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ライト層目線!Mリーグ2021ダイジェスト#8【11月第4週】

Day29 麻雀界の良心


11月22日 第1試合

サクラナイツからはここ4戦4連対、1トップと好調の堀慎吾、フェニックスからは前戦4軒リーチから松ヶ瀬プロに競り負けてしまった茅森早香、パイレーツは直近2連敗の朝倉康心、雷電から3連続3着と元気がない本田朋広が登板した。

ここまで新規加入の伊達・東城・松ヶ瀬の各プロが鮮烈な戦いを見せていたが、本田プロは初戦のトップ以降、やや停滞している。その本田プロに土田プロから叱咤激励があったのがこの試合だ。

東4局に注目したい。5巡目の本田プロ。筒子1メンツ以外は全て索子の局面。本田プロは索子を引き入れる。巡目も早く筒子のメンツを払っていくか?と思われた場面。

本田プロは静かに索子のペン張を払った。

これに土田プロは「僕が知っている本田は夢を見させてくれる打ち方をしてくれる」とコメント。そうである。本田プロは「北陸の役満プリンス」なのである。そう言われると5巡目で面前清一色が狙える手で、筒子の一メンツを確保していく打ち方はいかにも寂しい

試合後の裏インタビューでもわりと踏み込んで土田プロの考えを伝えた。(言うほど厳しくはなかった)

東4局は2000-4000を本田プロが上がったが、3000-6000、いや、本田プロならもっと夢のある打ち筋をファンに見せられる、もっのびのび打っていいぞ!という熱い助言だ。この手の発言はややもすると批判を受けかねないが、もはや土田浩翔は"麻雀界の良心"。やんわりと大先輩としての思いを伝えた。

試合は追い上げた茅森プロを交わして堀プロがトップを取った。南3局の好形聴牌時に不要となった5sを切らなかった局が大きかった。5sは本田プロの当たり牌であり、その後本田プロが自らツモったが、2着目の茅森プロに親被りさせることに成功している。

朝倉プロは苦しい3連敗となりチームは7位に後退。



11月22日 第2試合

雷電は前節高宮プロの強烈なダマの親マンを直撃されラスに沈んだ瀬戸熊プロ、フェニックスからは直近3連敗中と、壁にぶつかっている東城りお、パイレーツは前戦で今季初の4着をとった瑞原明奈、サクラナイツは連投で連勝を目指す堀慎吾となった。

東3局。親番の瀬戸熊プロが12000点確定の3・6p待ちでリーチ。この時、瀬戸熊プロの並々ならぬ「オーラ」を感じ取った堀プロ、これに対抗すべくカン2mで追いかける。

結果は堀プロに軍配が上がった。瀬戸熊プロが2mを掴み、堀プロへの放銃。瀬戸熊プロの悔しさは推して図るべし。この親番で12000点上がれていれば、この試合の流れは全く違ったはず。

堀プロはその後も手堅く加点して個人連勝でチームは5連勝。Mリーグタイ記録となった。

ここまでの瀬戸熊プロはチーム唯一プラス圏を保っていたが、堀プロへの放銃のほか、東城プロへの放銃もあって、この日箱ラス。個人もマイナスに転じた。



Day30 ちゅも は遠い


11月23日 第1試合

格闘倶楽部は前戦松ヶ瀬プロの爆発に押されて4着となってしまった佐々木寿人、風林火山は前節ダントツのラスから、あわやトップという2着まで浮上した二階堂瑠美、ドリブンズは直近3連対、トップ2回と好調さをみせる園田賢、ABEMASは前戦内川プロの連勝の影で3着になったが、地味に開幕以来4着回避を続ける白鳥翔が登板。

試合は白鳥プロが開始早々からリードして押し切った。

東2局でシャンポンでリーチの白鳥プロと両面でリーチの園田プロのめくり合いを白鳥プロ制し6000オールとしたのが大きかった。

瑠美プロも南4局で園田プロを直撃して価値ある2着。

南2局では2・5m聴牌の園田プロが白を加カンして頭の5p2枚が新ドラに。そして、嶺上から自模ってきたのが赤5m。3000-6000となって上がったのはまさにミラクル。

