はじまりの墓

愛されるより愛したいなんて
愛も知らない
奴が誰かを愛せるというの

家族には見透かされ愛想つかれ
適当返事
学校、会社、友人関係
不満や苛立ちぶつけりゃ
返ってくると
誰も教えてはくれなかった

小さい頃から1人でいて
親も一緒いること
嫌がり分かってたよ
空気を読むのは人一番好きだった

歩いては無断で逃げた祖父母の家へ
独りで遊ぶのにも慣れ
何も感じなくなった


与えられてないと思ってた
愛されてないと
いってしまった祖父母にも
あわせることもできずに
墓と向き合う
感謝の言葉とともに
色々連れて行ってくれたね
わがままきいてくれたね
何でも好きなもの嫌な顔一つせずに買ってくれた
初めてケンカしたのも祖父
怒られたのも
強がりも…

愛がなんなんだと感じはじめた
愛されるようになってから
何が好きなんだ
誰が好きなんだ
どこが好きなんだ
問いかけてみたけど
そのままの君が好きと
生まれて全肯定
気付いた時には抱きしめていた
理性が飛ぶ程
とまらなくなるほど
愛してた

毎回の答えにはなってなくて
そのうち足らなくなって
しつこくなって
知りたくなって
理解できなくなって
変わってしまった愛

そのままでいたつもりでも
わがままになって
つもりにつもってサヨウナラ
初めから
そこんとこ詳しく説明
理屈じゃなくて
なんて
曖昧な回答で
身体で求める
やめてくれよ

幸せを考えなくなったら終わり
好きのその先へ
好きだからなんて屁理屈は聞き飽きたよ

愛されるより愛したい
愛なんて好きよりも
ずっと深いから
今はまだずっと深い好きのまま
好きでいたい

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