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【ノベルゲーム感想】学校であった怖い話 100点

【魅力】

●雰囲気

雰囲気の良さなら今作はトップクラスだろう
怖い話特集を組むために集めた6人から話を聞くというシンプルな流れで違和感なく本編に入れる
SFC特有の画質の悪さが怖い話と相性抜群
トイレや旧校舎なんかは特によくて暗さや粗さが逆に長所になる
これが最近のゲームみたいにきれいだと怖い雰囲気が台無しになってしまう
曲も雰囲気に合っていて話により没入することができる

各キャラの話の組み立て方も雰囲気作りに貢献してる
「自殺を見たことある?」「水道水を飲める?」「スポーツをするか?」
とか怖い話を始める前に軽い雑談から入る
自分はこの冒頭のやり取りも好きだ
実際の自分に当てはめて選択肢を選び話を聞くことでゲームではなく本当に語りかけてくれてるような演出になる

語り部たちのビジュアルもまた絶妙だ
イケメンや美女はいなくて本当にどこにでもいそうな感じがして日常を感じさせられる

話の内容もいい
恋愛 学業 クラブ活動など学校を舞台としているので誰にでも経験があり感情移入しやすい

●豊富な話と分岐量

語り部6人がいて話す順番で内容が変わる
それを7通りしてまず42つの話がある
1話毎に選択肢がいくつかあり途中で分岐して全く違う話になったりする
ものすごい量のテキストで飽きずに話を何周も楽しむことができる

●曲

割と本気で怖い曲がいくつかある
それだけでなく各語り部毎のテーマ曲もいいものが多い
自分は荒井 新堂さん 細田の曲が好きだ
殺人クラブ生存で専用曲が流れるけどめちゃくちゃかっこいい

●怖さの種類が豊富

怖い話といってもいろいろある
霊的怖さやグロい怖さや後味の悪い意味深な怖さ そして霊よりも人間が怖いヒトコワ的怖さなどさまざま
だからマンネリ化することが全然ないのは本当にすごい

【語り部】

●荒井

陰気で大人しそうな印象
けどサッカー部では合宿を楽しんでたり映画回ではフランス映画を熱く語ってたり意外な一面もあって好きだ

人形の話を除くとやっぱ合宿の話が一番好きだ
ガチるわけでなく友達とわいわいとやったり袖山くんとトランプなどで遊ぶシーンはとても和んだ
話の分岐量も多いし内容も結構怖い(謎のイモムシみたいな奴とか)
それだけに袖山くんが報われないのがかわいそうに思う
部をやめた後でもいい関係を続けて欲しかった

あと紫陽花の回も捨てがたい
健気に花を世話するのがなんとも切ない
寝込んでる時他の園芸部に花は元気か?って質問に本当は枯れてるのに心配させないために嘘つくのが見ててきつかった

●風間

ネタキャラ
最初はウザいけど何周もやってるとだんだん憎めないキャラになってしまう
好きな話は膝小僧の回とこっくりさんの回
笑顔がウザい
スンバラリア星はヤバい

●細田

全部トイレの話のヤバい奴
人形回で細田のクラスメイトに会うがトイレに入り浸ってる奴として馬鹿にされて笑った

基本善人で人当たりはいいけどたまにウザくなる
殺人クラブで主人公が毒飲まされた時「早くしないと死んじゃうぞー」とかいいながらキモい顔で腕ぶんぶんするのはかなりウザかった
花子さん回で主人公を何度も「僕たち友達だよね」とか言ってるのもかなりウザかった

一番好きなのはサンブラ茶回だな
人間やめた細田が怖かった
今作は霊的怖さもあるけど気色悪い怖さもあるのがすごい

●新堂さん

頼れる兄貴分
さっぱりした性格で不快な要素がない貴重な語り部旧校舎を探検したりスポーツ好きだったりアクティブなのもいい

一番好きなのはボクシング部の回だな
合宿のしごきが印象的
それが原因で赤坂が死んだのに隠蔽するのはひどすぎる
ラストの赤坂は物理で復讐して霊らしくないのも面白かった

●岩下さん

怒らせたらダメな奴
お嬢様口調がすごく似合う
恋愛の話が多くよく主人公と登場人物を同化させたがる
個人的に傘の回が気に入ってる
チャラ男の目を傘の先で刺すのはヤバすぎる
チャラ男ざまあすぎて笑った
あと冒頭の雨の件も文章がきれいで印象的
岩下さんまさかの雨好きとはな

●福沢

クラスに一人はいそう感が一番するキャラ
人形回で福沢に会う時クラスメイトとガールズトークに話咲かせてめちゃくちゃ普通の女の子してた
話の最中も主人公をよくからかってた
これで顔がかわいければ文句ないのに
は禁句だと思う

