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ライト層目線!Mリーグ2021ダイジェスト#14【1月第1週】

Day51 力およばず”


「お待たせしました。第1試合。選手、入場」

ABEMA放送はこの日、萩原プロの解説および入場時ナレーションという豪華バージョン。萩原プロ自身がテレビ番組のナレーションもやっていることもあり、これがドはまり。さすが本職。

1月3日 第1試合

ABEMASは前節連投して1・2着に入った多井隆晴、年末を東城プロのトップで締めたフェニックス、年始は魚谷侑未を起用、勝ちきれない展開が続く格闘倶楽部は佐々木寿人、堀プロで年末トップで締めくくったサクラナイツは新年も堀慎吾を起用。

2022年は多井プロの1300-2600ツモ上がりからスタート。東3局も多井プロが超急所の6pを1巡目で自模り好調さを見せるが、その後魚谷プロがあえて3・6sの両面ではなく三色が確定するカン6sでリーチ。この6sを多井プロから捉える。いったん魚谷プロに逆転された多井プロだが、東4局。5巡目に満貫確定のリーチを入れて、一発で赤5pで自模り3000-6000と再逆転。魚谷プロも引き下がらない。南2局で仕掛けを入れて上がり、再びトップに迫る。

そんなデッドヒートが繰り広げられる中、事件は南2局に起こった。

魚谷プロの手は順調に進み10巡目でリーチを入れる。この時萬子の1~3が7枚並んでいたが、2mを切っての聴牌。リーチ宣言後、魚谷プロが点棒を1000点を出して、自分のリーチ牌の位置を右手で直す。

そのとき魚谷プロの顔色が変わった。

そこにあった牌は2mではなかった。3m・・。切り間違えの誤リーチ。

年末に2冠を取ってMリーグでは12月に連勝と波に乗っていた魚谷プロ。幸運の使者ビスコといえども、牌の切り違い迄は力が及ばない。

こうなれば魚谷プロにできることは、他の3人の誰かが上がってくれることを願うことしかない。

願いも空しく、この局は流局。魚谷プロのチョンボが確定した。

「スミマセン」

と魚谷プロがお詫びをした。

その後南3局で堀プロが3000-6000をあがりトップを逆転。

しかし、それでも魚谷プロは折れなかった。

南4局オーラスで3着目の魚谷プロは堀プロの仕掛けを見て、自身も仕掛けを敢行。からの、6000オールをツモって再逆転。再度試合をひっくり返した。魚谷プロトップ。フェニックスは年を跨いでの連勝となった。

しかし、トップインタビューは正直見ててつらかった。

トップを喜ぶよりも、自身がチョンボをしたというショックの方が明らかに大きかったように思う。しかし、トップインタビューの場は勝者としての振る舞いが要求される。微妙な感情があった。

人一倍麻雀に真摯に向き合う魚谷プロでもあり、終局時に対局者に何度も頭を下げていた。


1月3日 第2試合

フェニックスは東城りお。年末を勝利で締めくくり、年始も勝ってスタートしたい。ABEMASから日向藍子。昨年末に長いトンネルを抜け、2021シーズンはいよいよこれから。格闘倶楽部は2021年に勝利を量産した伊達朱里紗。

32人中唯一、トップがないまま新年を迎えたのはサクラナイツ岡田紗佳。

東1局から日向プロのリーチに一発で振り込んだのは東城プロ。もはや、これが彼女の作戦なのではないかと思うぐらい、失点も意に介さない放銃っぷり。そして、すぐさま東3局に3000-6000で回収。その後、東4局0本場でリーチ伊達プロの当たり牌を掴み7700を放銃。と思ったのもつかの間、東4局1本場で岡田プロに12000を直撃。さらに、南2局にリーチ・ドラ・ドラ、5200点の追撃を岡田プロに与える。

