NZで職を得る時に最も重要なファクター

以前の職場もCEOは米国人だった。
今回のボスは英国人である。
政府職の面接に散々行ってパネルメンバーは全員リンクドインで出身&学歴をチェックしたが全員NZ人だった。

NZ人はNZ人を雇いたいので外国人移民は同じ競争になった場合必ず負ける。特に農業系、政府系になるとその傾向は強まる。至極当然である。政府職に就くという事はNZという国にある意味忠誠を誓い、この国の国民生活の安寧を維持するための仕事に従事するという意味で、例えば中国国籍の学生がいくら修士卒だったとしても「スパイ活動するんちゃうか」という疑いがもたれ重要な政府職にはつけない。現に私が受けた2つの面接では永住権保持して5年以上という条件が課せられていたし、CIAみたいなスパイエージェントは10年以上のNZPRか、豪英米国籍を有しているとアドバンテージがあるようだった。実際日本においても中国のスパイ活動は非常に活発だし、孔子学院という中国政府の出先機関が中国人を本国から輸出している。中国人はいくら海外に住んでも中華飯を食い中国語を話し中華圏を形成し、他国に居ながらも巨大なコミュニティを形成する、中国政府自体が巨大な監視機関であり、中国人が使うWHATSAPPなどは情報を抜いているので私は一切の中華アプリをインストールしていない。それ位中国という国と国民には距離を持って接する必要がある。

話がずれた。
NZ人はNZ人を雇うし、政府機関はワーホリや修士号でおまけでつくワークビザにも、長期で雇いたいと思った場合雇いたがらないということである。なぜならこの国で政府職に就く理由が彼らにはないからである。
この国の永住権を持たない外国人がなぜ政府機関で働きたいのか。
政府職の給与は税金で賄われているため、ぽっとこの国に来たぽっと出の外国人に食わせるタンメンはねえという話である。この国の税金を払っているのはNZ人なのでNZ人を雇ってNZに住み続けている人達を雇いたいのは至極当然だと思う。

今回私を雇う決断をしてくれたのは英国人である。
NZから見たら彼女も移民で外国人である。
たぶん結婚か何かでこの国に移ってきたのかもしれない。
英国人であってもこの国では移民で外国人である。
まあ英国植民地であったNZなのでうちの夫もUKにルーツを持つし、英国から最近移民してくる人も多い。夫の知人はスコットランド人で母親は歯医者かつ海洋学者らしい。なんそれなプロファイルである。

日本人の知人である彼女を雇ったのは女性でフィジーからの移民だったそうである。やはり移民を雇うのは移民である。そのボスは単身ギリホリでこの国渡って来た知人が手首にバンテージ巻きながらデータ分析の仕事をし、具合が悪くて出勤できなくなってしまった時も大変心配してくれたそうである。私は英語クラスでたまたま一緒になった人だったが、見るからにメンタルが脆い人なのが分かった。たぶんそのボスもそれを見抜いていたのだと思う。女一人ギリホリで渡ってきて、ボロボロになって働き永住権を手にしたその人を、異国の地で気にかけてくれる女ボスの存在は、私の気持ちも明るく照らしたのだった。彼女からしたら結婚して簡易にPRを手にした勝ち組女性みたいな私から施しなんか受けたくない。結局疎遠になってしまったのだが今でも彼女の事は気にかかっている。出会い系アプリでチンコのでかい既婚インド人のセフレだったことに気が付いたという不幸に見舞われていたが、その辺は自分で頑張ってどうにかするよりほかない。

移民の苦労は移民にしか分からない。日本においてもコンビニで外国人が働いていてそれを下に見る人たちがいるが私の知人は博士号持ちだった。あなたの目の前で働いている外国人はコンビニでおにぎりを買うしがない日本人より高学歴かもしれない。

外国で高学歴で政府職にでも就くと大概の事が気にならなくなる。
英語が不出来で差別されたみたいな、変なトラブルも起こらなくなる。
自信が勝手に態度や表情や服装などに漲るのかもしれない。
その辺にいるうだつの上がらない多くのNZ人より私の社会的地位はどう考えたって高いのだ。だからと言って威張り散らすこともないし、日々淡々と、やっぱり聞こえない英語も知らない英単語もたくさんあるので日々調べていくしかない。

昔大学のIELTSセンターに勤務する日本人のパイセンに英語の相談をしたら「NZに40年住んでても聞こえない英語はある」と言われた時にだいぶ安心した。大学のIELTSセンターに勤務する人でも分からない英語はあるというのだ。このパイセンの言葉にはだいぶ勇気づけられた。
しかしここでしっかり噛みしめたいのは、大学のIELTSセンターに勤務する人なのでネイティブレベルの英語力と仕事能力はあるということで、その辺のワーホリが参考にしてはならない。私も分からない英単語があるとはいっても英語論文はそこそこ辞書無しで読めるしその中で知らない英単語があるよーと言ってるだけなのでそこ勘違いしてはならないということである。3人の英語ネイティブから1時間のジョブインタビューを受けてしっかり質疑応答できる程度の英語力はある。その中でも「わからないことがある」と言っているだけである。

