世界遺産 検定勉強世界編8

文化的景観・紛争・戦争

フィリピンのコルディリェーラの棚田群(フィリピン共和国) 登録年1995年 文化遺産


参照:Pinterest

2000年にわたって続く棚田の景観
少数民族イフガオ族が2000年にわたって稲作を行なっている
→標高1000m〜2000m
・山頂から引いてきた水を、石積みの仕切りで溜めることで水田を形成している
→急勾配のため機械を導入するのが難しい
ほとんどが手作業
・田植えや収穫などの農作業時、冠婚葬祭などの儀式に歌われる「ハドハド」は2001年に無形文化遺産に登録されている
・世界遺産に登録されているのは、バナウエ、マヨヤオ、キアンガン、ハンドゥアンの4地域
※近年は後継者不足や、観光開発による棚田の荒廃が問題になっている


アランフエスの文化的景観(スペイン) 登録年2001年 文化遺産


参照:世界遺産オンラインガイド

王家の繁栄を伝える離宮
・マドリードから約50kmにあるアランフエスは、イスラム諸国との間で領土争いが繰り返されたため、イスラム文化が色濃く残る
15世紀にレコンキスタで活躍したカトリック両王が王領地としてから、王家の避暑地として整えられた
・現在は、カスティーリャ王や続く王達が整備した離宮や庭園が残る
フェリペ2世の命で作られた離宮はフアン・デ・エレーラ(エル・エスコリアール修道院を建造:世界遺産)が設計をおこなった
・離宮には部屋全体が陶磁器のタイルで覆われた「陶磁器の間」や、イスラム風の装飾が施された「アラブの間」など美しい内装が残されている
・タホ川の水を用いた「島の庭園」や「王子の庭園」、世界から集められた植物が栽培された農園など、周囲の自然と調和の取れた景観も評価されている

ワルシャワの歴史地区(ポーランド共和国) 登録年1980年/2014年範囲変更 文化遺産


参照:Pinterest ワルシャワ市街

廃墟から再建された歴史都市
・10世紀に国家統一を果たしたポーランド
首都をワルシャワに定めた
・しかし、プロイセン・オーストリア・ロシアの3国があおこなったポーランド分割により、18世紀後半に国家が消滅
・第一次世界大戦後、独立を果たすも第二次世界大戦でナチスドイツの占領下に
→ワルシャワ市民は蜂起したが、鎮圧され街の85%が廃墟に
・第二次世界大戦後再び独立し、「すべては未来のために」を合言葉に復興を進めた
ベルナルド・ベロットが描いた風景画を参考に、昔のワルシャワの街並みが復元されていった
・世界遺産にはワルシャワ旧市街と新市街が登録されており、旧王宮や聖ヨハネ大聖堂など多様な様式の建造物を見ることができる


ドゥブロヴニクの旧市街(クロアチア共和国) 登録年1979年/1994年/2018年範囲変更 文化遺産


参照:Pinterest 「アドリア海の真珠」

内戦による破壊からの復興
ドゥブロヴニクはクロアチアの最南端に位置し、「アドリア海の真珠」とも呼ばれる
・13世紀に共和制の自治都市となってから、ビザンツ帝国、ヴェネツィア、hハンガリーオスマン帝国と宗主国を変えながら自治を保ってきた
・この都市では伝染病を防ぐ為に、公衆衛生施設が早くから整えられていた
→全国民に天然痘の予防接種など
・城壁に囲まれた旧市街と、城壁外の歴史地区の一部が世界遺産に登録されている
・ユーゴスラヴィア内戦では、建造物の7割近くが破壊され、1991年に危機遺産登録されたが、1998年に危機遺産リストから脱した

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