読者を意識させる:課題例(就職作文)
自問自答形式によるパラグラフ・ライティング
『読者』を意識させるには、就職試験の作文を課題にするのが最も効果的です。
書き方はパラグラフ・ライティングを元にします。パラグラフの先頭にトピック・センテンスを置き、それをサポートするサポーティング・センテンスを書いていくというものです。
自問自答形式とは、面接の時に質問されることに対して答えていくというやり方です。こうすれば、聞き手である『読者』を意識していくことになります。
面接試験の要領で自分に質問し、自分で答えていきます。その答えがトピック・センテンスになります。その答えに対して、『もっと詳しく』『もっと具体的に』とさらに質問します。その答えがサポーティング・センテンスになります。
課題「自分の弱点とそれをどうなおすか」800字
[質問]
課題に沿って、おおまかな質問を箇条書きで並べます。800字の作文を書くためには、4問以上の質問が必要です。4つから5つのパラグラフで書くためです。
質問ですから、主語と述語のある文で書いておきます。
・あなたの弱点は何ですか。
・どうやって弱点をなおそうと思いますか。
・その弱点の原因は何だと思いますか。
・弱点を克服するために何か試みたことがありますか。
・弱点で困ったことはありますか。
質問する順番を考えることで、構成ができていきます。順番を修正したら、質問をさらに詳しく、具体的にします。
[質問+補足質問]
1.あなたの弱点は何ですか。
・弱点について詳しく説明してください。
・弱点があることで、どんなことで困りましたか。
・苦労したことがあれば詳しく教えてください。
2.その弱点の原因は何だと思いますか。
・原因を自己分析してみてください。
3.弱点を克服するために何か試みたことがありますか。
・どういう工夫をしましたか。
・弱点はどの程度なおりましたか。
4.最終的にどのように弱点をなおそうと思いますか。
・新たな方法を具体的に述べてください。
番号のついた大きな質問に対する「答え」が、各パラグラフのトピック・センテンスになります。作文では「質問」部分は省略し、「答え」のみを書きます。自問自答をそのまま書くと冗長になりすぎるからです。
次に、トピック・センテンスを空欄補充の形にし、アウトラインを作ります。
[トピック・センテンスによるアウトライン]
1.私の弱点は[ A ]である。
2.弱点の原因は私が[ B ]だからである。
(私は弱点によって[ C ]という苦労をした。)
3.弱点を克服するために[ D ]を試みたことがある。
4.私は[ A ]という弱点を[ E ]でなおしていこうと思う。
[サポーティング・センテンス]
「トピック・センテンスによるアウトライン」が一通りできたら、サポーティング・センテンスを作っていきます。サポーティング・センテンスはトピック・センテンスの中のキーワードをサポートする文です。上記の例で言うと、[ A ]から[ E ]の空欄に入る語句がキーワードになる筈です。「弱点」や「原因」、「克服」、「試行」をキーワードにすると、文章が展開せず、堂々巡りのようになり、単なる繰り返しになってしまうので注意しましょう。
空欄補充型でキーワードがうまく抽出できない時には、その前の段階の[補足質問]に対する「答え」がサポーティング・センテンスになると考えてもいいです。[補足質問]に答えていけば、きちんとトピック・センテンスがサポートできると思います。
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