先切りの4sの筋に頼った岡田プロだったが、これが筋ひっかけ。岡田プロが口を真一文字に結んだ。

続く南3局でもヤミ2000点を日向プロに直撃。南4局でも自ら局を終わらせにいくべく先制リーチ。これをツモって裏ドラ2枚をのせた3000-6000で勝ちきった。

なんだかんだで東城プロは50000点越えの大トップの個人3連勝。セガサミーフェニックスも年跨ぎの3連勝を飾った。

東城プロの攻撃をもろに受けた岡田プロはラスに沈んだ。

Mリーグ32人目の勝利は今日もならず。4着目で迎えた東4局の1本場がターニングポイントか。

ドラ対子でタンピン好形のイーシャンテンの勝負手。東城プロのリーチに2pを押したが砕け散った。



Day52 自分のダメなところ


1月4日 第1試合

パイレーツはチーム最多出場の朝倉康心。個人成績132ptをマークして個人ランキング現在6位。ドリブンズから村上淳。直近3試合を連続3着。風林火山から勝又健志。リーグトップの6勝だが直近2連敗。雷電は黒沢咲。チームのマイナス500pt挽回のためには1試合も無駄にできない。個人成績は-14ptとほぼイーブンだが、チーム状況は重症。

この試合は朝倉プロが手堅く局を進行させる。

東2局の親番では3巡目で2・5・8mの3面待ちでリーチを入れてこれをツモり、2600オール。東2局2本場では黒沢プロに5200を放銃するが、東3局3本場、黒沢プロから3900点を討ち取り点棒と供託を回収。東4局でも村上プロから直撃を取り、トップ目の南1局ではダマテンから5200直撃を勝又プロから取って局を進め、南4局は黒沢プロが2着確定の上がりを選択し試合が終了した。

朝倉プロは11月下旬から4試合連続の連対で、うちトップ3回。ポイントは200を超え個人3位まで上昇した。

試合前にパイレーツ恒例のお参りがあり、朝倉プロはきっちりをご利益を受けた。

厳しい展開だったのはまたも村上プロ。

東3局では村上プロがいったんカン5sでテンパイも、高打点を目指してこれを拒否。その後いったんカン8pで形テンしたところ、すぐに8pを自模ってしまい、消化不良なツモ・ドラの1300オール。

東4局では朝倉プロと村上プロ、両方に手が入り、朝倉プロが先制リーチ。村上プロも満貫手をテンパイ。ツモか裏でハネマンまである。危険は承知で5mを押したが、無常にも朝倉プロがこれをロン宣言。しかも高かった。12000点。



1月4日 第2試合

ドリブンズからたろうプロ。直近4試合トップから遠のいている。風林火山から亜樹プロ。9戦連続2着で連続記録は途絶え、仕切り直しのスタート。雷電は萩原プロ。前日プレイヤー解説を担当したが、今日は選手として牌を握る。パイレーツは小林プロ。

試合はたろうプロと小林プロがデッドヒートを繰り広げる。

南3局1本場

配牌からたろうプロと小林プロの手は良かった。しかし、たろうプロも小林プロも手が進まない。萩原プロは手が悪く国士を目指していたが、リャンシャンテンから進まない。そうこうしているうちに、亜樹プロが急所を引き入れて最初にテンパイ。だが役がない。待ち替えのためリーチをかけず、2p単騎の形聴に取っとところ、直後にたろうプロから2pが打たれる。激痛。先ほどの3s放銃をやり返すチャンスを逃してしまう。萩原プロの国士も南がなくなった。

残り4巡となって小林プロにやっとリーチが入る。待ちは5・8s。亜樹プロも同テンの5・8sに組み替えてリーチ。たろうプロも苦しいシャンポンながら聴牌が入る。しかし、待ちが悪すぎるのでダマ。そして小林プロに無筋の2mを押すたろうプロ。強い。

たろうプロの最終手番。危険牌4mを自模ってくる。

これも押すのか?小林プロの待ちは河からすると萬子は危険に見える。しかも、自分で2mを押しているため、残っている萬子の筋を考えると4mはかなり危険。

リーチ

4mは打ち出された。しかも、ツモ番なしリーチまで宣言。最後の小林プロの打牌から当たりを獲ろうとする一打。たろうプロが刀を振りかぶった。これが振り下ろされれば、小林プロは一刀両断される。

その4mを見る小林プロ、、無言。

セーフ!

