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ありがとうの洗礼

12月にホノルルに行くことを決めてから
毎日なるべく走るようにしている。

5年もブランクのある身体は
もはや走ることを忘れていたので

またゼロの状態に戻っている。


なんでもそうだけど、
ゼロイチが一番大変だ。

エネルギーが必要となる。


明日からはじめよう


が、

1日のび、2日のび
3日目には諦めに変わる。


その最初の一歩を
ずっと心のどこかで望んでいて


走り出す自分を夢見ていた。


過去の栄光じゃなくて
未来の自分に会いたくて。


そのエンジンになったのが
今回は日本を飛び出して


まだ経験したことがない
ホノルルマラソンだっただけ。


ゼロからイチを踏み出す
大変さがわかっていただけに


エネルギーとなる
ワクワクも大きさが必要だった。


ホノルル行きを決めたとき

私の中でスイッチがはいった。


そう、この瞬間を
待っていたんだな〜。


最近、久しく感じていなかった
心からのワクワクに


胸が高鳴った。


そして、毎日の小さな一歩を
踏み出した。


自分をやるしかない状況に
追い込んで、


先に未来を作って。


最近、走っているときに

「ありがとう」の奇跡を

実践した人の話をまた聴いた。


昔から知っている

「ありがとう」を1万回言うと
奇跡がおきる


自分の年齢✖️1万回で
人生が変わるっていう


小林正観さんの話。


私も知った時には
中途半端に実践したけれど


でも、結局途中でやめてしまった。

達成していないものは
やっていないのと同じ。


そう、
知らないのと同じなのだ。


なんか、急に
やりたくなった。


46歳の私は
「ありがとう」を
4万6千回かぁ、、、、。


何でも形から入る私は
まず、数カウンターをAmazonで
ポチった。


コミットするなら
数を正確に測りたくなった。


だって
これまでいつも、適当で
中途ハンパ


結局、、、


やりきれなかったから。


そして、今日
夜のランニングを始める時には


「ありがとう」のカウンターは7000を
示していた。


走りながら
「ありがとう」を何回言えるだろう。


そんな軽い気持ちで
指にカウンターをつけて
走り始めた。


月が雲を照らして
明るい夜だった。


昨日も明るい夜だったけど、

今日も月明かりで走りやすいな


そう思って
走り始めたんだよね。


「ありがとう」を
呟きながら。



それが、、、


家の前の道路から大通りに入る
いつもの歩道に入ったときに、


月が雲に隠れていくのが
横目に見えた。



「せっかく月を見ながら走れると
思ったのにな、、、」


そう思いながらも


「ありがとう」を唱え続けていた。


何度も聞いていた
「ありがとう」の奇跡



2万回ありがとうを言う頃には
涙があふれるという経験談の数々。



決して嘘だとは思わないけれど
体験してないから
自分ごととしては語れない


だからこそ

コミットしてみたい気持ちがあった。


「ありがとう」を言い続けた先に
待っている世界を見てみたいと


そう思う自分が


数カウンターまで使って
「ありがとう」ランニングをしている。


なんか笑える。


もし、未来の私が
「ありがとう」の話をするときには


今日の日をきっと思い出す。


走り始めた時には
月が雲ゆ明るく照らしていた天気は


私の「ありがとう」カウンターが
8000を超えたあたりから


急に雨を降らせ始めた。


最初は
ウォーターシャワーのように
心地よい雨が降ってきた。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


気持ち良い雨に
お礼を言うように


走る呼吸に合わせて


三回ありがとう、息を吸う

三回ありがとう、息を吸う

そんな、リズムが出来上がっていた。


そのうち、
雨が激しくなってきた。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


雨はどんどん降ってきた。


もはや、どしゃ降りだった。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


雨が短時間で
めちゃくちゃ降ってきたので
道路に水が溜まっている


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


まるで滝に打たれているみたいに
雨が全身を打ちつける


ああ、


もしかして

雨が私の中の
黒いドロドロした感情を
洗い流してくれているんのかも、、、


そう、思った。

雨に黒い気持ちが流されていく
イメージをした。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


相変わらず「ありがとう」を
言い続ける。


その度に雨が強く
私の全身を打つ。

水が洗い流してくれるように。


「ありがとう」の奇跡では、
涙が出るって言っていたけど、


空が泣き出しちゃった。

そう思った。


私の代わりに空が泣いている。

そっか、、。
私泣きたかったのかも。


ここ最近、ずっと。


「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


どしゃ降りの中
傘もささずに走る自分。


どしゃ降りの中、
「ありがとう」を言いながら走る自分。


面白い。


私は今日のこの日を忘れないと思う。



「ありがとう、ありがとう、ありがとう」


「ありがとう、オトン」

「ありがとうおばあちゃん」

「ありがとうおじいちゃん」

「ありがとう、サイキお義父さん」

「ありがとう、〇〇(息子の名)」

「ありがとう、〇〇(娘の名前)」

「ありがとう、〇〇(夫の名前)」

「ありがとう、わたし」

「ありがとう、わたし」

「ありがとう、宇宙」


家に着く頃には、
いつの間にか
ありがとうのあとに

たくさんの今は会えない人たちの
顔が浮かんでいた。


どしゃ降りだった雨は


また心地よい
霧シャワーのような雨になっていた。


なんて気持ちの良いランだったんだろう。


びしょ濡れになった私は
今日の雨の洗礼が


奇跡の前の
毒だしのように感じた。


「ありがとう」カウンターは
9499回を示していた。


玄関に入る前に一回
「ありがとう」と

もう一度言ってから

カウンターの数をきりよい
9500回にして、家に入った。

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