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目標を達成する能力が高いことの弊害~ギフテッド~

最近、「実行機能」という概念に触れることが増えてきました。実行機能というのは、「目標を達成していくための心理的機能」と僕は捉えていますが、要するにもの凄くふわっとした概念であり、何が「目標を達成すること」に影響する機能なのか今盛んに研究されています。本記事ではギフテッドが学校や職場などで浮いてしまうのは実行機能が高すぎるからではないか?という仮説を述べたいと思います。


実行機能に大きな影響を与えるのはワーキングメモリ

実行機能はワーキングメモリの高さと
相関があると言われています

ワーキングメモリとは
頭の中で同時に複数の事柄を処理する能力です

実行機能の一つとして
「自制心」が挙げられます

ワーキングメモリの高さと
自制心が相関する理由を
たとえ話で説明すると

目の前にケーキがあるシーンを思い浮かべてください

ワーキングメモリが低いと
「おいしそう!食べたい!」と
一つの思考(欲望)に囚われます

ですがワーキングメモリが高いと
「食べたら太るし 健康に悪い」
という思考頭に浮かんできます

これが「自制心」とワーキングメモリが
相関性がある理由です

また実行機能の一つとして
周囲と協働する力もありますが

ワーキングメモリが高さは
主観に縛られずに
相手の立場を想像する能力とも相関があり
周囲に配慮することができるため
協働する力にも影響があります

また
主観に縛られにくいということは
状況を俯瞰的に見る能力とも
相関があるということであり

結果的に
目標を実現するために必要な手順を
状況を俯瞰しながら自ら導き出すことができ

それを持ち前の高い自制心で実現してくことができます

ですが

高すぎる実行機能が仇になる

ことがあるように思います

実行機能が周囲と比べて高すぎると
学校や社会で強制されるルール・慣例が
目標すなわち自身の成長・成果を出すことに
必ずしも寄与しないことに気付いてしまいます

より高い成果を出すために行動しようとすると
周囲との協調を乱すため浮いてしまうのです

たとえば野球チームで
みんながチームの勝利のために
必死に練習している中で

「体を休めるのもトレーニングの内」
と言って練習を休んだり

反射神経・視力のトレーニングなどと
一見野球とは関係のない練習を始めると
周囲から理解されなくなりますよね

チームの勝利のために一生懸命なのに
「あいつ何やってるの?」と
冷たい目で見られることに、、、

ギフテッドが周囲から浮いてしまうのは
実行機能が高すぎる場合があると思うのです

 photo by Chris Chow

その一方で

一見無駄に思えることが大事な時もある

のです

僕が最近体験したことを例に挙げると

僕は今年度から
会社の機器管理の業務をしています
利用者情報をデータベースから取得して
機器の台帳に自動反映するようにしようとしましたが

先輩からそれでは良くないと言われました

利用者情報が自動的に台帳に反映されてしまうと
(利用者が退職するなどして)
データベースから情報が消えた場合に
台帳から情報が自動的に消えてしまう

そうなると機器が所在不明になった時に
問い合わせ先が分からない
なんてことが発生する

先輩より

台帳が自動更新されるのは
一見いいことのように思えたのですが

利用者情報が消えて
追跡不可能になる場合があると
想像できていなかったのです

一見非合理的・無駄に見えることも
何かしら意味がある時があるのです

自分の視点が足りていない前提で
周囲の人に話を聞いてみると
新たな視点が得られる時もありますから

目標達成に一心不乱にならず一歩引いてみる

ことも大事です

実行機能が高いことは
本来はいいことなのですが

目標達成への手順を最短ルートで辿ろうとして
周囲から浮いてしまうことがあるという
のは非常にもったいないです

一歩引いて様子を見るようにすると
実行機能の高さを活かしやすくなると思いますよ

ここまでお読み下さり
ありがとうございました
ではまた!

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