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たぬき

丸い身体と短い手足でコロコロと走る子犬らしき動物が目の前の道を渡って行った。
犬にしては滑稽な感じがして立ち止まったら、神社の鳥居の斜め前で彼も止まってこちらを振り返った。
たぬきだ、
しばらく目が合った。
少しの間じっと「なんだよ」という顔でこっちを見ていたが、くるりと向きを変えて、また丸い体を振りながら走り去っていった。

平成たぬき合戦ぽんぽこの「どっこい生きている」という言葉を思い出した。

それにしても、「なんだよ」とはなんだよ。
こっちも「なんだよ」と言ってやればよかった。

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