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レジンキットを手に取り気づいた、陰影が持たらす存在感の大きさ


ジャケットの着こなしがオシャレな伊達男が二人入ったレジンキット


私は普段プラモデルを作ることを趣味のひとつにしている。この趣味の面白いところは、どんなものも手に取れる大きさでマジマジと観察することだと思っている。レジンキットも似たようなものだと思うが、プラモデルと比べて販売場所の少なさや価格の高さが理由で少し手に取りにくく、今回初めて作る機会を得た。





プラモデルと同じようにパーツを切り出して接着剤で貼る。色は気が向いたら塗るつもりなので今は成型色のまま。今回作ったのは1/32スケールの第一次世界大戦当時のイギリス空軍兵。兵士のフィギュアはプラモデルでもポピュラーなモチーフだ。手に取り組み立て気づくのがレジンキットの彫刻の深さ。頭部と両腕以外はひとつのパーツなのに、マフラーやジャケットの襟、パンツのシワなどが持つ立体感が大きい。その立体感が兵士のフィギュアに濃い影を作る。



プラモデルに限らず、立体物は塗装で影を描くことで存在感を増すことがひとつの塗装ジャンルとして確立し、常に新しい塗装テクニックが生み出されているぐらい、立体物にとって陰影を付けること重要視されている。手にしたレジンキットは塗装せず成型色のグレー一色だったからと言うのもあるだろうが、私が手にしたレジンキットは光を当てると、彫刻の深さから勝手に自然ではっきりとした陰影が付加される。これが本当に衝撃的だった。隣に並べた1/35スケールのドイツ兵プラモデルの圧倒する存在感をレジンキットは持っており、それを生み出しているのが陰影の強さだった。

手に取り色々な角度で見つめるために、クルクルと兵士を回す。そうすることで兵士は動かないが、照明との位置関係が変わるので影は動く。私はその動く影を見ることで、陰影のもたらす存在感の大きさが知識から経験へと変わり、模型における陰影の重要性を理解した。レジンキットを作ってみて本当に良かったと思う。しかもそれがプラモデルでもポピュラーな兵士であったことは幸福なことだった。

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