園田プロのカンはいつもドラマを巻き起こしてくれる。ピタゴラスイッチの最後の旗が立ったようだった。



11月23日 第2試合

ABEMASは前節内川プロのミラクルな上がりに試合を持っていかれ3着となった日向藍子、格闘倶楽部からは前節寿人リストバンドでトップをとった滝沢和典、風林火山は前節近藤プロとデッドヒートを演じるも2着となった二階堂亜樹、ドリブンズは前節白鳥プロを激しく追い上げるも惜しくも2着となった丸山奏子が登板した。

東1局。自摸が効いて早々の一向聴となった日向プロ。カンチャンの2mを残すか、7pを残すかの選択。ここで日向プロはタンヤオの目が消える2mを選択する。

その選択が命運を分けた。

その後、裏目の7pを自模った後、急所を全く自模れずに進行。そして、ドラポンの丸山プロに危険な6mを山から持ってきて抱えざるをえなくなってしまう。

何とか最終ツモ巡までたどり着くが、ここで滝沢プロがまさかの自摸番なしリーチを敢行。

海底番の日向プロ。安牌が残っていない。

場を見渡し13枚の中から最も安全と考えられる牌を探す。。静かな時間が経過し、中筋の4pが選ばれた。しかし、これが滝沢プロの当たり牌。海底が付加されて12000点の放銃。厳しすぎる。

今年の日向プロの上がれなさは異常だ。去年のセミファイナルでABEMASをけん引した日向プロと同一人物とは思えない。

試合は、1試合目寿人ラスの借りを滝沢プロがトップで返した。

東1局2本場で自模り四暗刻リーチの亜樹プロ、高打点リーチの丸山プロを相手に2000オールを上がるなど、東1局で50000点を超えて大リード。

南4局で赤5mを静かにツモって試合を終わらせた。



Day31 救いのダブロン


11月25日 第1試合

雷電は前節伊達プロ10万点時の同卓となったがマイナスポイントを12.4ptに抑えた黒沢咲、ドリブンズは前節瑠美プロへオーラス8000点放銃し3着の園田賢、パイレーツは前節東城プロをかわして2着を確保した瑞原明奈、格闘倶楽部から3連勝を目指す伊達朱里紗が登板。

南1局。3着目の黒沢プロが園田プロのリーチに迂回を続けていたが、ついにドラを引き入れて聴牌。

リーチ宣言牌が危険なのは分かっている。押すか、押さないか。苦悩の黒沢プロ。

押した。

力強く叩きつけられた7mだったが、無情にも園田プロがロンを宣言。

黒沢プロはラスに沈んだ。

チームポイントに余裕があれば違った選択があったかもしれない。

試合は瑞原プロと園田プロのマッチレースだったが、東場でラスに沈んでいた伊達プロが南場に復活。最後は瑞原プロをぎりぎり交わしてトップを獲得した。

南3局でチーテンを拒否して面前でタン・ピンに仕上げ、リーチして自模りあげたのはどでかい胆力だった。



11月25日 第2試合

格闘倶楽部から今季3勝目を目指す高宮まり、パイレーツは3連続4着と低迷している朝倉康心、ドリブンズは前節内川プロのまさかの3倍満で余裕のトップから2着に順位を落としてしまった鈴木たろう、雷電は4連続3着と地味にポイントを減らしている本田朋広が登板した。

東3局。親のたろうプロが3・6・9pの三面張、メン・ピンでリーチ。

そこに一発で9pを掴んでしまうトップ目の朝倉プロ、迂回しようにも鳴き仕掛けで手牌が短い。

ほどなく9pが切られた。。

ロン

・・

この声はたろうプロの声ではない

ロンの発声はたろうプロの上家である本田プロ。裏ドラものらず、リーチのみ1300点。朝倉プロ、ついていた。

日吉プロの実況

「はい!喜んで!1300点ですね!大至急持ってきます!」

しっくりきすぎる。(笑)

本田プロ、ロンの瞬間、たろうプロ後ろに倒れかかる。これはガクッとくるだろう。

試合は朝倉プロが本田プロを抑えてトップを獲得。3連敗を含む4連続逆連対から復活となった。

この日の高宮プロは、めずらしく消極的であった。



Day32 怒りの6000オール


11月26日 第1試合

風林火山は前節に伊達プロの10万点をもろに被弾して今季初の4着となった勝又健志、ABEMASは前節接戦を落として4着の松本吉弘、フェニックスから前節うれしい今季初トップをとった近藤誠一、サクラナイツから3連勝を目指す沢崎誠が登板。

