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流産

昨日朝から出血し、軽く生理の時と同じ腹痛があった。

基礎体温は下がっていたし、家の外に出た瞬間、なんか体が軽い気がした。

憑き物が落ちたという表現はあまり良くないけど、体から何かが居なくなって妊娠前の自分に戻った感覚があった。

その時から、薄々予感はしていたけど、そんなものは信じず、お腹の子は私が守るのだと、股にキュッと力を入れ、血がこれ以上出ないようにと祈りながら出勤した。

職場についてから恐々トイレに行くと、ドロっと血の塊のようなものが出た。
しばらく流せずに便器の中を見ていた。

すごく嫌な予感がして、信頼している女性の先輩にそのことを話すとすぐに病院に行った方がいいと言われた。
そこからすでに泣きそうになっていた。

女性の管理職にもその旨を伝えると早く帰りなさいと言われ、先ほどの先輩が駅まで車で送ってくれた。

駅で電車を待っている時、夫から電話がかかってきた。
そこから涙が止まらなくなってしまった。

昨日診てもらった病院の予約がなんとか取れ、電車の中ではずっと泣いていて、顔面ぐしゃぐしゃの状態で病院に着いた。

着いてすぐ状況を伝え、すぐ子宮の中をみることになった。

昨日と同じ椅子に座る。

昨日とは真逆の気持ち。

お願い、お願いと手を合わせて祈っていた。

消毒したのち、では診ていきますねーと先生。

しばらく無言の時間が流れる。

「...昨日は見えていた袋が見えなくなっていますね」

と告げられる。

その後も先生は丁寧に中を見てくれたが、赤ちゃんはいなくなっていた。
モニターも見せてもらったが、昨日あった黒い点はどこにも無くなっていた。

カーテンの裏側で看護師さん達が「流産...」と小声で言ってバタバタし始めた気配を感じた。

もう涙が抑えきれず、号泣している私にカーテンの向こうからティッシュが差し出される。

検診後、また2週間後に来てくださいということと、何か質問があるか聞かれた。

頭は真っ白だったが、次子どもを授かるにはいつから活動を初めて良いか聞いた。

先生は丁寧に色々話していたが、今はその内容は思い出せない。
生理が1回きたらとか、2ヶ月とかそんなことを言っていた気がする。
それぐらい動転していた。

帰り道もずっと泣いていて、家に着いても泣いていた。

お母さんが実家から来てくれ、夫も新潟から駆けつけてくれた。

夫は、「今日は命日でもあるけど、誕生日でもあるから」と言ってピザを買ってきてくれた。

私はやさぐれて、お酒を飲み、ふて寝していた。

それから色々話して、色々な動画を見て、1日経ち、少しずつ心が落ち着いて今こうしてnoteを書けている。

今思うことは、どんな命にもなんらかの意味はあって、この子がわずかな時間でも私の所に来てくれたのもきっと何か理由があるということだ。

そう思わないとあまりにも悲しい。

私がまだ母になるには未熟な部分もあったし、家族との関係、仕事の仕方、色々とこの子は私に教えてくれたように思う。

トイレに流してしまったわが子に対する罪滅ぼしで、そんなことを考えているのかもしれないけど、きっとこのことには何か意味があったと思いたい。

単身赴任を続けること、両親との関係、夫との関係、見直した方がいいよと言っているのかもしれない。

辛いけど、辛いだけで終わらせたくないと思う自分がいる。

色々まだ頭の中がまとまらないし、ちょっとしたことで涙は出るけど、きっとこの先また妊娠できたら、先に逝った子の分まで大切に思えると思う。

今はとにかく心と体を休めようと思います。

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