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猫の暑さ対策 〜熱中症と脱水対策〜

日本の夏は酷暑と呼ばれるほど暑くなりました。

関東地域で最高気温が35℃を超えるようなことはかなり珍しいことでしたが、それくらい日本の気候が大きく変化しているといえるのではないでしょうか。

暑い時期になると私たちが注意するのが熱中症です。

これは人間に限らず、猫も発症します。

熱中症ってどんな病気?

熱中症は主に夏場によく見られる疾患で、かつては「熱射病」と呼ばれることがありました。しかし、直射日光だけが原因で不調を起こすとは限らないため、現在の名称が一般的に使われるようになっています。熱中症は、さまざまな「暑さ」が原因となります。

われわれ人間も含め、暑さを感じる要因は、①温度、②湿度、③風、④輻射熱が挙げられます。

この4つが影響して感じる温度を「体感温度」と呼びます。たとえば、温度が同じであっても湿度が高く風通しが悪い場合や、地面や壁といったものによる熱の照り返しが強い場合、身体はより暑さを感じます。猫の場合は多くが室内飼育ですが、日差しを遮るものがなく窓が締め切られた部屋では、実際の室温以上に強い暑さを感じてしまうでしょう。

猫が体感温度の高い条件下に長時間いた場合、身体に熱が蓄積していきます。蓄積した熱は、体外に逃がす必要があります。熱の放散を行う方法として発汗があります。人間の場合、体表の多くの部分で汗をかくことができ、汗が蒸発する際の気化熱でクールダウンをします。猫の場合、汗をかく部位は主に四肢の肉球周辺です。つまり発汗による熱の放散は、人間より効率が悪いということになります。

次に、呼吸の際に息から熱を放出する方法があります。犬が、暑い時や運動時・興奮をしているときに、ハァハァと浅くて回数の多い呼吸をしていることがよくあります。これは「パンティング」と呼ばれるもので、汗をあまり多くかくことができない動物が熱を発散させるために行う方法です。猫ではあまりパンティングがみられませんが、極度の興奮時や強い暑さを感じているときにはこの呼吸を行うことがあります。ただし発汗にしてもパンティングにしても、無尽蔵に放熱ができるわけではありません。これらの処理能力を大きく超えて体内に熱が蓄積してしまうことで、熱中症になってしまうのです。

一般的に、猫は犬に比べると暑さに対して強い動物種ではあります。しかし、近年日本でも酷暑と呼ばれる日が増えている傾向にあるので、猫も熱中症になってしまう危険性が増加しているのです。

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