由来を知れば面白くなる/思っていたよりもずっと身近な存在だった古代神話
半年ほど前から、古代ギリシアやメソポタミア文明といった古代文明の神話の面白さの虜になっている。これまでに読んだ本をリストアップすると次の通り。
ホメロス著・松平千秋訳/イリアス(上・下)(岩波文庫)
ホメロス著・松平千秋訳/オデュッセイア(上・下)(岩波文庫)
アポロドーロス著・高津春繁訳/ギリシア神話(岩波文庫)
ヘシオドス著・廣川洋一訳/神統記(岩波文庫)
矢島文夫著/ギルガメッシュ叙事詩【付】イシュタルの冥界下り(ちくま学芸文庫)
矢島文夫著/メソポタミアの神話(ちくま学芸文庫)
杉勇、尾崎亨訳/シュメール神話集成(ちくま学芸文庫)
古代の神話を読んでいて一番面白いのは、自分の知的好奇心を満たしてくれること。「あれもこれも由来はギリシア神話!」と気付く瞬間はとてもエキサイティングな体験だ。シュメール神話の場合は考古学の謎解き的な楽しさも大きいと思うが、どちらも自分の知識が頭の中で有機的に結びつく瞬間に興奮する、という点では同じだと思っている。
各種創作物の登場人物やアキレス社の「瞬足」、NIKEの社名、コンピューターウイルスとしてのトロイの木馬など、ギリシア神話を由来とするものは本当に多い。これら1つひとつの由来となったエピソードを知り、遠い歴史の話であった古代ギリシアが自分の生きている現代社会と地続きの点であったと実感を持って理解していく過程が本当に楽しいし、読んで良かったと感じている。
古代神話の面白さについて考え初めたころ、その面白さをギリシア神話世界の独自性やホメロスの優れている点から探そうとしたが、これという納得いく答えがどうしても見つけられなかった。いまでは定番となっている「神秘の世界で英雄が活躍する」という世界観は確かに面白いのだが、現代日本に生きる者としてそれだけでは「ここが凄い」とは思えない。
とはいえ、今日に至るまでたくさんの人々が神話を面白がり、それぞれの時代にそれぞれの言葉で語り継いできたから現代でも古代の神話を楽しむことができている、というのは間違いないだろう。私が手にしてきたものは、伝えられている神話が作られた時代に近いものばかりだが、現代へ至るまでには神話をモチーフにした優れた創作物もあるはずだ。それらについても積極的に手に取る機会を増やし古代神話の楽しみを深めていきたい。
余談になるが現在Fate/Grand Ordarでアキレウスやオリオンが活躍する章をプレイしていて、めちゃめちゃ楽しんでます。ギリシア神話を読んできて良かったと思うし、アポロニオスが書いた(歌った)アルゴナウティカとかも読んでみたくなっている。
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