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ファッション感覚でNISAやってみた①


※これは投資ド素人が書いた記事です。信ぴょう性が低い情報も含みます。

■貯蓄0の日々と、ヨーカドーの老人たち■

転職を機に都市から田舎へ移り住むことになりました。
都市型コールセンターから田舎のコールセンターへ。田舎暮らしは実家暮らし以来。17歳まで田舎暮らしだった分、都市の人の多さには居心地の悪さを感じていたのかもしれません。田舎暮らし最初の数週間は解放されたような気さえしていました。

とはいえ順風満帆で田舎暮らしをスタートできたわけではありませんでした。
もともとの職場の同僚たちが「送別会」と題して4日間博打漬けの日々を企画しました。もちろん参加して1年半ぶりのパチスロに脳汁ブシャー!となり調子に乗りました。そしてまんまと30万円を溶かしました(トラウマレベルの負け方だったためこれ以降は打たなくなりました)。
引越し代も40万…ほぼ貯蓄0になりました。

ということで転職先の初任給が出るまでは1日¥1,500で生活することになりました。当時の私は煙草も吸ってたので実質1日に使える額は¥1,000程度。新天地で旨い店を開拓するなど夢です。外食すらままならない日々となりました。

王将、すき家、松屋、回転寿司、サイゼリヤ、他多数…都市生活では外食ばかりでした。田舎暮らしになり、かつ金欠になり、それまでほとんど行かなかったスーパーに毎日通う日々が始まりました。割引価格の生肉を漁り、見切り品を漁り、それでも松屋とかすき家とかよりは美味いものができるんだなぁと気づきながら自炊生活が始まりました。1週間以上連続して自炊するのは人生初でした。

新生活始まって初任給が出るまで、もっぱらヨーカドーに通いました。そして当時の自分としてはハッとするような光景を目にしました。

フリースペースで、じいちゃんばあちゃんが(持参した)手作り弁当食べとる…

初見の時は状況が飲み込めず困惑したのを覚えてます。よくよく考えたら当時は真夏で、コロナによるお金のばら撒きとロシアによるウクライナ侵攻もあり光熱費が高騰し始めた頃。おそらくエアコン代を節約されるために出てこられたのでしょう。

何かしら自分と重なるところがありました。
当時の私は実質¥1,000生活で、節約漬けの日々に嫌になっていました。金がないってこんなキツいのかと思っていました。
でも、散財したい、贅沢したいけどできない、とかではなかったです。選択肢がないことに絶望していたのです。

例えば先ほど「外食できない」ということに触れました。金がないから外食できない。だからストレス溜まる…が、仮に金があっても、もう外食しないと思うのです。なぜなら、新生活を通して自炊した方が美味いもんができると気付いたから。

じゃあ何が不服なんや?ということになるんですけどね、自炊するしか選択肢がないから不服なんですよ。

パターン①外食できるけど敢えて自炊する
パターン②外食できないから自炊するしかない

①②どっちが自由に感じるか?どちらが満たされているかだと思うのですよ。
これはいろんなものに共通するかもしれません。

パターン①旅行に行けるけど敢えて家で過ごす
パターン②旅行に行けないから家で過ごす

パターン①高価な服を買えるけど敢えて安い服を買う
パターン②高価な服が買えないから安い服を買う

…そして思ったのです。

これ、このまま無茶な生活続けて貯蓄0で老後を迎えたら、不自由な暮らしが、制約まみれの生活が20年30年と続くんじゃないか。今はまだ初任給っていう当てがあるから良いけど、制約まみれの生活も終わりが見えてるから良いけど、老後はどうだろうか。
年金って正直給料並みのインパクトはないはず。だから当てにできん。だからずっと制約にまみれた生活が続く。
だからあえてヨーカドーに行って涼むのではなく、ヨーカドーに行って涼まざるを得ない生活が始まるのかもしれない。それも何十年と続く生活が。

■NISA/これは貯蓄か?ギャンブルか?■

↑のような考えに取り憑かれ、30代中盤で老後が超不安になり、2022年の夏、証券口座を開設しました。私は絶対に自由を謳歌するのです。自由にまみれた老後を過ごすのです。

とはいえどこに投資するか全くわかりませんでした。
新しい会社の同僚は「全米インデックス良いよ!アメリカ最強!」って言ってるし、自分もそうするかと一瞬思ったのですが、なんか嫌だなと思いました。

流行りに乗るのが単純に嫌だったのです。
私が好きな人や尊敬する人ってどこか世を拗ねている、世間の逆を行くとこがあるから、そういった姿に「かっけえ…」と思うから、という理由もありました。
だから流行りのS&Pや全米インデックスはフル無視して、流行ってない、無視されてる分野に投資しようと思いました。それは当時、金(ゴールド)と新興国に思えました。同僚からは滅茶苦茶笑われました。

皮肉なことにその年、S&Pインデックス含むアメリカ株に全ツッパしていた同僚は10%マイナスとなり、ゴールドと新興国にツッパしていた私は10%プラスとなりました。

私は思いました。
投資ってチョロくないか。世間の大多数とは逆のことしてたら勝てるんじゃないか。

これはのちに大損する奴の典型的な思考ですね。そんな単純な話ではないということも過去の身内の話を通じて知っていたのに、小額ながらビギナーズラックを覚えて有頂天になっていたのかもしれません。

