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ライト層目線!Mリーグ2021ダイジェスト#3【10月第3週】

Day 9 船長苦戦


10月18日 第1試合

現在7位のドリブンズからは鈴木たろう。暫定最下位の格闘倶楽部からは個人2戦目の伊達朱里紗。フェニックスからは前回、跳満ツモを決めてトップをとった茅森早香。船員が活躍しているパイレーツからは船長小林剛。

試合は序盤からたろうプロがトップを走る。南1局でホンイツ8000点を伊達プロから上がりさらにポイントを重ねるも、フェニックス茅森プロも南2局で5200点を上がって追いかける。しかし、南4局でたろうプロが突き放して、個人およびチーム2勝目。ドリブンズは4位に浮上。

パイレーツ小林プロが苦戦。

南4局1本場、微差2着目の茅森プロが、上がればトップの七対子を聴牌。トップ目のたろうプロもタンヤオ赤・赤・ドラを聴牌。4着目の小林プロは進みは遅いながらも平和・ドラ・ドラのイーシャンテン。小林プロは2人を一気に捲れる可能性があったが、聴牌まであと一歩のところで2人に無筋の3pを掴んでしまう。

押すのか、降りるのか・・。

長考の末切られたのは7s。これはたろうプロの当たり牌であった。ぎりぎりまで粘ることを選んだ選択だが、仮に放銃しても安手と見込んでいた。

しかし、開かれた手は12000点。

高い。高すぎる。

この放銃でラスがほぼ確定。これで小林プロは3戦2ラス。何とも厳しい。

一方、伊達プロは同じ局面で、茅森プロの当たり牌と、たろうプロの当たりみ牌2枚をいずれも浮き牌で抱えていた。放銃は時間の問題と思われていたが、小林プロの放銃により難を免れた。これはラッキーガール。

【混一色(ほんいつ)】3種の数牌のうちの1種類と字牌だけで作られる役。面前で3飜、鳴いて2飜。

【押す】降りずに危険な牌を捨てること

【浮き牌】自分の手作りに必要ない牌


10月18日 第2試合

第1試合でたろうプロがトップを獲得したドリブンズは前戦で箱ラスを喫した村上淳がリベンジの一戦。格闘倶楽部からは、今季いまひとつ波に乗り切れない滝沢和典。フェニックスからは個人初トップを目指す新Mリーガー東城りお。パイレーツからは前戦で見事なオーラスハネ自摸をみせた朝倉康心。

試合は東城プロが+97.2ptの大トップで個人初勝利となった。

東4局から南場の親を4本積み上げるまで上がり続け、連荘が終了してからも”山2”で上がり気配濃厚の国士無双聴牌の滝沢プロを1000点で交わし、オーラスも滝沢プロとのめくり合いに勝利し、ゲームを終了させた。

連荘中には自模り四暗刻テンパイにリーチをかけ、出上がりでも3倍満に仕上げる手作りを見せる。惜しくもこの局は流局したが、もし上がっていたら得点がどこまで伸びていたか判らない。東城プロに押し寄せるツモ。彼女もやはりラッキーガール。

一方、前回の箱ラスを挽回したい村上プロだが、まさかの2戦連続の箱ラスを喫してしまう。

村上プロの失点は、リーチ後の放銃、もしくは、めくり合いの敗北であり、”アンラッキー”であることはライト層にも分かる。この押し寄せる不運。Mリーグファンの村上プロ応援ツイートがSNS上にあふれた。

フェニックスは茅森プロの2着と東城プロの大トップでこの日+106.4ptを稼ぎ、雷電に次ぐ2着に浮上。この段階で東城プロが松ヶ瀬プロ、沢崎プロに次いでポイントランキング3位にランクインした。

【国士無双(こくしむそう)】役満 すべての么九牌を1枚づつ集めた役

【四暗刻(すーあんこう)】役満 暗刻4つを完成させた役

【役満】国士無双・四暗刻・大三元・天和など12種類の役で、上がると満貫の4倍の点数となる

【三倍満】役満以外で最高の点数 満貫の3倍の点数 手役やドラを合わせて11~12飜になるもの

【数え役満】
手役とドラを合わせて13飜以上になるものだが、Mリーグでは数え役満はルールに定められていない。役満以外は3倍満が上限になる


Day10 軍師出陣


10月19日 第1試合

6位サクラナイツからはやや苦戦が続く堀慎吾。ABEMASから前戦"伏せず"で物議を醸した白鳥翔。暫定首位の雷電から黒沢咲。そして、好調風林火山からは、開催10日目で今季初登板 で ”お待たせしすぎたかもしれない” 勝又健二。

雷電は前回瀬戸熊プロがトップを獲得しており、黒沢プロに期待がかかったが、この日は苦しい展開。

南2局でラス目に転落していた黒沢プロが起死回生の清一色手を目指した道中、白鳥プロにど級の危険牌である赤5sを押す。しかし、白鳥プロは牌を倒し5200点を申告した。