福沢の話で好きなのは13階段だな
友達連れて旧校舎でめちゃくちゃ楽しそうにしてた
謎の赤ん坊に足掴まれて結構怖かった
その後学校で赤ん坊をあやすようになったけどクラスメイトのスルースキルがすごすぎる
この学校の生徒はヤバい

【好きな回ベスト5(隠しや7話含めて)】

●5位 新堂さんと清水さんの隠しルート

あの2人にまさか関わりがあったとはな
最初は甘い恋愛関係になったりならなかったり期待したけどやっぱ怪談だったか
なんとも切ないのが印象的だった

●4位 美術室の自画像

あの絵は今作で一番怖いと思う
岩下さんと一緒にあの絵が変わってるか見に行く時本当に変わっててかなり怖かった

●3位 スンバラリア星人

この話はずるいね 
こんなめちゃくちゃでぶっ飛んた話面白いに決まってる
アンモナイトのような被り物した長官が印象的
強キャラかと思ったら瞬殺されるしなんだったのか

踊りを踊れないとかいう謎設定もあったな

ニャリン星人とかデベロンダッタ星人とか妙に印象的な名前の奴もいたな

●2位 人形

初めてプレイした7話だったから初見時は本当に驚いたし怖かった
人形が取り憑いた時の テンテンテンテンテンテンテンテンってBGMヤバすぎた

本当は合格するはずではない生徒が毎年一人生け贄になるっていうのも怖かった
人形で狂う生徒を見てもガンスルーきめこむ先生たちはやっぱこの学校の人間なんだなって思った

人形の真相を知るのに語り部たちの教室回るのも面白かった
普段の学校での振る舞いが垣間見えた
さっきも書いたけど細田の扱いは笑った
岩下さんはやっぱりって感じだった
風間は相変わらずウザかった

新堂さんから荒井なんて人間いないって事実を教えられたのも怖かった
主人公が人形の生け贄でしかも今年で終わりって知った後の新堂さんのムーブは笑った
まあ自分があの立場だとしても自分の安全が第一と考えるからな

荒井の人形はあと少しで完成みたいだったけどグチャグチャで気持ち悪いし本当にあれで人間になるのかは甚だ疑問だ

初めて生還BGM聴いたけどカッコ良すぎたねあの曲

●1位 殺人クラブ

順当な順位だと思う
今思うと最初の主人公を気絶させる流れはかなり雑だったな
先生(本棚)に告白したり謎の面接させたりまあ7話は固定だから6話は遊んだんだと思う

いきなり裁判始まったけど初見時はいろんな意味でビビったな
日野さんが強キャラになったり靴舐めさせられたり細田がウザかったりであまりにめちゃくちゃすぎた

しかもそこから鬼畜adv始まるし
教室とかトイレとかダミーがひどすぎるな
今発売されてたらネラーに叩かれてもおかしくないと思う
何度も何度もやり直したな
最近のノベルゲームは既読スキップとか既読オートとかあるけど当時はまだそんなのなかったからな
周回が意味不明なくらいだるかった

語り部たちを倒していくうちに闇のノートを見つけて殺人クラブについて知るけど主人公もだんだんキチガイになっていくの面白かった
対決に関して一番印象に残ってるのは福沢だな
この主人公やたら肉弾戦強いけど福沢には素の力では勝てないからな
例のヤバいレポート見つけないと勝ち目なし
爪で引っ掻いたり暴れちらしたりあの福沢は野獣そのものだったな

ラストの日野さん戦はあっさり勝ったな
今回の生還BGMは感無量だったな
非常に長く鬼畜でめちゃくちゃな話だった
この話はずっと忘れることはないだろう
ネットのネタバレをくらわず初見でプレイできて心からよかったと思う話の1つだ

【総合評価】

今ではなく当時発売されたからこその傑作だと思う
ps版のリメイクもやったけど新堂さんがキモかったり曲やグラフィックもある意味劣化してるし今作の長所がほとんど損なわれてた
福沢や岩下さんがかわいくなったり女主人公も選べるようになったけどそういうのは求めてない 

ぶっ飛んだ内容もだけど自分としてはあの暗い雰囲気が今作の一番の長所だと思う
ホラー好きならまずは確定でオススメしていい

隠しルート全部やった後主人公が先輩になって過去を振り返りながら後輩に託すのは感無量だったな
今作に出会えて本当によかった

実は今作をプレイしたのは8年ほど前
ノベルゲームを本格的にやるようになったのは先月のさくレットからだけどそれより前から今作をプレイしておりノベルゲームにハマる下地みたいなのは作られていた
こんなブログを急に作り出したのも自分がノベルゲームにここまでハマるとは思ってなかったから

90→95点 9/30に修正

95→100点 12/21に修正

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