そして今日も松本プロが南4局でトップを守ってオーラスを迎えた。勝又プロは3着目。

今回両者は2万点以上差が開いている。この点差なら簡単には逆転されないはずだ。

だがしかし、勝又プロは逆転の可能性のある手を作り上げてリーチにたどり着いてしまう。待ちは3・6p。一方、松本プロの手はかなり悪い。これは「お祈りタイム」だ。

幸い着々と当たり牌は消えていく。残り1枚。松本プロに最終自摸番がまわる。他家に鳴いてもらえる牌を探す、、、が、ない。

勝又プロに海底の自摸番が回ってしまう。

勝又プロの右手に・・

3p

勝又プロ、ツモってしまった。

海底摸月6000オール。一撃で逆転してしまった。100歩譲ろう。100歩譲ってツモってもいい。なにも海底で自模らなくてもいい。海底がなければ4000オールで松本プロトップだった。

卓上のヒットマン、松本プロ。今回も卓上で仕留められてしまった。 

ここ6戦で5回のオーラス捲られ。うちオーラスでは一回も放銃していない。こんなことがあっていいのだろうか?5回のうち1回は瀬戸熊プロだが、残り全て勝又プロ。もはやヒットマンのヒットマンだ。

勝又プロは前回、伊達プロにこてんぱんにやられたが、あっさり復活した。



11月26日 第2試合

今季好調の沢崎プロがラスを引いたサクラナイツは岡田プロ、ABEMASは予定通り連投の松本吉弘、風林火山は前節滝沢プロを猛追して2着の二階堂亜樹、フェニックスは今季2勝目を目指す茅森早香が登板。

この局は南4局の茅森プロに収れんされる。

南4局までの茅森プロは、東1局で松本プロに放銃。東3局では自模り三暗刻ドラ・赤の手で亜樹プロとのめくり合いに負け、南場では亜樹プロが親で連荘を続け5万点を超え、茅森プロは5千点近くまで点棒を減らしていた。

茅森プロ、まだ一局も上がらせてもらえていない。

そして、この南4局。ついに怒りが爆発する

続々と筒子を引き入れリーチ!

これを見事に自摸りあげ、6000オールを決める。

しかし、これだけではすまなかった。

次局、超終盤にリーチをかけた茅森プロの手に松本プロの手が止まる。

松本プロも役満級の聴牌。打ち出された6pは茅森プロの当たり牌。

12000点の直撃(被害者松本p)

次局の岡田プロの赤5mを茅森プロがチーし、その後聴牌。しかし、このままでは純空だったことを察したか、シャンポンに待ちに変えて山2の待ちに復活。なんと河底で岡田プロが当たり牌を打ち込んでしまう。

またも12000点の直撃(被害者岡田p)

この段階で逆転されてしまった亜樹プロが次局先制リーチをかける。これ以上好き勝手させてはならない。しかし、茅森プロも聴牌して追いかけリーチをかけてきた。今の勢いの茅森プロに勝てというのもムリである。亜樹プロは茅森プロの当たり牌を掴んでしまう。

3度目の12000点の直撃(被害者亜樹p)

南四局の段階で亜樹プロに48600点の大差をつけられ、-50ptを超えていた茅森プロ。南4局が終わったときは+82.1ptの大トップ。

6000オールを自模ってから、各者への12000点直撃は親の役満ツモ18000点オールと同じインパクトだった。

徐々に追い詰められていく亜樹プロにも注目せざるを得なかった。なにせ5万点近くリードしていたのに、松本プロ・岡田プロと次々倒され、最後は亜樹プロに矛先が向き、逃げ場はなかった。さながら、ホラー映画で追い詰められたヒロインのようであった。

しかし、茅森プロと亜樹プロは良きライバル。捲られた亜樹プロのインタビューの清々しさがとても印象に残った。

この日の近藤プロの3着と茅森プロ大トップでフェニックスは7位からパイレーツとドリブンズを抜いて一気に5位に浮上した。ただし、風林火山は勝又プロのトップと亜樹プロの2着で持ちポイントがついに600を超えた。


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