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街とその不確かな壁

アンテナを張っていない自分には
いささか突然過ぎたニュース

村上春樹の新刊が出る!

何のご褒美だろうと思うような高揚感を
久々に味わった

読み始めてからの既視感
世界の終わりとハードボイルドワンダーランド
との関係性…

この本を味わうには
うる覚えの先作品を読み返した方がいいのだろうか?
悩みながらの160ページ

から
突然の数行で世界が変化していき
不思議な感覚にハマっていく

気づけば違う世界に入り込み
耳を傾ける

子易さんと海辺のカフカのナカタさんの言葉遣いが似ているように感じて、気になってしまったのが少し残念

一度読んだだけでは奥まで入り込めなかったけれど、今の自分には他にもっと大切な事があり
数年前に溺れるほど村上作品を繰り返し読んで浸っていた頃とは変化した自分として向き合う事となった

ここだ!!
となれば
イエローサブマリンの少年のように
揺らがぬ心で
自分の居場所を求めたい

少年の歳で
そこまでの想い
自分が生きやすいところへ
自分が役に立てるところへ
全てを置いて自らの求めるところへと向かった

全く違う街に思えても
それらを分ける壁は不確かなのだ

強い気持ちがあれば
門は開く

一角獣の描写が好き
でも私はあの街には生きられそうにない

なにかに極限まで抑え込まれた街
夢読みに読んでもらわなければ
人々が心の奥底に持っていた夢は
行き場がなかったのか

主人公は少年に助けられたのかな

こうしていろいろ考えてると
メタファー
という言葉の意味に
突然合点がいった!

この物語は
ほとんどがメタファーなのではないか?

時計の針のない街
針のない時計をしている子易さん

もうしばらくいいやと思っていたのに
また読み返したくなってきた!!

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