■リーマンショックで資産の7割を吹き飛ばした叔父さん■

逆張りで大損した人が私の叔父です。
私が学生だった2008年、リーマンショックが起きました。叔父はこの直後に不動産株にレバレッジをかけて投資を行った人でした。

※順張り※
株価が上がっているときに買い、下落しているときに売る姿勢のこと。

※逆張り※
↑の逆。株価が下落しているときに買うこと。

※レバレッジをかける※
ざっくり言うと借金して株を買うこと。
例えば100万円分の株を買って1年後に倍になったら、100万円の利益となります。
これと同じように株価が変動するとして、最初に200万円借金して300万円の株を買ったら、1年後には600万円になります。損益は、600万円ー100万円(手元資金から投じた額)ー200万円(借金して投じた額)=300万円プラスになります。
何これ!借金して株買ったら、めっっちゃお得やん!(←暴論)

※リーマンショック※
2008年に起こった、アメリカ不動産市場に端を発した金融ショック。
そのカラクリは…

当時アメリカは国を挙げて「マイホームを建てよう」というキャンペーンを推し進めていました。不動産市場を潤すためですね(一説によれば好況、不況ともに不動産市場から始まると言われています。なら、不動産市場が潤ったら、景気も良くなるじゃん、そしたら、我々アメリカの政治家も、評価されるじゃん!という考え方です)。
で、それまで住宅ローンを組めなかった低所得者層までザルな審査を設けてローンを組めるようにしました(これが、サブプライムローンと言われるものです)。本当か嘘かはわかりませんが、当時は「誰でも、頭さえ付いていれば、一軒家を建てられる」とまで言われていたらしいです。

誰でもマイホームが買える…まさにアメリカンドリーム。
夢を見た彼らが住宅ローンを組んだ後、住宅ローンの金利が徐々に上がっていきました。彼らは返済に窮するようになりました。ここで債権者(低所得者層に金を貸している人や銀行)は「やべえ、このまま行ったら貸した金が戻って来んかも…」と不安になりました。債務者(=住宅ローンを組んだ低所得者層)が完済できれば利子含めて20%の利益を得られる、が、途中で破産されようものなら貸した側は大損する、と不安になりました。

ここで債権者たちに悪魔が囁きました。「こんな窮状を知らん誰かに債権(=借金を返済してもらえる権利)を転売したら良いやん」と。

数字を入れて説明すると、仮に債権者が1,000万円を融資している場合、債務者が完済できれば10年後に1,200万円戻ってきます。つまり200万円プラスです。が、いよいよ完済されるか怪しくなったためそうは言っていられません。元本(1,000万円)が戻って来ないかもしれないのだから。だから早々にこの債権を手放そう、割引価格で、例えば1,100万円で、何も事情を知らない馬○な個人投資家とか他の銀行に売ろう、という考えです。そしたら低所得者が破産しても、自分たちは大損を被らずに済むし、むしろ100万円プラスになるのだから。

彼らは借金を返済される権利を証券化して何も知らない個人投資家、銀行に売りました。のちに彼ら転売屋の読み通り、低所得者層は住宅ローンを払えなくなり、破産し始め、債権は無価値になりました。債権が無価値になったため証券の価値が消失しました。つまり10年後に1,200万円貰えると聞いて1,100万円を払って、その権利を買った投資家、銀行家たちは、ほぼ1,100万円損したのです。

こういった事象がアメリカを中心にいろんな国で発生しました。で、いろんな投資家、銀行が大損しました。1930年代以来と言われる空前絶後の不況がやって来ました。

なんでこんなアホな金融商品買うねん、と、後になれば言えますけど、当時は日本の個人投資家も意図せずこう言った「出鱈目な証券」を買っていたのです。

投資家はその資金を個別株だけでなくファンドという場所に預けることがあります。てか、大体の個人投資家は個別株なんか手を出さずファンドにお金を預けます。
ファンドは投資のプロです。プロだから我々素人よりも企業分析にも優れていますし、投資先の企業や債権者の代表と直接会って、話もできます。彼らに手数料払って、代わりに株や債券、証券を買ってもらった方が安心します。だから、みんなファンドにお金を預けるのだと思います。

ただ、ファンドにお金を預けているほとんどの人は、具体的にどこの銘柄・証券に投資されているのか把握していません。ファンドの投資家を信用しているからです。一応、四半期ごとに、ファンドから運用報告書は提出されますが、把握したところで時間の無駄だと思っているんじゃないかな。自分たちが預けたお金がどこに投資されているのか、把握しているのは極々わずかな人たちだと思います。

つまり日本含めていろんな国の投資家たちは、直接この「サブプライムローンの債権」を買っていたわけではなくて、彼らが資金を預けたファンドを通して間接的に買っていたのです。

で、実際にサブプライムローンの問題が浮上して損失が出てどうなったか?

損した個人投資家たちは、ファンド(銀行)から資金を引き上げ始めました。個人投資家たちはもう、銀行やファンドを信用してお金を預けなくなりました(リーマンショックが信用不安と呼ばれる理由です)。
だからファンドや銀行の資金は枯渇し、経済の原動力がなくなり(平たく言うと、企業、特に、大ポカをやらかしたように見えた不動産市場に金を出すのを渋り始めた)、多くの企業が倒産し始めて不況がやってきました。それに伴ってアメリカの株価も暴落しました(確か、1年かけて40%程度下がった)。


…注釈が長くなりましたが、この状況で叔父は、アメリカの不動産企業と銀行の株を買い漁るという空前絶後の逆張りを行いました。レバレッジをかけて。
ザルな審査を設けて無茶なローンを組ませまくった不動産企業と、それを助長した銀行、結果、世界の投資家に大損させた2大巨頭。世間が見放した分、他分野に比べてどちらも株価は下落しまくっていました。悪材料は出尽くした、やるなら今と判断したのだと言います。
結果さらなる悪材料が出てさらに株価は下落しました。叔父は資産の7割を吹き飛ばしました。


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