ボトム・アップかトップ・ダウンか
ボトム・アップ
授業でボトム・アップについて教えるのは難しい。
理論を教えるのは出来るが、実際にそれを学生にやらせるとなると、どれだけ時間がかかるのか。
ある程度制御して、時間制限をつければいいのかも知れないが、中途半端な状態で終わることは目に見えている。
そんな中途半端なものは真のボトム・アップではないだろう。
専攻科の学生にピラミッド・ストラクチャーを作らせたことが何回かあるが、上手く行ったことがない。何回かやって、無理だと判断し、ロジック・ツリーだけにしたのだった。
まったくゼロの状態から書かせるというのは、結局、トップ・ダウンの途中までを各自でやらせることと同じになる場合になる。
「発想を自由に!」と言うのはやさしいが、自由な発想をパラグラフにし、文章にするのは難しい。
できる者はそれでもいいのかもしれないが、誰でも文章を書けるようにするには、ボトム・アップは向いていないのである。
トップ・ダウン
トップ・ダウンが教えやすいのは、パラグラフの構造に沿っているからである。
最初にトピック・センテンスを置き、その下にサポーティング・センテンスを書いていく、というのは、トップ・ダウンと相性がいい。
逆に言うと、パラグラフの構造を理解させた後ならば、トップ・ダウンで文章を書かせるのがいい、ということである。
トピック・センテンスを作るのも、課題からトップ・ダウンしていくと考えればよい。
つまり、課題に対する回答をトピック・センテンスにするのである。
課題からのトップ・ダウンがうまく行けば、トピック・センテンスのつながりを考えたパラグラフ構成が出来るようになる。
トピック・センテンスができれば、トピック・センテンスの中にあるキーワードに対して説明を付け加えていけば、サポーティング・センテンスを作ることが出来る。
つまり、キーワードについての質問に回答していけばいいのである。
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