自分が何が分かって何がわからないかを知ることが自分の英語能力を知るということである。以前ボランティアに行く車内で会話を聞いていたら何かわからない単語があったので尋ねたら特定の化学物質の名前だった事があった。知らないと聞こえないと知ったのはこの時である。また、シドニー大学語学学校在学中、同級生の中国人が何言ってるか全然分からなかった。彼はリーディングはIELTS7.0だったがスピーキングが全然ダメだった。なぜなら彼はGrapeを永遠に「グラッペ」と発音していた。彼は永遠に英語が話せなかった、脳内で変な発音で英文だけはスラスラ読めたものの全て変な発音で読み進め一度も発音記号を見直すことも、グラッペをグレープに直す努力を一切しなかった。彼はそもそも、英語ネイティブと英語で話そうという気もオーストラリアでも中国人コミュニティから出る気もなかったのだと思う。結局語学学校を辞めて、本来の仕事である中国人のキリスト教教会の神父という職業に戻って行った。彼がいまどこにいるのかも知らないが、今でも彼は英語が話せないと思う。

英語の発音ルールに従うということは非常に大事でアクセントの場所が違えば相手には聞こえなくなる。相手に聞こえるように話す努力をするとコミュニケーションのストレス度が下がって相手の「英語話せない外国人との会話しんどい」という恐怖心を減らす事も出来る。英語を学ぶ際、多くの日本人は発音記号もアクセントの位置も気にしない。それで相手に聞こえさそうとするのなら、余りにも太々しいし、差別されて当然だと私は思う。

スピってる人に報告したら「ミラクル」と言われたが一切ミラクルはない。私が多くの日本人たちから苦労話をきいてその中から学び、大学に行き大学院に進み、この国で職歴を付けて、運よく移民の雇用主が現れてくれただけである。まあいずれにしろ、このような人物が現れるまで就活は続けて居たわけなのでミラクルでもなんでもない。5年に渡る不断の努力をし続け今でも英語の勉強をしているから成しえたのであって一切ミラクルは関係ない。ミラクルとは治らない言われている不治の病が治ったとか、裏庭から温泉が出たとか、死んだ爺さんが生き返ったとか、その手の話に使われる言葉であって、外国でデータ収集をし、それにしたがって行動し、苦しみながら就活を続けた人に使われる言葉ではない。この場合「努力が実った」というのであってミラクルでもなんでもない。もし自分の人生でミラクルがあったとしたら、夫と結婚したこと位しかないし、ミラクルというには、米国セフレ事件とかヘルペス事件とかワイナリーワイン吹き出し事件とか大量雨漏り事件とかまあ色々ありすぎて、バチくそ大変な結婚生活だったのでミラクルでもなんでもない。様々な苦労が当然あったので何がどうミラクルなのかという話である。結婚生活11年の間に母親も死んだしな。

また話がづれたが、海外就活で一番大事な事は面接官が移民かどうかというその1点だと思う。面接官が移民だとCVを見ただけで頑張ってるな~とか苦労してるな~とか分かるもんである。移民の苦労は移民にしかわからない。NZ夫の態度が激変わったのも私が現地就職を決めた瞬間で、寿司屋でバイトしてる間は尊敬のソの字もなかった。現地大学院を卒業した時に完全に夫婦間に厳然たる学歴差が出た。夫には筑波大がどの位のランクの大学か分からないので現地で大学院を卒業すれば夫はぐうの根も出ないのだった。なぜなら夫は美大を首になっているダメ人間で実質高卒だからである。NZ人夫が高卒、移民アジア妻が大学院卒の政府職である。私は自分のことを心底誇りに思う。それに見合うだけの努力をし続けてきてそれがシンプルに実ったからだし、それを支えてくれた夫にも心底感謝している。

夫は世帯収入が増えた事に対し喜びを隠しきれず、二人で永遠にキャンプバンのレビューをユーチューブで視聴し「欧州って道路右側走行だけど運転できるかなあ」などと欧州をキャンプバンで一周するという夢も二人の間に芽生えている。

私の人生の夢は「好きな人とパリに行く事」でもあった。
24歳の冬、実父のマイルでパリに行った時、恋人の街であるパリを一人で徘徊した。それでも自由で楽しかった。でも次来るときは好きな人と来て、ビストロで2名で食事するんだ、と最後の夜を一人でビストロに行き初めて食べたブルーチーズの不味さにゲボ吐きそうになりながら思った。なぜかあの時魚を注文してしまい、サーモンを食べながら隣のテーブルで牛肉のステーキを食べている人の皿を凝視していた。パリ最後の夜はこうして終わった。

夫のルーツはフランスにもある。
義理父側が南島のアカロアにやってきたフランス人の一群であったそうだ。
夫の祖先を訪ねることもフランス訪問の目的の一つでもあるが、私と夫は旨い飯が好きなのでUKに行きたいという気持ちがひとっつも起こらない。むしろ安い滞在費用と安い旨い飯を考えると東欧の魅力は高い。スペインポルトガルグリークもいい。トルコも行きたい。

カネがあるとシンプルに夢が広がるし好きな人とパリにも行ける。
そうすれば私の人生の夢も、24歳の時に持ったささやかな夢も20年以上の時を経て実現することもできそうだ。とにかくとても嬉しいし、ボスにも夫にも感謝の気持ちでいっぱいである。善行を積んでおいてよかった。もし運を引き寄せたかったら寄付とボランティアをすればいい。喜捨するとマジで運が向くので神社なんか行く事はない。実際俺はNZにいるので神社なんか行けないしな。あと努力もしねえ奴に運なんか向かねえって話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?