これを聞いた黒沢プロは、全て分かっていたように静かに頷いた。黒沢プロは-51.8ptの4着。厳しい。

一方、ここまで-80.2ptの総合29位と不調の堀プロ。しかし、この試合は、南場に入って連続で上がりを決め今季初トップを獲得した。チーム3勝目。

この試合で今季初登板の勝又プロは、2回の上がりで白鳥プロを微差上回り、堅実に2着を獲得。


10月19日 第2試合

風林火山からは連投の勝又健志。サクラナイツも連投権を行使した堀慎吾。ABEMASから今季2勝目を目指す松本吉弘。雷電からは前戦で寿人プロの猛攻を受けて箱下となった本田朋広。

2試合目で勝利をつかんだのは、いきなりの連投となった勝又プロ。

オーラスに注目したい。

乱打戦となった2戦目は、松本プロが東1局から堀プロに捕まって大きく点数を減らすが、東場の早い段階で着実に挽回し、南4局の段階でトップまで復帰していた。が、2着目の勝又プロがリーチを入れる。

”ツモれば”トップ逆転

そこに聴牌した本田プロから当たり牌2pが一発で打ち出される。この2pに勝又プロは「ロン」を宣言。2着よしの判断と思われた。

のだが。

めくられた裏ドラは3m。勝又プロの手に4mが。。

2枚

もあった

一発・裏・裏でハネマンになりまさかのトップ逆転。満を持しての今季初出場となったが、今年も勝又プロは強い。風林火山は早くも5勝目。

一方、松本プロはほぼ手中にしていた勝利が目の前で勝又プロに流れた。

「本当に悔しい」

の言葉に偽りはないと思う。


Day11 フラグ


10月21日 第1試合

現在7位ドリブンズからは、前回何とかラス回避した丸山奏子。現在6位ABEMASから今季3戦目、初勝利を目指す日向藍子。前節チーム2連敗で急下降の雷電は、瀬戸熊直樹で挽回を期す。パイレーツは開幕以来2連対と安定している瑞原明奈の登板となった

試合は2連続箱ラスになった村上プロの敵を取りたい弟子の丸山プロが見事に勝利を飾りチームも3勝目を挙げた。

東3局で両面リーチの瑞原プロにラス牌のペン3pで追いかけ、一発で自模りあげた局が大きかった。

瑞原プロも小物手と大物手を織り交ぜながら局を進め、3連続となる2着を確保。

一方、上がりがなかった瀬戸熊プロ。チームも3連続4着で5位に後退。今年は復調気配を見せている雷電、このまま後退はできない。

【ラス牌】山に残った残り1枚の牌


10月21日 第2試合

連勝を目指すドリブンズからは園田賢。ABEMASは前戦ぎりぎりラスを回避した多井隆晴。雷電は開幕から連対を続けている萩原聖人。パイレーツは、前回、東城プロの大トップに同卓したが最小限の被害で2着となった朝倉康心。

試合は多井プロが今季初勝利をあげ、チームも開幕戦以来の2勝目を獲得。

この試合は、各者が当たり牌をガードしながら、慎重な打牌が続き、重く、長時間の濃密な戦いとなった。

東場は萩原プロが上がりをものにするが、南2局に多井プロが2巡目という早すぎるリーチをかけ、しかも高打点の12000点をトップ目の萩原プロから直撃できたのが大きかった。

特に注目したいのは南3局0本場。まず、朝倉・園田両プロがリーチで先行する。

終盤にようやく親番の萩原プロに待望の聴牌が入る。

ここで待ちをカン3sにするかカン5sにするかの選択となった。あらかじめ断りを入れて長考を入れる萩原プロ。カン5sは既に場に3枚見えている。しかし、リーチ宣言牌となる2sは2軒リーチ後に切られた5sの筋でほぼ安全。

一方、カン3sならドラ表示牌に1枚あるが、残り3枚は場に見えていない。しかし、リーチ宣言牌となる6sが2人に無筋。救いは5sが3枚見えているためワンチャンス(9sは切られていて、4・5sターツの両面待ちの可能性も3/4消されている)なこと。

4着目の親番。ここで打ち込んだら親番も流れ、挽回はほぼ不可能。

長考。。顔をゆがめる萩原プロ。

画面の前の視聴者は6sが当たらないことは分かっている。かつ、残り3巡にも関わらず、3sが2枚も山にあることも知っている。

しかしながら、その情報を萩原プロが知る由もない。

最終的に選択されたのは3枚切れのカン5s。

安全策だ。

安全策ではある。

しかし、5sだって1枚は残っている。

1枚は残っていたのだが、実況の日吉プロが思わぬフラグを立ててしまう。

「3sを打たれるのだけは勘弁してくれよ」

この一言はバラエティ番組の熱闘風呂に落下する前のフリのように、3sが打たれる前に発せられた予言としか考えられない。

そして、萩原プロの次巡自摸がめくられるが。。。なんと、自ら3sを自模ってしまったのである!!

