【小説】11月、落ちる紅葉を受容する【後編】
「すごい! きれいだね!」
家に着いて一息ついてから娘に紅葉の写真を送ったら、意外にもすぐに返事が返ってきた。今日は仕事が早く終わったらしい。
「でしょう。あなたと一緒に行きたかったわ。」
「仕事だから行けないよ~。」
「そうよね。いつか行きたいわ。」
「ね! いつ行けるかなー。私が定年退職してからかなー笑」
娘のメッセージを見て、幸子は一抹の寂しさを感じた。
自分は紅葉をあと何回見られるのだろうか、と思ったからだ。
人生には必ず終わりが訪れる。その終わり