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旧白洲邸 武相荘の初夏

「きっと好きだと思う」と、紹介してもらってから10年近く経ったかもしれません。この日思い立って、町田市にある「旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)」に行ってきました。

小田急線の鶴川駅から歩ける距離です。けれど、この蒸し暑さだと汗だくになりそうなので、バスを使うことにしました。駅から2つ目の停留所で下車したのは私だけでした。
大通りから脇道に入って坂道を上がります。迷うことなく、到着しました。

ご利用案内

バス停は私だけだったのに、到着すると人混みです。おそらく皆さん、車て来ていたのですね。そういえば駐車場案内がありました。

立派な屋根付きの門をくぐります。庭の植物が元気で輝いています。

案内図では「カフェ」だけど、営業していない様子
今はフリーなスペースなのかな

奥にクラシックな自動車が展示されています。近づくと、説明がありました。

展示の自動車について説明

ふむふむ、17歳の次郎さんが父親に買い与えられたアメリカ製の自動車と同型のもの、なのね。リアル「花形満」かも(わかる人は昭和を知る人…かな)。

白洲次郎氏の愛車と同型らしい

あらためて自動車を眺めると、時代を感じます。

アイスシェーバー(かき氷削りマシーン)

夏には次郎さんは、孫達にかき氷を作ったとか。すごいエピソード。とはいえ業務用ですよね、これは。

手前がレストラン、奥はミュージアム
レストランのメニュー

レストランは満席のため、名前と人数を書いて順番待ちをすることにしました。おそらく1時間以上は掛かりそうです。

元住居のミュージアム

さて、庭を散策しましょうか。

カフェ?横の階段を降ります

敷地は斜面を利用して変化ある庭を作っているようです。階段を降りたところに蓮の鉢がありました。初夏らしい感じ。

蓮のつぼみ

ワイルドな、おそらく元の土地の植生をイメージした植物でしょうか。

明るいオレンジ色

散策道は木道になっていて、歩きやすく、草花を傷めない配慮がされているようです。

グリーンがきれい
下の庭から建物を見上げる

進んで行くと、竹林に入りました。

竹林越しの元住居
見上げると
筍が成長して竹になりかけている
きちんと管理されていて、明るい竹林

竹林の奥は、駐車場でした。引き返して来ましたが、レストランの順番はまだまだ…という感じ。

ということで、ミュージアムをゆっくり鑑賞することにしました。

ミュージアムの入り口

白洲家の元住居を使ったミュージアムエリアは有料となります。そして、室内撮影禁止かつ、土禁。靴カバーをつけて入ります。

武相荘 夏

今は、夏のしつらえのようです。
白洲家の生活の場だった建物を使って、主の生活用具、持ち物を展示しています。展示品は季節ごとに替えているのがはっきりわかりました。夏の白洲邸にお邪魔しに来たイメージです。

茅葺き屋根が少し苔生していて美しい

正子さんは、ガラスが好きだったそうです。ガラスの食器、様々なタイプのグラスが展示されていました。

北側の部屋には図書室がありました。それほど広くない部屋の壁全てが本棚で、本がびっしり詰まっています。本の分野は小説から画集やら、歴史やら科学等幅広い。「南方熊楠」の本が多かったのが印象的でした。
図書室と思ったけれど、奥に文机があり、資料が山積み。書斎でもありました。さっきまで執筆していて、今は気分転換のために庭を散策中、という想像を巡らせました。

また、座敷には夏の着物が衣替えのように展示されています。沖縄の軽やかな生地の着物もあり、色は藍が多いかも。

個性的な夫婦の持ち物が並びますが、違和感なく不思議な調和を感じます。娘さんの解説文によると、「両親の趣味(ホビー)は全く違うが、テイストは合う」のだ、とありました。

ミュージアム

縁側のガラス越しに庭の景色が優しく見えました。なんとなく、今はもうない祖父母の家にあった、縁側の古い少し歪んだガラスを思い出しました。

見学者の人波が落ち着いたので、もう一度まわって、ミュージアムを味わうことができました。

庭に出て、建物周りの草花を眺めます。

香りの良い白い花
カワラナデシコ(私の好きな花)
キキョウ
オミナエシかな?
柿の実がかわいい

植物を見たり、ぼんやりしていると、レストランの順番がまわってきました。

印象的なレストランの壁
初夏の庭の植物が飾られています
テラスの奥の部屋で食事しました

テラス前の部屋に通されました。

海老カレー

注文したのは、海老カレーです。メニューにストーリーが書かれていました。キャベツの千切りを添えることも含めて、白洲家のカレーなのだそうです。

トマトベースのカレー

次郎さんは、カレーをフォークで食べたとか。

呼び鈴

ゆっくりと食事を楽しみ、テラス越しに庭の景色を眺めます。そのままではないものの、白洲家が作ってきた生活と遊び心と”途方もない仕事”が合わさって、独特なテイストが感じられました。

季節ごとに訪れたい場所です。

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