そして、小林プロの最後のツモ番。。当たり牌は、、、打ち出されなかった。

流局。

トップインタビューでたろうプロはこの一打を「自分のダメなところ」と振り返った。そして、普通のプロなら打たないと思うが、自分の基準ではぎりぎり打てるとコメントした。

試合は、南4局でたろうプロが小林プロに3900点を直撃。再逆転してトップを決めた。



Day53 芸術的な一局


1月6日 第1試合

雷電から瀬戸熊直樹。直近6戦逆連対、うち4着4回とかなり不調。格闘倶楽部からは高宮まり。直近4試合は4・1・3・2と腕を振りまくり。パイレーツは石橋伸洋。直近4試合で連対なく、4着2回はなかなか厳しい。サクラナイツから沢崎プロ。個人5位でトップ率は42%の絶好調。今日もトップを決めてしまうのか。

試合は沢崎プロがよどみなく試合を進めていく。

南1局の沢崎プロ。5m単騎で七対子をヤミテンに構える。瀬戸熊プロも追いついて白と8mのシャンポンでリーチ。しかしその直後、沢崎プロ5mツモ。しかも赤を自模り上げてしまう。高い位置から卓に打ち付けた。それも上がってしまうのか。。。連盟の先輩として瀬戸熊プロに容赦ない。

その後、瀬戸熊プロも追い上げてオーラス南4局。

瀬戸熊プロが赤2枚を引いて逆転条件の手を作る。テンパイさえすれば瀬戸熊プロの流れになるが、石橋プロが先にテンパイ。5・8sでリーチ。3300点でラス目の石橋プロはここは是が非でも上がって連荘したい。だが、なかなか自模れない。終盤に入り、テンパイに辿りついた瀬戸熊プロから5sが打ち出される。石橋プロがロン。。。

ではなかった。

あの男である。

ロン

ロンを宣言したのは、ヤミで石橋プロと同テンに構えていた沢崎プロ。石橋プロのあたり牌を頭ハネして試合が終了してしまった。

タンヤオ1000点。

終わってみれば沢崎プロの独壇場。サクラナイツもこの勝利で5位から3位にジャンプアップ。

そして、石橋プロ。今シーズン2度目となるオーラス頭ハネを喰らってしまった。



1月6日 第2試合

サクラナイツからは、現在沢崎プロと個人MVPを争う堀プロ。やはり個人上位の格闘倶楽部の滝沢プロ。直近4連対でトップ2回の雷電、黒沢プロ。パイレーツの瑞原プロ。ここまで12戦で10試合連対。今期は朝倉プロとともにチームをけん引している。以上、好調四者の戦いとなった。

この試合は接戦の好ゲームとなる。最後まで4者が接戦を繰り広げたが、終盤に試合が動く。

南4局、親番滝沢プロが堀プロから12000点を直撃しトップに立つ。

続く南4局1本場。

堀プロが自模れば再逆転トップのリーチを入れ、2着目の瑞原プロもリーチを入れる。そこにラス目の黒沢プロも自模れば逆転のリーチを入れる。滝沢プロは流局を祈る。息をのむめくり合い。最後、瑞原プロの手には自身の上がり牌1mが握られていた。1300-2600。逆転トップで試合は終了。瑞原プロは個人4勝目。連対率は驚異の84.6%となった。


この試合の南3局2本場に触れないわけにはいかない。

堀プロは仕掛けを入れて何振りかまわず上がりを目指し、滝沢プロも仕掛けを入れて混一色の高打点の手を作り、黒沢プロも四暗刻イーシャンテンまで手を進めた。

まず、滝沢プロがポンしてダブ南・
混一色(筒子)、カン2pをテンパイ。この滝沢プロに押しに押し続けた堀プロにも4s単騎で聴牌が入る。

そのタイミングで滝沢プロが4sを自模る。今現在、ダブ南・筒子の混一色テンパイの滝沢プロ。さすがにこれは止められないだろう。

と、思われたが。堀プロの河を何度も見る滝沢プロ。

まさか止めるのか?

