いなさそうです。下記を中心に徹底的な自己分析とアウトプットも大切だそう。

②CARSの法則

・自分がこの社会をどのように変えたいのかという具体的なイメージ(Change)

→願望や理想論ではなく、今ここで起きていることについてイメージすることが大切とあります。
例えば、今のロックシーンにこういった新しいニュアンスを持たせたい、や、病気に苦しむ人の苦しみを少しでも和らげていきたい、国民の政治に対する意識を変えたい、などでしょうか、、
もっと目の前の、母親を笑顔にしたい、なども素敵かもしれません。

・自分が変革に対して持っている能力(Ability)

→マインド:物事の考え方、信念、価値観
→スキル:知識、ノウハウ、技術
→所有資源:資産、人脈

音楽家として必要なスキルは数知れず、以上の項目を着実に磨いていかないといけないのは、明確かも知れません。資産は流石に個人音楽家ではなかなか難しいそうですが、、

・どのような役割、立場で関わりたいか(Role)

→パフォーマーなのか、作詞家なのか、編曲家なのか、プロデューサーなのか

立場や役割を明確に決めておけば、迷走することも少なくすみそうです。

・どのような経緯で社会を変えたいと思い、能力を獲得したいのか(Story)

→過去のストーリーや、今の行動裏付ける動機を再確認する

動機を再確認して、モチベーションを失わないようにしたいですね。

③ブランド力の差は、営業力の差

個人事業で稼ぐには、どうしてもブランド力は必要であるという真実は変わらないようです。アーティスト性、音楽性、とも言えそうなブランド力、らしさ、磨いていかねばいけません。。。!

【誰と繋がりたいか】

実際に顧客、ターゲットに会ってみるということも記載されていました。異業種交流、業種の交流、イベント、いろいろなものに参加して人を知ること。とっても大切ではないでしょうか。
音楽ではなかなか難しい側面もあるかも知れませんが、困っていることを解決する、というスタンスも事業を行うという観点では、必須とあります。

【ネットは仮説と検証の繰り返し】

ABテストは大事、オンラインメディアでの集客は時間がかかることを覚えておく事、1年、2年は当たり前。とありました。地道にコツコツと続けられている方が、結果も掴んでいくということを信じることから始めていきたいですよね。

【下請け、業務提携】

初期の仕事の取り方などについてです。
特定の誰かから案件を受注して行う下請けと、業務提携があげられていました。下請けに関しては、講師、オケ制作、楽曲提供などが考えられるのではないでしょうか。

業務提携の方は、アーティスト目線で考えると、コラボレーション、コーライティングなどが考えられそうです。アライアンスの際のポイントは、すでにある程度ファンがいる人と組めるかどうか。自分よりも上の人間かどうか。だそう。正直少し嫌な感じがしますね。どこまでビジネス要素含むのかというのは考えものですが、しかし確かにそういった側面もありそうです。

コラボレーションを積極的に行うのはいい方法なのは間違いなさそうですね。

【身につけておいた方がいいスキル】

・営業力
クロージングする力。何か提案をして、相手にハンコを押させる力ともいえます。
営業力がある人ほど生き残る率が高い。しかしそんなすぐに身につくようなものでもない。プレゼンなどに力を入れれば、と本書にあります。
少し違うかもしれません、、、

・企画力
自分のやりたいことに相手を巻き込む力、と本書では解説されていました。誰かをご飯に誘って一緒に食べに行く、というのも企画力の一つだそうです。向上させるには、改善策を常に探すという方法があるようです。

・マネジメント力
スケジュールや金銭の管理などですね。過去に記事を書いたものもあるので、僕自身再度読みながら参考にしたいと思います。

【知っておきたい3つの知識】

・経営基礎知識
経営に求められる知識は本当に幅広く、大企業には大企業の、小企業には小企業の方法があり、大は小を兼ねる、ということはないようです。とはいっても、会計などを学ぶよりは、泥臭い方が重要だと述べられています。
よって個人事業では、最低限のお金の知識があれば充分だそう。安心。笑
可能であれば何かの入門書などを読んでおきましょう、とは記載されていました。

・マーケティング基礎知識
営業力と同時に、マーケティングに関する知識も必須とあります。口コミだけで売れれば楽ですが、そんな甘くはないですともあります。本当にそう。笑
音楽アーティストが自分でできることは日々僕も模索しており、別マガジンにもまとめてありますのでぜひご覧ください。

・IT基礎知識
今の時代は必ずITに関する知識は必要とあります。僕自身それは本当に思います。ディストリビューターへの登録の仕方はもちろんですが、SNSの使い方なども当たり前に必要ですよね。
ニッチなところで行くと、音楽NFTの販売の仕方、ShopifyとSpotifyの連携の仕方、なども必要になってきていると思います。もちろん、DAWでの制作知識などもあればあるだけいいのではないでしょうか。

・イベントを主催できるか
さまざまなスキルを総合的に用いる必要があるのがイベントの企画と実行だそうです。確かにそうかもしれません。
イベントを1から組み立てた経験は僕にはないので、そのうち何かやってみようと心に決めました。

【最後に:やっぱりメンタル大事、侮れない自己分析】

最後にマインドなどをあげられていたので、まとめてみました。

とにかく自分を知って顧客を見つけ、ニーズを確認し、テストしていく。めげない。他責ではなく自責、自分のペースで。撤退も勇気のある行動。人間性が大事、人脈作りをしよう。

刺さる内容でした。もし興味あればぜひ読んでみてくださいね。


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