激痛

萩原プロ、のけぞって両手で頭を抱える。。。

分かる。

人生ってそんなものかもしれない。この時視聴者は萩原プロの表情に引き込まれたと思う。声に出ないまでも「マジかよ~」という声が聞こえた気すらする。これはプロの演技だったのか?

この局は流局となった。

念のためだが、日吉プロのこの実況こそが萩原プロの3s自摸を最高のエンタメに昇華させたのであって、言うまでもないが萩原プロが3sを自模ったことについて日吉プロには全く責任はない。

むしろ、何を自模ったら最高なのか、何を自模ったら最悪なのか。それを事前にクローズアップしてくれる日吉プロは、ライト層には本当にありがたい存在なのである。

萩原選手は最終4着

雷電4連続4着

悲しい

しかし、Mリーグというエンタメの舞台で、視聴者の心を鷲掴みにした萩原プロはある意味完全な勝者だった。

萩原プロのみならず、この試合で四者が見せた苦悩の表情は視聴者を十分に魅了した。この局については、多井プロ、朝倉プロ、園田プロそれぞれに見どころがあった。個人的に年間ベストバウトに推したい試合だった。

【ワンチャンス】捨てようとしている牌の1つ隣、もしくは2つ隣の牌が既に場に3枚見えている状態。仮に両面待ちなら既に3/4は可能性がなくなっている状態。カン張待ちやペン張待ちであった場合は、通用しなくなる読み筋。

【ターツ】2枚の関連する数牌。順子のタネ。3・4とか5・7とか、8・9とか。

【リャンカン】カンチャンが2つ繋がっている状態。2・4・6等。テンパイの段階でこのリャンカンが残っている場合、どちらかのカンチャンを待ちとして選択することになる。


Day12 ストイック


10月22日 第1試合

風林火山は初戦トップも、2戦目ラスを引いた二階堂亜樹。サクラナイツからは、前戦惜しくも松ヶ瀬プロに追い抜かれてしまった岡田紗佳。暫定最下位の格闘倶楽部は、Mリーグ初トップを目指す伊達朱里紗。フェニックスは久々の登板となるエース魚谷侑未が登板した。

この試合は、これまで大きくは目立たなかった伊達プロに一気に注目が集まる試合になった。

道中ポイントを積み重ねた伊達プロがトップ目で迎えた南3局親番、自模り四暗刻の聴牌にたどり着く。

視聴者の注目は今年の初役満をルーキーが射止めるかどうかの一点。実況松嶋プロのテンションも今シーズン初役満に向けてボルテージは上がる。

しかし、伊達プロ、ここでリーチをかけていた岡田プロの当たり牌5mを掴んでしまう。

万事休す

と思われた。

しかし、なかなか5mを切らない。。

その時である、伊達プロは5mを手に入れ、四暗刻の聴牌を崩した。

まさかの”降り”であった

降りの決断をしたこともすごいが、5mの読みもきっちり当たっていた。

上がれば16000オール。ある程度のリスクを冒してでも取りに行ったところで誰からも責められはしない。放送対局ならなおさら。

しかし、伊達プロはストイックだった。ストイックすぎたのかもしれない。

この局は亜樹プロが2000-4000を上がって伊達プロをいったん逆転。しかし、南4局の岡田プロが亜樹プロを直撃したため、最終的には600点差で伊達プロがMリーグの初トップを決め、初のガラクタポーズを決めた。

【ガラクタポーズ・ガラポー】佐々木寿人、前原雄大のユニット、チームガラクタに由来する。


10月22日 第2試合

風林火山は10開催日目に初登板していきなり2・1着を獲得した勝又健志。サクラナイツから3連勝に挑む沢崎誠。格闘倶楽部から高宮まり。フェニックスからは今季未勝利の近藤誠一が登板した。

試合は、格闘倶楽部高宮プロが沢崎・勝又・近藤という重鎮3人を相手にベルセルクの名のとおり激しい攻撃力をみせた。

リーチしては自模り、めくり合いでは勝ち、リーチを追いかけては先に上がり牌を自模り上げた。二軒リーチに挟まれたオーラスは安牌を失いながらも、トップが取れる沢崎プロへの放銃を選択しトップをもぎ取った。

南1局の親番で沢崎プロ8000点以上確定の3面待ちリーチに、カン3sリーチで立ち向かい、自模り上げたシーンは圧巻。リーチ・ツモ・3色・裏。4000オールを決めた。

今期高宮プロは初勝利。チームも3勝目をあげた。伊達・高宮両プロで連勝の格闘倶楽部は一気に5位まで浮上。

フェニックス近藤プロはオーラス迄ガマンの展開だったが、オーラスで起死回生のリーチ・ツモ・赤・赤、4000オールを決め、2位に浮上。わずかだがプラスポイントを持ち帰った。

【淑女なベルセルク】ベルセルクとは北欧神話・伝承に登場する、異能の戦士の呼称。連盟が高宮プロにつけた愛称。高宮プロの攻撃的な麻雀をイメージしている。


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