打ち出されたのは1p。止めた。止めてしまったのだ。読みの精度の高さと止められる胆力。滝沢プロが目立たないながらもポイント上位に居る理由がそこにあった。

今度は攻守逆転。堀プロが2pを自模ってしまう。寸前で滝沢プロが2p待ちを崩したことを堀プロが知る由もない。こちらも長考に入る。

押した。2pを押した。4sテンパイ続行。

この2pにこれまで沈黙を貫いてきた黒沢プロが鳴いてテンパイを入れる。だが、トイトイ3暗刻テンパイなら4sが切りで、堀プロへの放銃となる。

が、4sは切らない。

3暗刻を捨てて、両面のテンパイに取り直す。黒沢プロも紙一重の打牌で応える。

テンパイを崩した滝沢プロだが、止めた4sに3sがくっついてテンパイに復帰。

海底は黒沢プロが9sをツモぎって流局となった。

3人は降りることなく、振り込むことなく、最後まで上がりを見続けた。滝沢プロと堀プロの読み合いを軸に黒沢プロも呼応し、息の詰まる。しかし、芸術的な一局が展開された。



Day54 私が自模るでしょ


1月7日 第1試合

ドリブンズから早くも今季9戦目の丸山プロ。風林火山から松ヶ瀬プロ。チームは3位に転落。何とか挽回したい。ABEMASから松本プロ。チームがボーダーラインに居るのは不本意だ。3連勝中のセガサミーフェニックスはいよいよ近藤誠一。直近は3着・3着と不本意な成績。

試合は松ヶ瀬・丸山・松本各プロの3巴の争いとなった。

オーラス、上がればトップの松ヶ瀬プロがリーチ・一発・ツモまで決めてトップとなり、個人2連勝を決めた。

松ヶ瀬プロは南1局、近藤プロが1sを持っていると読んで七対子を1s単騎で待ちにしてリーチ。そして、読み通り近藤プロが対子の1sを落としたところ、打ち取って近藤プロを追い詰めた。

近藤プロは4着となり、11月初旬から続いたチーム4着回避もこの試合で途切れることとなった。とはいえ、4着インタビューでは明るく締めくくった。



1月7日 第2試合

ドリブンズから園田賢。年末は1・1・2着と3連対中。風林火山から連投の松ヶ瀬隆弥。引き続きボーダー付近に低迷するABEMASは挽回を期して多井隆晴。ボーダー付近に低迷するチーム順位の引き上げが使命。セガサミーフェニックスから茅森早香。自身の成績は2・3・2・3・2という決めきれない試合が続いている。

東2局3本場

茅森プロが七対子・ドラ・ドラを西単騎に構えてリーチ。親の多井プロもテンパイ。両者自模れないまま茅森プロ海底のツモ番を迎え、そこで待望の西を自模り上げる。ツモに海底・裏・裏まで加わり倍満となって大量加点。多井プロは親被りで点数を減らしてしまう。

倍満の七対子をラス牌の西で自摸り上げた茅森プロは「山にいるなら私が自模るでしょ」と、思っていたことをインタビューで語っているが、なんと海底に眠っていた。

南1局では園田プロが3面張待ちでリーチをかけるが、1・2・3の純チャン3色を面前で完成させていた茅森プロがカン2mを同巡に自模り上げて、ダマのハネマン3000-6000で園田プロを撃破。なかなか見ることのない面前の純チャン三色であった。

南4局も茅森プロが自ら5200点を決めて試合終了。

茅森プロがひさびさの勝利で一戦目の4着を帳消しにして、この日のチーム収支をプラスに逆転させた。多井プロ2着、園田プロ3着、松ヶ瀬プロが1戦目トップだったが、2戦目はラスとなった。





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